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2025.03.13
電車に乗って恵みあふれる春の三重へ♪お伊勢まいり、高級グルメ、きらきらの海景色で癒されて
全国からの参拝者が絶えない伊勢神宮があり、山海の恵みも豊かな三重県。お伊勢まいりの人でにぎわう伊勢をはじめ、雄大な海の魅力にふれられる鳥羽や志摩、ブランド牛で名高い松阪など、魅力あふれるエリアが豊富です。三重県を旅するなら、気になる町をあちこちめぐって、各地の見どころや名物を満喫するのがおすすめ。まばゆい日差しを受けていっそう輝きを増す春の三重で、お気に入りを見つける旅を楽しんでみませんか。

“一生に一度は”と憧れる、お伊勢まいり

早朝は参拝者が少なく、凛とした空気と静けさが心地よい
全国に約8万社あるという神社の中心として敬われる、伊勢神宮。 古くから“一生に一度はお伊勢まいり”といわれてきた憧れのお宮で、季節を問わず多くの参拝者が訪れています。伊勢神宮には、内宮(ないくう)と外宮(げくう)という2つの正宮をはじめ、別宮や摂社など125もの宮社があります。2つの正宮は5kmほど離れた場所にあり、外宮からおまいりするのが習わし。おまいりの際には、まず日頃の感謝の気持ちを伝えるようにしてくださいね。

衣食住と産業の神様を祀る外宮

表参道火除橋を渡って外宮の神域へ
JR・近鉄伊勢市駅から歩いて約5分の場所にある外宮。正式名称は豊受大神宮(とようけだいじんぐう)で、衣食住や産業の守り神である豊受大御神(とようけのおおみかみ)をお祀りしています。正宮のほかに3つの別宮があるほか、平清盛の逸話が残る清盛楠(きよもりぐす)や、亀の形に見えるといわれる亀石などの見どころも。外宮の主な見どころをめぐるには30分ほどが目安です。
伊勢神宮 外宮
イセジングウゲクウ

式年遷宮を伝える貴重な展示が満載の「せんぐう館」

せんぐう館の館内から臨む勾玉池。渡り鳥も飛来するなど、自然の豊かさが感じられる
外宮の表参道火除橋のすぐ近くにある建物が、式年遷宮の博物館「せんぐう館」です。20年に一度、社殿やご神宝を新調して神様にお遷り頂く、神宮最大の祭典が式年遷宮。御装束神宝の展示では実物の品々とともに、調製に用いられる伝統工芸技術を紹介。社殿の造営に用いる木材に関しては、神宮の森の育成や宮大工の技なども伝えられ、神宮や式年遷宮について理解を深めることができます。

12mほどの高さがある、外宮正殿側面の原寸大模型。屋根の厚みにも驚く(上)。神事の様子などを再現した20分の1スケールの模型も(左下)。細部にも宮大工の技が光る(右下)
一番奥の展示室には外宮正殿側面の原寸大模型があり、その堂々たるたたずまいに圧倒されます。1日6回行われる模型の展示ガイドは、これだけを聞きに来たいという人もいるほど内容が濃く、わかりやすいと好評です。模型は実物と同じ材料や工法で作られているので、細部までじっくり見学してみてくださいね。
せんぐう館
セングウカン

大木や川のせせらぎにも心が静まる、内宮

天照大御神が祀られている正宮を参拝。石段から上では撮影できないので気をつけて
外宮から内宮まではバスで10~20分ほど。天照大御神(あまてらすおおみかみ)をお祀りする皇大神宮(こうたいじんぐう)が正式名称の内宮へおまいりしましょう。大きな宇治橋を渡って参道を進むと、樹齢数百年の大木や五十鈴川のせせらぎ、森に集まる鳥のさえずりなどにも心が静まります。内宮の広大な神域内には別宮や所管社、足を止めて過ごしたくなる場所も多いので、外宮よりも長めの時間を予定してでかけるのがおすすめです。

四季折々の花やいきものの営みにも心が和む(左上・右下)。参拝前に身を清める、五十鈴川の御手洗場(みたらし)(右上)。下から眺める宇治橋も美しい(左下)
伊勢神宮 内宮
イセジングウナイクウ

おまいり後の楽しみがいっぱい♪おはらい町

日中は多くの人が行き交う、おはらい町
伊勢神宮におまいりした後は、内宮の参道「おはらい町」へ。グルメやおみやげなど、伊勢をはじめとした三重県の名物がせいぞろいしています。古くから親しまれてきた老舗の逸品はもちろん、気軽に楽しめる食べ歩きフードやおやつも豊富。にぎやかなムードに誘われて、散策のひとときを楽しみましょう。

「魚春 五十鈴川店」には伊勢木綿グッズを集めたコーナーがあり、伊勢の名物をあしらったものや、モダンな柄のアイテムがそろう

季節ごとの催しも楽しい「おかげ横丁」

催しに合わせた装飾も、お祭り気分を盛り上げる
おはらい町の一画にあり、50軒ほどのお店が集まっているのが「おかげ横丁」。江戸から明治期の風情漂う伊勢路の建築物が移築・再現されています。伊勢ならではの種類豊富なグルメやおみやげがそろうだけでなく、お祭り気分が味わえる季節ごとの催しが多いのも特徴。横丁のあちこちで見られる、商店猫の置物を探したりするのも楽しみです。

