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2024.09.10
梨プリンも梨ミュージアムも♪ 梨の産地・鳥取をめぐる、おいしい&かわいい旅
豊かな風土に恵まれた食パラダイス鳥取県。今まさに旬を迎える梨は、鳥取を代表する味覚で、ミュージアムやショップなど県内には梨にまつわるスポットがたくさん。鳥取砂丘や民藝カフェなどの魅力的なスポットにも寄り道しながら、梨の産地・鳥取をめぐるおいしい&かわいい旅を案内します。
120年前から続く歴史と伝統ある梨の産地
梨の旬は、夏から晩秋にかけて
日本海と中国山地に挟まれるように東西に長くのびる鳥取県。ミネラルをたっぷり含む潮風を受けて育つ梨が特産品で、全国有数の産地として知られています。 その歴史は古く、1904(明治37)年に導入されたわずか10本の二十世紀梨の苗木から始まりました。先人たちの努力と技術革新、丹精込めた栽培管理によって「二十世紀梨といえば鳥取県」といわれるまでにブランドを確立し、その栽培量は全国の半分を占めています。鳥取県オリジナルブランドも多く栽培されるようになり、泉のようにあふれ出す果汁と抜群の甘さが魅力の「新甘泉(しんかんせん)」や爽やかな甘みが特長の「夏さやか」など、個性豊かな品種がそろいます。
【倉吉エリア】まずは、梨をテーマにしたミュージアム「エースパックなしっこ館」へ
(左)樹齢74年の「二十世紀梨の巨木」は記念館のシンボル (右上)かつて梨の木箱に貼られていたラベルも紹介 (右下)梨の違いを模型で知れる「梨と世界の人々」のコーナー
梨の産地・鳥取を訪ねたら、倉吉エリアにある「エースパックなしっこ館」へ足を運んでください。ここは梨をテーマにした日本唯一のミュージアムで、2階建ての館内には梨にまつわる10の展示コーナーが入っています。国内最大級の二十世紀梨の巨木展示をはじめ、70種類もの梨の品種を紹介する模型展示、梨園の不思議を探検できるコーナー、二十世紀梨の歴史を伝えるシアター、レトロかわいい梨ラベルの展示など、楽しみながら梨について知ることができます。
<キャプション> (左上)梨ガーデンでは袋掛けや収穫などが体験できる (左下)1カップに3品種が入り、梨の食べ比べができる (右)二十世紀梨の果汁が入った梨ソフトクリーム(大)400円
見学だけでなく、体験できるのもこちらの施設の魅力です。屋外には梨を栽培するガーデンもあり、初夏から秋にかけて梨の作業体験も実施されています。また3品種の梨を一年中、食べ比べできる「キッチンギャラリー」も人気で、味や食感の違いを実感できます。二十世紀梨フレーバーの梨ソフトが味わえるパーラーも併設。見て、食べて、体験して、梨の魅力を存分に体感してくださいね。
エースパックなしっこ館
エースパックナシッコカン
【倉吉エリア】赤瓦の町並みに建つ「くだものや」の梨スムージーでひと息
赤瓦が映える倉吉白壁土蔵群(©鳥取県)
「エースパックなしっこ館」から歩いて15分ほどの場所に、赤い石州瓦(せきしゅうがわら)と白い漆喰壁が織り成す美しい町並み「倉吉(くらよし)白壁土蔵群」があります。こちらは室町時代に打吹城の城下町として栄え、江戸時代には武家屋敷が建てられた場所。現在は、玉川沿いに江戸から明治にかけての建物が建ち並び、ノスタルジックな雰囲気のなかで散策が楽しめます。
(左)秋の梨グリーン1100円 (右上)スムージーボウルは各種スムージーに+850円 (右下)町並み散策の休憩にぴったり
町並みの一角に店を構える「くだものや」は、県中部の農家から仕入れた新鮮な果実をベースに、厳選した素材を組み合わせてスムージーを手づくりする専門店。砂糖や氷、甘味料を一切使用せず、フルーツ本来の甘みと食感をぎゅっと凝縮。秋には地元産の梨を使ったスムージーも登場し、小松菜を加えた「梨グリーン」や抹茶のほろ苦さが香る「梨抹茶」など体思いのラインナップになっています。自家製グラノーラや3種類のスーパーフードをトッピングした「スムージーボウル」にバージョンアップすることもできますよ。メニューはテイクアウトのみなので、店の前のベンチで味わったり、町歩きのお供にしたりしてくださいね。
くだものや
クダモノヤ
【鳥取エリア】梨狩りを楽しむなら、ふくべ梨狩り街道にある「さんこうえん」へ
(上)鳥取砂丘から車で3分ほどの場所にある (左下)体験者以外も楽しめる直営店の梨ジェラート(シングル)400円 (右下)時間制限なしの食べ放題で、梨狩りが楽しめる
鳥取県東部に位置する鳥取市福部エリアの道沿いは、約30軒もの梨園が集まることから、ふくべ梨狩り街道とも呼ばれています。そのなかの一軒「さんこうえん」は、100年以上前から二十世紀梨を栽培する老舗の梨園。7月下旬の夏さやかから11月中旬の王秋まで、その時期に旬を迎える梨の収穫体験を楽しむことができます。自然の中でいただく採れたての梨のおいしさは格別で、瑞々しい果汁と爽やかな香りがたまりません。体験後は、砂丘前の直営ジェラート店で、自家製梨ジェラートも味わってくださいね。
さんこうえん
サンコウエン
【鳥取エリア】鳥取砂丘前のプリン専門店「Totto PURIN」で秋限定の梨プリンをお買い物
本物のラクダに乗って砂丘をめぐることができる
