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2023.12.25
京都よりみちこみち 錦小路通【後編】
国内外から「京のおいしいもの」を求めて訪れる人が絶えない錦市場。平安時代には、既に錦小路に市が立っていたといわれます。付近は良質な地下水に恵まれ、その水を使って魚や鳥を保存していたそう。さらに平安京の中心に位置していたので、人の集まる場として賑わったのだとか。
前編では、「錦の天神さん」として、多くの人々から厚い信仰が寄せられ、親しまれている「錦天満宮」や、珍味屋さんのふりかけ、食に関する道具を扱う店などをご紹介しました。 後編では、京漬物や生麩といった京都ならではのおみやげや、この秋に誕生した話題のカフェなどをご案内します。
【前編】はこちらから
卵のおいしさが堪能できるだし巻きサンドとスイーツ
「三木」をデザインした梅のロゴマークがかわいい
錦市場のだし巻卵専門店が手がけるパンとお菓子の店「三木鶏卵堂」。卵を知り尽くしたプロが作るとあって、メニューによって卵の種類を変えるというこだわりを見せます。たとえば、プリンには濃厚な「静原の平飼い卵」の黄身のみを、だし巻きサンドにはだしの風味が引き立つ「さくら玉子」などと使い分けているそう。 濃厚卵を味わうなら「プリン」1個380円がおすすめ。ほろ苦キャラメルソースも美味しいです。
「だし巻きサンド」1180 円。一口食べるとだしの香りがふわり
外はカリッと、中はもっちり「カヌレ」1個320円。卵の風味 とバニラの香りが、懐かしさをかきたてる焼き菓子
スイーツと合わせて、「錦の水」で淹れるコーヒーもぜひ。店内にはイートインスペースもありますよ。
三木鶏卵堂
ミキケイランドウ
パパが娘のために愛情込めて手作りした餃子が原点
おしゃれカフェのようにも見えるたたずまい。ランチからディナーまで通し営業なのも◎
フレンチMOTOÏの前田シェフによる新展開のお店「モトイギョーザ」。仕事で会えない娘さんのために作った餃子をきっかけに、コロナ禍を経て、料理人が世間から求められていることを考えた結果がこのレストランだったそう。
サラダ(鶏胸肉のコンフィよだれ鶏ソース)、ご飯、みそ汁などが付く「プレミアムパパ餃子ランチ」1200円(11:00 ~ 14:00)
ニンニクを使わずに、豚肉、エビ、パクチーを加えたパパ餃子は、添加物を使わないので安心して口にすることができ、みそ汁やサラダに使われる大原野菜も新鮮そのもの。パパ餃子はオリーブオイルと塩で味わうのがおすすめです。
MOTOÏの鶏ガラのブイヨンを使ったスープでセロリ餃子を煮込んだ「野菜たっぷり 水餃子」1450円。余ったスープでチーズリゾットも
モトイギョーザ
職人たちが作り上げる食卓を飾る彩り豊かな京漬物
1940(昭和15)年に京都の島原で創業した打田漬物は、戦後間もなく錦店を開店。今も、工場では重石を調整したり塩加減をしたりと職人の手仕事が見られるそう。
漬物樽が並ぶ店先
独特の酸味がある「丸すぐき」1080円(左奥)や、あっさり塩味の「みぶな漬」496円(右奥)も伝統ある京野菜を漬けたものです。
打田漬物 錦小路店
ウチダツケモノ ニシキコウジテン
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戸塚江里子 写真:小川康貴 編集:ことりっぷ編集部
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