横丁内にいくつもあるユニークな変わり瓦にも注目したい(上)。どこを切り取っても懐かしい風情が漂う、横丁の風景(下)

数量限定で販売する、職人による手打ち伊勢うどん800円
おかげ横丁にある「ふくすけ」は伊勢の郷土料理、伊勢うどんが味わえるお店。もっちりした極太の麺に、たまり醤油を使ったタレがよく合います。タレとねぎだけのシンプルなうどんのほか、松阪牛や天ぷら、とろろなどを組み合わせられるのも魅力。屋外に設けられた縁台で食べると、江戸時代のような雰囲気に浸ることができそうです。
ふくすけ
フクスケ

定番の白のほか、黒や黄色などのバリエーションもそろう、おかげ犬みくじ各400円(上)。根付やお守りなど、店内のほとんどがオリジナルグッズ(下)
おかげ犬グッズを取扱い、おかげ横丁の案内所も兼ねているのが「おみやげや」です。ご主人の代わりに伊勢神宮へ参拝したと伝えられる、おかげ犬。かわいい置物のなかにおみくじを収めたおかげ犬みくじなど、つぶらな瞳が愛らしいおかげ犬グッズが店内にいっぱいです。
おみやげや
オミヤゲヤ

時代を超えて愛され続ける「赤福本店」

赤福餅2個にほうじ茶が付く、お召し上がり盆400円
江戸時代の創業から300年以上、お伊勢まいりの人たちをもてなしているのが「赤福本店」。店内で食べられるつくりたての赤福餅は、伊勢名物としておなじみです。おはらい町でもひときわ目を引く風格ある店内で味わいながら、昔のお伊勢まいりに思いをはせてみてはいかがでしょう。赤福餅以外にも人気の商品がありますよ。元日以外の毎月1日だけ販売される朔日餅は毎月異なるお餅なので、それをお目当てに訪れるのもいいですね。

大きな看板や店頭の赤い竈など、本店ならではの趣をぜひ感じてみて(左上・下)。白小豆の白あんと黒砂糖味の黒あん、2つの味が楽しめる白餅黒餅1100円(右上)
赤福本店
アカフクホンテン

全国から女性が参拝に訪れる「石神さん」

縁結びや女性守護などにご神徳があるという、玉依姫命(たまよりひめのみこと)がご祭神
伊勢から電車で約15分、海女さん文化が息づく鳥羽に到着します。鳥羽駅から車で約25分の町、相差にあるのが神明神社(石神さん)。神明神社の境内にあり、“石神さん”と親しまれるお社は女性の願いを一つだけ叶えてくれるといわれ、参拝に訪れる女性が絶えません。祈願紙に願いごとを書いたら願い箱に入れ、おまいりしましょう。海女さんが魔除けとして身につける印“セーマン・ドーマン”が付いたお守りもいくつかあるので、授与所に立ち寄ってみてくださいね。

コロンとしたかわいらしい形や、ポケットなどに入れやすい薄型、ストラップ付などがある、石神さんお守り1000~1200円
神明神社(石神さん)
シンメイジンジャイシガミサン

現役の海女さんがおもてなしする海女小屋

海女さんの話と、炭火で焼く魚介のおいしさに満たされる(上)。海女小屋の前に広がる海の眺めも楽しんで(左下)。食後は、海女さんと一緒に相差音頭を踊りましょう(右下)
神明神社から車で5分ほどの「海女小屋はちまんかまど・あさり浜」は、海辺に設けられた観光用の海女小屋。現役で活躍する海女さんが炭火で焼いてくれる、さざえや大あさりなどの魚介を味わいながら、漁の様子など珍しい話を聞くことができます。伊勢海老やあわびなどが含まれる豪華なコースのほか、魚介の数が少なめで気軽に楽しめる、おやつコース(1名2800円~)も用意。海辺ののどかな景色と、穏やかな海女さんのおもてなしに、ほっこりと気持ちが安らぎます。
海女小屋はちまんかまど・あさり浜
アマゴヤハチマンカマドアサリハマ

雄大な海の景観を満喫する、志摩の展望スポットへ

60もの小島が浮かぶ英虞湾。豊かな緑と青い海が織り成す景観がさわやか
鳥羽からさらに南下して、海を臨むリゾートの雰囲気が色濃い志摩へ。複雑に入り組んだリアス海岸が特徴的な英虞湾(あごわん)、雄大な太平洋や熊野灘など、海の絶景が見どころです。英虞湾を一望するなら、高台にある「横山展望台」へ向かいましょう。広々としたデッキがある横山天空カフェテラスなど5か所の展望台があり、少しずつ違う眺めを見比べることができますよ。
横山展望台
ヨコヤマテンボウダイ