ふくべ梨狩り街道から車ですぐの場所には、鳥取を代表する観光地「鳥取砂丘」があります。東西約16km、南北約2.4kmにおよぶ砂の大地は日本一の規模を誇り、空と海の青、砂丘の黄色が織り成す幻想的なロケーションが広がっています。雄大な砂丘を散策したり、ラクダに乗って遊覧したりと、楽しみ方もさまざまです。
(上)大人の梨プリン410円 (左下)鳥取砂丘の前に建つ (右下)砂プリン480円、塩キャラメルプリン420円。店内一角には、砂丘を思わせる撮影スポットもある
鳥取砂丘を訪ねたら、プリン専門店「Totto PURIN」にもぜひ立ち寄ってくださいね。大山の牛乳や高品質のバニラビーンズといった厳選素材で作るプリンの中で一番人気なのが、砂に見立てたカラメル粉をかけて味わう「砂プリン」。カラメルのジャリッとした食感が何とも斬新です。また秋になると、鳥取県産の梨を使ったプリンも登場。フレッシュな梨の食感と香り、紅茶ジュレのほろ苦さ、プリンの甘さが奏でるおいしいハーモニーを召しあがれ。
Totto PURIN
トットプリン
【鳥取エリア】鳥取の民藝と食の魅力を伝える「たくみ珈琲店」でカフェタイム
鳥取エリアで休憩するなら、民藝カフェはいかがでしょう。「用の美」を唱える民藝運動の精神が今も受け継がれる鳥取には、美術館や工芸店などゆかりのスポットがあちらこちらに点在しています。JR鳥取駅からほど近くの民藝館通りに建つ「たくみ珈琲店」もそのひとつ。こちらは「民藝を身近に感じてほしい」との思いで2024年3月にオープンした施設。店内入口のショップには、うつわやキッチンツール、張り子玩具や木製品きなど、鳥取をはじめ各地の手仕事の品々が並び、訪れる人を温かく迎えてくれます。
(左)午後2時以降にオーダーできるアフタヌーンティー2200円(右上)コーヒーカップはもちろん、小皿、ティーポットにも手仕事の品を使う (右下)シックな雰囲気のカフェスペース。カフェだけでなく、ランチも楽しめる
店内奥のカフェスペースも素敵で、鳥取民藝の父とも称される吉田璋也(よしだしょうや)デザインの木製スタンド、松本民芸家具をはじめとした国内外から収集した木製チェアなど、随所に手仕事が息づいています。カフェタイムにはアフタヌーンティーが提供され、宝月堂のモチキューブや自家製天然酵母の揚げパンといった8品のスイーツを、自家焙煎珈琲(または紅茶)とともにいただけます。うつわは中井窯や山根窯など鳥取を中心とした窯元のもの使用。その使い心地も体感しながら、じっくりと味わってくださいね。
たくみ珈琲店
タクミコーヒーテン
【米子・境港エリア】水木しげるロード沿いのカフェ「le thé 池屋」の梨バームクーヘンを召しあがれ
(上・左下)JR境港駅前から妖怪がたくさん。鬼太郎のブロンズ像は人気の撮影スポット©水木プロ (右下)「le thé 池屋」の前にもブロンズ像がある
鳥取県の西部に位置する米子・境港エリアを代表する観光スポット「水木しげるロード」。JR境港駅から約800mにわたって続く通りの両側には、ブロンズ像をはじめ、水木しげる記念館や体験工房など妖怪にまつわる見どころが集まっています。 そんな魅力的な通り沿いに建つのが「le thé 池屋」です。散策途中の休憩に利用する人も多い人気カフェです。
(上)二十世紀梨のバームクーヘン、ひとくちソフト、ドリンクが付くケーキセット850円 (左下)白を基調にした店内からも水木しげるロードを眺められる (右下)ソフトシャーベット各500円
「le thé 池屋」で味わえるのは、大山の麓で育てられた岸田牧場の牛乳で作るソフトクリームや八女茶のドリンクといったひんやり系が中心で、地元ベーカリーが手がけるバームクーヘン「天女の梨クーヘン」も提供しています。コンポートした二十世紀梨1玉を、カルピスバターを加えた生地で包んだもので、梨のシャリシャリ感と生地のしっとり感が絶妙にマッチ。9月中旬に登場し、梨のシーズンが終わっても味わえる点も人気の理由です。
le thé 池屋
ルテイケヤ
【米子・境港エリア】本と暮らしのお店「SHIMATORI米子店」でかわいい梨アイテムを発見
山根窯や中井窯など鳥取の人気窯元のうつわも販売
山陰で150年の歴史を誇る地元書店が運営する「SHIMATORI米子店」は、「ほんとのくらし」をコンセプトにしたセレクトショップ。山陰の手仕事のうつわをはじめ、ウエアやアクセサリー、ステーショナリーやキッチンアイテム、食品やお酒など多彩なアイテムが所せましと並んでいます。
なかでも注目したいのが、梨をモチーフにしたオリジナル商品。「かまわぬ」や「Rollbahn」などとコラボレーションした手ぬぐいやリングノートもあり、普段使いしやすいデザイン、梨を思わせるカラーリングがとってもキュート。お気に入りを見つけてみませんか。
SHIMATORI米子店
シマトリヨナゴテン
梨にまつわるスポットが県内各地に集まる鳥取県。鳥取砂丘や民藝スポットなど、気になる場所にも寄り道しながら、おいしい&かわいい梨を求めて産地・鳥取へと出かけてみませんか。
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井手口陽子(forest)、写真:森昌史(forest)
鳥取県商工労働部兼農林水産部市場開拓局 食パラダイス推進課
鳥取県には、梨をはじめとする世界に誇るべき多くの農林水産物があります。 観光と連携した食の魅力を国内外へ向けてアピールしています。
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