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2024.03.22
春色に染まる高知でめぐりたい、3つの花の名所へ
多種多様な花と緑にあふれ、「歩ける植物図鑑」と称される高知県。3000種類もの草花が植栽される「高知県立牧野植物園」や桜の名所として知られる「牧野公園」、まるで絵画のようなガーデンが広がる、北川村「モネの庭」マルモッタンといった高知を代表する3つの花の名所をご紹介します。

【花の名所①】カラフルに華やぐ「高知県立牧野植物園」

約40種類の桜が咲く「50周年記念庭園」(写真提供:高知県立牧野植物園)
約8haの広大な敷地で草花の魅力を伝えるのが「高知県立牧野植物園」。ここは高知県出身の植物分類学者、牧野富太郎博士を顕彰して造られた植物園です。2023年には牧野博士がNHK連続テレビ小説『らんまん』の主人公のモデルになり話題を呼びました。
サクラ属の園芸品種‘仙台屋’は植物園のシンボルツリー(写真提供:高知県立牧野植物園)
牧野植物園では、3000種類以上もの植物をまるで自生しているかのように植栽。四季を通して観賞が楽しめますが、なかでも春は1年のうちで最も園内が華やぐ季節です。博士も愛した桜やツツジ属、ヤマアジサイといった色とりどりの花が咲き誇り、園内はピンク、赤、水色…と、カラフルな春色へと染まっていきます。

写真は過去の「春のフラワーショー」のようす。内容が異なる場合がある
この時期だけのお楽しみは、「春のフラワーショー」。標高131mの「こんこん山広場」の斜面を約100種類の園芸品種が彩り、眺望と植物が一体となった景色が見られます。2024年は3月23日(土)~5月19日(日)に開催され、4月24日(水)には牧野博士の誕生日を記念して植物園が無料開園に。詳細はHPでチェックしてくださいね。

(左)「ラボテラス」のレストランで桜を眺めながらカフェタイム(右上)「温室」は建築美も楽しめる(右下)「牧野富太郎記念館 展示館」の中庭
ほかにも牧野植物園には、博士ゆかりの植物が集まる「牧野富太郎記念館 展示館」の中庭やシダ植物や熱帯植物が茂る「温室」といった草花の観賞スポットがたくさん。昨年オープンした植物研究交流センター「ラボテラス」には、園内を見渡すレストランや博士に特化したアイテムがそろうミュージアムショップも併設しています。1日中楽しめる牧野植物園で、ゆっくりと春の草花を愛でる時間を過ごしてくださいね。
高知県立牧野植物園
コウチケンリツマキノショクブツエン

【花の名所②】小高い丘に桜が咲き誇る「牧野公園」

地元の有志によって10年の歳月をかけて整備されている
高知県で桜の名所として知られるのが、牧野博士が生まれ育った佐川町にある「牧野公園」。博士が東京から佐川町へソメイヨシノの苗を送ったことから、この名が付けられました。博士が送った桜は伐採されましたが、その後地元の有志が1000本もの桜を植栽して公園を再生。今ではソメイヨシノをはじめとする30種類もの桜が咲き誇り、2月上旬から4月上旬にかけてさまざまな品種の桜が順に園内を彩ります。

昨年のさくら祭りのようす
桜のシーズンには「さくら祭り」を開催。牧野公園には売店が並び、園内と麓に広がる白壁の町並み「酒蔵の道」にはぼんぼりが灯され、周辺散策も楽しみながら花見が楽しめます。 牧野公園には桜以外にも、400種類以上の博士ゆかりの山野草を植栽。オンツツジやヤマトグサなど博士が命名した春の草花も観察してみてはいかがでしょうか。
牧野公園
マキノコウエン

【花の名所③】モネの色彩と光を花で表現する『北川村「モネの庭」マルモッタン』

モネの名作『睡蓮』を思わせる「水の庭」
花が彩るアートな世界に浸れるのが、高知県の東部、北川村にある世界に2つだけの「モネの庭」。印象派の巨匠として知られる画家クロード・モネが晩年を過ごしたとされる庭はフランス・ジヴェルニーで大切に管理されていますが、ここ北川村にはフランスの本家に世界で唯一認められた「モネの庭」があります。
「チューリップの丘」の満開予想は3月10~20日頃。最新情報はHPを確認