桐垣展望台から眺める夕景。少しずつ変わっていく空の色は幻想的な美しさ
英虞湾の眺めを楽しむ展望スポットは他にもあります。夕景の美しさでも知られる英虞湾。登茂山に設けられた、ともやま公園の「桐垣展望台」から臨む夕景が美しいと評判で、多くのカメラマンも撮影に訪れます。特に、春分の日と秋分の日ごろには、英虞湾の真正面に沈む夕日が見られるとか。その時期を狙って、でかけてみるのもいいですね。
桐垣展望台
キリガキテンボウダイ

趣向を凝らした海鮮丼に出合える「みやぎ野」

10種類ほどの海鮮が使われる、海鮮掛け丼2300円。まろやかに仕上げた特製の醤油ダレと薬味が海鮮によく合う。小鉢やあおさの味噌汁、フルーツなどもついて盛りだくさん
新鮮な海の幸を味わうのも志摩での楽しみの一つ。海鮮が自慢のお店が多いなか、旬の食材にひと手間加えた料理が味わえるのが「みやぎ野」です。志摩観光ホテルで長年経験を重ねた料理長による会席料理や一品料理のほか、昼には週替わりのランチや手軽な丼物もそろっています。おなじみの海鮮丼も、料理長の技とアイデアで趣向を凝らした一品に。海鮮にとろろと薬味、特製のタレを混ぜ、あたたかいご飯にのせて頂きます。

店内はカウンターと掘りごたつの座敷。注文に迷ったら、料理長におすすめを聞いてみて
みやぎ野
ミヤギノ

「和田金」で最上級の松阪牛と、非日常のひとときを味わう

季節感を大切にした床の間の花や掛け軸、輪島塗の円卓など、上品なしつらえにうっとり
三重県を訪れたら味わっておきたい名物の一つが、松阪牛。名古屋から電車で1時間20分程度の松阪駅周辺には、松阪牛料理の店が数多くそろっています。なかでも、1878(明治11)年創業の「和田金」は松阪肉の元祖として知られ、一度は訪れてみたいと憧れる人も多い名店です。 4階建ての立派な店内は、吹き抜けのある広々としたロビーや坪庭などが設けられた非日常の空間。落ち着いた個室に案内され、これから始まるひとときに期待が高まります。

寿き焼のお肉は1人前2枚で約130g(写真は4人前)(左上)。最適な温度でうま味を引き出す菊炭(右上)。割り下は使わず、砂糖と醤油、昆布出汁で味付け。まずはお肉だけを味わい、その後、他の食材と一緒に煮る(下)
和田金で松阪牛を頂くなら、目の前で仲居さんが調理してくれる“寿き焼(すきやき)”がおすすめ。自社牧場で育てた最上級の松阪牛を、絶妙の焼き加減で味わえます。南部鉄の鍋と炭火でじんわりと焼くので、お肉はやわらかく、ふっくらとした食感。やや厚めにスライスしてあり、口いっぱいに広がるうま味もたまりません。仲居さんの細やかな心遣いや丁寧な所作も相まって、優雅な気分で満たされます。

大分産のしいたけ、淡路産の玉ねぎなど、牛肉以外の食材も逸品ぞろい。寿き焼1人前11220円~。和田金では寿の字を用いて、寿き焼と表記する
和田金
ワダキン

松阪もめんの技と多彩な表現にふれる

松阪もめんは三重県の指定伝統工芸品。こちらで販売する商品は、地元の作家さんによる手作りも多い
松阪を代表するもう一つの名物といえば、松阪もめん。粋な縞模様や格子柄が特徴で、江戸時代には松阪商人によって江戸に運ばれ、大流行しました。現在の松阪もめんの魅力にふれるなら、松阪駅近くにある「松阪もめん手織りセンター」へ。松阪もめんの特徴を生かした洋服や小物など幅広いアイテムを販売していて、色や柄の多様さに魅せられます。こちらでは、店内に置かれた機織り機で、手織り体験もできますよ。事前に予約をすれば1人でも体験できるので、気軽に松阪もめんの文化にふれてみませんか。

1時間程度で小物敷きを織るコース、プチ織姫体験は要事前予約、1500円(上)。多彩な商品が数多くそろい、反物や着物などもある(下)
松阪もめん手織りセンター
マツサカモメンテオリセンター

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三重県にはほかにこんなおすすめの場所も(左上)伊賀上野城の現在の天守閣 (右上)四季折々の景観が美しい 御在所岳の山上に向かう「御在所ロープウエイ」(左下)夜景を海上から眺めるクルーズが行われている四日市 画像提供/四日市観光協会(右下)桑名市にある和洋の建築様式を取り入れた大正時代の建築物、六華苑
三重県の観光で訪れたいエリアや代表的なスポットなどをご紹介しましたが、いかがでしたか?県内には、ここで紹介しきれなかった魅力的な場所や名物がまだまだあるので、ぜひ三重県を訪れて、各地の魅力を体感してみてくださいね。
提供:みえ観光の産業化推進委員会
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文:豊野 貴子 写真:北川 友美、山本 章貴
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