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2022.01.02
箱根のパワースポット「箱根神社」と芦ノ湖の龍神を祀る「九頭龍神社」で良縁祈願
箱根湯本駅からバスで約30分。山の神様と湖の神様にお参りできることで知られる箱根神社と九頭龍神社。例年、お正月の三が日には約10万人の初詣の人でにぎわいます。箱根の深い森と芦ノ湖が広がる境内はいつ訪れても山の凛とした空気が漂い、深呼吸したくなる気持ちよさ。湖に立つ鳥居など神秘的な風景にも出会えますよ。
箱根きってのパワースポット、奈良時代に創建された関東総鎮守の社
権現造りの御社殿。御祭神は箱根大神(はこねのおおかみ)
温泉リゾートとしてにぎわう箱根ですが、実はその歴史は古く2000年以上まえの古代から続く山岳信仰にさかのぼります。 箱根山全体がパワースポットといわれるのはそのためでもあるのですが、奈良時代に勅願によって万巻上人が創建したのが箱根神社のはじまり。以来、1260年以上にわたって「関東総鎮守 箱根大権現」として人々の崇敬を集めてきました。
杉が見守る正参道の石段。この先に御社殿がある
芦ノ湖畔にある境内は広々としていて、ヒメシャラの純林がしげるなど豊かな自然が息づいています。参道脇には樹齢600年を超える杉の古木が並び、歩くだけで背筋がピンと伸びるような荘厳な雰囲気。90段の石段をのぼって、清らかな気分でお参りをしましょう。
日本史を彩る武将たちが深く信仰
第四鳥居前にある「矢立の杉」。坂上田村麻呂が神前に表矢を献じたことに由来する樹齢1200年以上の古木
かつて箱根神社に深い信仰を寄せたのが日本史を彩る武将たちでした。たとえば平安時代には坂上田村麻呂が武運長久を祈願。後に鎌倉幕府を開く源頼朝との関係も深く、以後名だたる武家の崇敬を集めてきました。現代でも箱根神社は勝運守護のご神徳が高い神社として広く知られています。 初詣や日常のお参りにはもちろんですが、気分をリフレッシュしたいとき、なんとなくネガティブになってしまいそうなときなどに参拝してもパワーをいただけそうですね。
源頼朝が妻・北条政子の安産を祈願したことに由来する「安産杉」。安産や子宝祈願の参拝者も多い
湖に浮かぶ真っ赤な「平和の鳥居」が美しい
昭和27(1952)年に上皇陛下の立太子の礼と講和条約締結を記念して建立
境内でぜひ立ち寄りたいのが正参道の長い石段の下に立つ平和の鳥居です。厳かな雰囲気が漂う箱根神社のなかで、芦ノ湖に浮かぶような朱塗りの鳥居は美しさもひとしお。きらきらと輝く湖面、周囲に広がる深い緑の森など印象的な風景が広がっています。
参拝者の多い日は行列ができることも
平和の鳥居は正参道側からみてほぼ真南の方角に立つため、晴れた日の明るい時間帯であれば午前も午後も太陽の光を浴びる神々しい姿をカメラにおさめることができます。また、太陽が西の山の端へと沈む夕暮れどきも風情がありますよ。 ただし、午後になると参拝者が増えて混雑することも多いので、静かな雰囲気を求めるなら午前中のなるべく早い時間に訪れるのがよさそうです。 なお、平和の鳥居は感染拡大防止のため2021年12月25日~2022年1月15日の期間は立入禁止となっていますのでご注意ください。
箱根神社境内にある「九頭龍神社新宮」で良縁祈願
九頭龍神社新宮。箱根神社の御社殿の右隣にある
箱根神社の境内にはいくつかの神社がありますが、箱根神社とともに多くの人が参拝するのが九頭龍神社新宮です。 古い伝説によると、かつて芦ノ湖には毒龍がすんでいて人々を困らせていたのだそう。箱根神社を創建した万巻上人がこれを鎮め、芦ノ湖の守護神・九頭龍大神として祀ったのが九頭龍神社の由来です。 開運や金運、商売繁盛などさまざまなご神徳で知られていますが、なかでも縁結びの神様としてお参りする人が多数。恋愛や良縁の成就を願って参拝してみはいかがでしょうか。
龍神水舎の龍神水
さらに運気を高めるなら、九頭龍神社新宮の手前にある龍神水舎で霊水・龍神水をいただきましょう。生水のため飲用する場合は2~3日中に、また持ち帰って家のなかにお供えすると身辺を清めてくれるそうですよ。お水とり用のペットボトル(100円)も授与されているので、手ぶらで訪れても大丈夫です。 九頭龍神社新宮では、誓願符という水溶性の紙に願い事と誓い事を書いて成就水盤へ納める「誓願」を行うこともできます。誓願符は溶けて流れ、御祭神である芦ノ湖・九頭龍大神に届くとされていますので、叶えたい思いがある方はこちらもチェックしてみてください。
九頭龍神社の御神印と九頭龍御守、九頭龍えんむすび御守
九頭龍神社のお守りやお札などは、箱根神社の勝運守護の「勝守」などとともに境内にあるふたつのお札所でいただくことができます。 心願成就と開運・金運守護の「九頭龍御守」、裏側に願いを書いて身につけると願いがかなうといわれる「九頭龍えんむすび御守」、友人どうしや夫婦で持ちたい「和合御守(なかよしまもり)」など願いごとによって選んでみましょう。 ふたつのお札所のうち、龍神水のペットボトルは御本殿前の「西のお札所」、箱根神社と九頭龍神社の御神印(ご朱印)は駐車場に面した「南のお札所」でいただけます。 なお感染拡大防止のため2022年1月現在、ご朱印帳への捺印記帳は休止となっており、書き置き紙の授与となっています。
箱根神社の神印帳、模様が合うものは世界にひとつしかない寄木細工の和合御守
箱根神社
ハコネジンジャ
芦ノ湖に沿って足を伸ばして「九頭龍神社本宮」へ
九頭龍神社本宮
九頭龍神社はもともと箱根神社の境外社として芦ノ湖畔の別の地に開かれました。 箱根神社の境内にあるのは分社である「新宮」で、「本宮」は箱根園近くの「箱根九頭龍の森(入園料600円)」の中にあります。箱根神社からはバスで13分の箱根園バス停からさらに徒歩30分と離れた場所になっています。
芦ノ湖に浮かぶ鳥居
周囲には観光施設や飲食店などがなく、一帯には手つかずの自然の森が広がっています。木立のなかに建つ朱塗りの社、湖面に浮かぶ鳥居など深い山のなかにいるような神秘的な雰囲気が感じられそう。近くには白龍大神を祀る白龍神社などもあるので、合わせてお参りしましょう。 本宮には社務所やお札所などがありません。そのため九頭龍神社のお守りや御神印をいただくには箱根神社も訪れる必要があります。まずは箱根神社と九頭龍神社新宮にお参りし、芦ノ湖に沿って九頭龍神社本宮へと足を伸ばすプランがよいとのことですよ。
九頭龍神社本宮へ続く道
新年最初の参拝は、芦ノ湖畔を歩いてふたつの神社をめぐるすがすがしい両社参りへ。箱根の散策を兼ねてゆっくりと良縁成就を願ってみてはいかがでしょうか。
九頭龍神社本宮
クズリュウジンジャホングウ
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佐藤史子 写真:齋藤雄輝、神奈川県
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