フルーツを花に見立てた「チューリップサンド」600円
ここではコンセプトの異なる3つのエリアで、花を絵具に庭をキャンパスに見立て、モネの絵画の世界観や色彩を表現しています。 3月上旬にはモネの連作のひとつである『ポプラ並木の草原』をモチーフにした「チューリップの丘」が期間限定で登場。23品種、2万5千本の早咲きのチューリップでモネの筆致をたどります。地中海沿岸の雰囲気が漂う「ボルディゲラの庭」にある「リヴィエラの小屋カフェ」では、フルーツサンドやワッフルなど、チューリップをモチーフにしたスイーツも味わえますよ。

「花の庭」を季節咲きのチューリップが彩る
3月下旬になると「花の庭」では、125品種、2万本のチューリップが庭を華やかに彩り、フランスのモネの庭にもあるというピンクのチューリップと水色の忘れな草の花壇が見頃に。4月下旬には、「水の庭」で本家から株分けされたスイレンが花を咲かせます。早春から次々に表情を変えるモネの庭で、アートなガーデン観賞を楽しんでくださいね。
北川村「モネの庭」マルモッタン
キタガワムラモネノニワマルモッタン

【立ち寄りスポット①】「Paper message おびやまち店」で花モチーフの雑貨探し

遊び心にあふれる雑貨がそろう
花旅のおみやげ探しは「Paper message おびやまち店」へ。こちらは植物や動物、天体などをモチーフにしたオリジナル紙雑貨のお店です。カツオやユズといった高知らしいイラストが描かれたポストカードやレターセットなども多彩にそろい、おみやげとしても人気があります。専属デザイナーが描くイラストはどれもかわいらしく、やわらかな雰囲気。贈りものとしてはもちろん、部屋に飾れるようなアイテムもそろいます。

リボンを通せる花束のカード「バラの花束」大550円、小220円

一輪挿しのカード1枚132円~、花瓶のカード1枚165円
花をモチーフにしたアイテムも数多く、人気が高いのは花束のカッティングカードや一輪挿しのカード。花束のカードはリボンや透明紙の包みのようなカードを組み合わせて、自分好みにアレンジできます。 一輪挿しのカードは好きな花を選んで、花瓶のカードにセット。花瓶のカードは折ることで自立するので、インテリアとしても使えます。かわいいデザインとさまざまな組み合わせが楽しめる、紙雑貨の魅力を体感してみてくださいね。
Paper message おびやまち店
ペーパーメッセージオビヤマチテン

【立ち寄りスポット②】桜のおはぎを味わいに「あんこスイーツかしこ」へ

おはぎは1個140~216円
おやつには、花のようにカラフルな色彩のおはぎはいかがでしょうか。高知市内にある「あんこスイーツかしこ」はおはぎの専門店。常時、8種類から選ぶことができ、よもぎ餅で八重桜入りの白餡を包む「梼原町の八重桜」など、四季を感じられるおはぎがそろいます。

毎朝手づくりするおはぎは、保存料不使用
餅生地は、オーナーの両親が四万十で育てるもち米とうるち米をブレンドし、より香りが立つようにと直前に精米。おはぎによってはカシスや味噌をトッピングすることで、食感や味にほんの少しのアクセントをつけるのもこだわりのひとつです。

イートインスペースを備える店内
フレーバーにはサツマイモや緑茶、生姜などできるだけ高知県の旬の食材を使っています。ときには素材の良さが生かせるように、生産者と話しながらその時期のおはぎを決めることもあるそう。イートインスペースもあるので、土佐茶やコーヒーなどと一緒にゆっくりとおはぎを味わう時間を過ごしてくださいね。
あんこスイーツかしこ
アンコスイーツカシコ

春のおでかけは、高知の個性豊かな花の名所へ。今だけのお楽しみもチェックして、足を運んでみてくださいね。高知の花々が彩るカラフルな景色に、心も華やいでいくようです。
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橘春花(フォレスト) 写真:森昌史(フォレスト)
連続テレビ小説を生かした博覧会推進協議会(事務局:高知県庁観光政策課)

令和5年に放送されたNHKの連続テレビ小説『らんまん』を県観光の振興に最大限に生かすとともに、ひたすら草花を愛し続けた牧野博士の精神や功績を後世に引き継いでいく取り組みを実施。県、市町村、関係団体等により組織する推進協議会を設置し、官民協働により事業を推進することとしています。
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