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2025.01.03
京都よりみちこみち 八坂通【前編】
清水寺から産寧坂を下り、二寧坂に差しかかるあたりで姿を現すのはすっくと空高くそびえる八坂の塔。東山のランドマークです。そこから塔へ向かう石畳のゆるやかな坂道が八坂通。町家が軒を連ねる京情緒あふれる町並みを、そぞろ歩いてみませんか。 前編では、八坂の塔の東エリアをご紹介。湯豆腐の名店「総本家 ゆどうふ 奥丹清水」や、明治から昭和にかけての日本画の大家・竹内栖鳳の元邸宅を利用した菓子店「御菓子 艸堂」など、京都らしいお店が並びます。お庭を見ながらのゆったりしたランチやカフェタイムにおすすめのエリアです。
冬にこそ味わいたい、あったかゆどうふ「総本家 ゆどうふ 奥丹清水」
和を軸に創り上げる、日常を彩るお菓子「御菓子 艸堂」
心華やぐ小皿ランチで京の都をひとめぐり「つぶら乃」
八坂の塔のお膝元で日本の技を世界に発信「日東堂」
冬にこそ味わいたい、あったかゆどうふ「総本家 ゆどうふ 奥丹清水」
そぞろ歩きのスタートは、風格ある門構えの「総本家 ゆどうふ 奥丹清水」から。奥丹の創業は約390年前の1635(寛永12)年にまでさかのぼり、当時は「奥の丹後屋」と呼ばれた精進料理の店だったといいます。 お座敷からは600坪もある広大な日本庭園を望むことができ、谷川が流れる山の自然そのものの風景です。
「昔どうふ一通り」4400円
ゆどうふと精進料理のコース「昔どうふ一通り」には、豊かな大豆の風味が口いっぱいに広がる固めの木綿豆腐が使われていて、敷地内の工房で毎日職人が手作りするできたての豆腐が味わえます。ゆどうふには昔どうふや絹ごし、田楽には田楽用の豆腐を使うなど、料理により豆腐の種類を変えるというこだわりも。
総本家ゆどうふ奥丹清水
ソウホンケユドウフオクタンキヨミズ
和を軸に創り上げる、日常を彩るお菓子「御菓子 艸堂」
明治から昭和にかけて活躍した日本画の大家・竹内栖鳳の邸宅を改装したスイーツショップ「御菓子 艸堂(おかし そうどう)」。古きよきものを守りながら時代に寄り添うお菓子がテーマで、和洋の素材や技法を生かし、現代の味覚に合わせたものを紡ぎだしています。 別棟では、目の前で御菓子艸堂の職人が作るできたての7品を、宇治茶とのペアリングで味わう「御菓子懐石」という贅沢なメニューも。
どら焼き各種は1個300円~。伝統的な自家製つぶ餡を使う一方で、発酵バターやピーナッツバター餡などの洋素材も使っています。
「御菓子詰め合わせ」2500円
「御菓子詰め合わせ」は、和菓子と洋菓子各2種ずつの組み合わせ。この日の内容は、ほうじ茶のバターサンド、ミルクチョコレートとカシスのマカロン、和栗大福とかぼちゃ羊羹。ふだん和菓子になじみのない人でも喜んでくれそうな一箱です。
御菓子 艸堂
オカシ ソウドウ
心華やぐ小皿ランチで京の都をひとめぐり「つぶら乃」
築約100年になる数寄屋造りの建築を改装した伝統的建造物で、和食や宇治茶で作る甘味が味わえる「つぶら乃」。1階席は靴のまま、2階席は靴を脱いで上がるスタイルのお店です。
「京の絵皿弁当」3500円 ※前日18時までに要予約
京都らしいものをと考案された「京の絵皿弁当」は、京野菜を中心に旬の素材が小皿に盛られたランチメニュー。自家製豆腐を中心に、口どりや季節の炊き合わせ、和牛のたたき、出し巻き玉子と焼魚、舞妓いなりが盛り込まれたお膳です(季節により内容が変わります)。 食べるにつれ小皿に京の名所が現れるという仕掛けがあり、稲荷寿司を食べると伏見稲荷大社が現れるという遊び心あふれる演出も。
「手練わらび餅(黒糖ほうじ茶)」950円。プラス500円でお抹茶付きに
わらび餅は、契約農園の厳選した茶葉を使い、職人が手練で仕上げています。
つぶら乃
ツブラノ
八坂の塔のお膝元で日本の技を世界に発信「日東堂」
「日東堂」は、カーペット掃除などに使うコロコロでおなじみのニトムズが手がける「ジャパンテクノロジー」と「日本の藝と道具」がコンセプトのセレクトショップ。1階には、伝統工芸品から生活雑貨までメイド・イン・ジャパンが所狭しと並び、コーヒースタンド「KYOTO COFFEE」を併設しています。
ガラスの和室を中心にした2階は、八坂の塔を仰ぐ特等席。デザイナーズブランドのテーブルと椅子でくつろげます。コーヒーもここでいただいてくださいね。
日東堂
八坂の塔に見守られ清水から祇園へ参道さんぽ
人力車さんぽもできる八坂通。視点が変わると町の風景も変わりますよ。
いかがでしたか? 後編では、さまざまな人から願いを託されたカラフルなくくり猿がお堂を彩る「八坂庚申堂」、京都らしいアフタヌーンティー、雑貨屋さんをご紹介。楽しみにしていてくださいね。
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文:戸塚江里子 写真:小川康貴 編集:ことりっぷ編集部
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