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2025.10.01
日本のスイスと称される「四国カルスト」で星空ステイ
標高1000~1485mに位置する四国カルストは、四国有数の星空観測スポットとして知られる場所。山頂には星をテーマにした素敵なホテルもあり、ゆっくりと滞在して天体観測が楽しめるのも魅力のひとつです。静かな高原に包まれた非日常の星旅へ、さあ出かけましょう。
四国カルストでパノラマ観測

(左)絶好のドライブコースとしても人気のエリア (右上)春から秋にかけて放牧された牛を見ることができる (右下)天狗高原にはハイキングコースが整う
高知空港から車で約2時間、松山空港からも同じく約2時間。高知県と愛媛県の県境に広がる「四国カルスト」は、日本三大カルストのひとつに数えられる雄大な台地です。なだらかな草原に白い石灰岩がポコポコと点在し、放牧された牛たちがのんびりと草を食べる牧歌的な風景は、「日本のスイス」とも呼ばれています。標高1000m級の山々が東西およそ25kmにわたって続くスケールのも魅力のひとつで、日本一高い場所にあるカルスト台地として知られています。

見上げれば満天の星が広がる(写真提供:津野町観光振興課)
その見晴らしの良さと標高の高さ、光害の少なさから、四国カルストは夜になると満天の星を楽しめる天体観測スポットに変わります。なかでも、四国カルストの最高峰・天狗の森のふもとに広がる「天狗高原」は人気の観賞ポイント。眼下には1000m級の山々が連なり、視界をさえぎるものがないため、360度に広がる夜空を見渡せます。天を見上げれば、まるで星々が降り注ぐように瞬き、流れ星が尾を引いて駆け抜けていくこも。街明かりから離れた高原ならではの澄んだ空気の中で、星空の美しさを心ゆくまで堪能できます。
四国カルスト
しこくカルスト
満天の星に包まれる四国カルストのホテルにステイ

プラネタリウムは約45分。1日5回投影され、そのうち夕方の2回は宿泊者限定。リクライニングチェアや寝転がれるビーズクッションなどがあり、好みのスタイルで観賞できる
四国カルストでゆっくり星空を楽しむなら、天狗高原に建つ「星ふるヴィレッジTENGU」がおすすめです。館内には本格的なプラネタリウムをはじめ、津野町の星空を体感できるVRゴーグルレンタル、星空を望むデッキテラスなどがあり、星を楽しむ仕掛けがたくさん。宿泊者を対象にしたスターウォッチが行われる日もあり、専門スタッフの解説とともに夜空を眺める特別な体験ができます。

(左上)観光の拠点にも便利なホテル (左下)天文台も設置する (右上)デッキを備えた客室もある (右下)ソファに腰かけ大きな窓から星空が眺められる星空客室の天体観測ルーム
客室は洋室や和室に加え、天体観測ルームを設けたメゾネットタイプの「星空客室」など全6タイプがスタンバイ。展望風呂やレストランも備え、自然の中で快適に過ごせるのも嬉しいポイント。日帰りでは味わえない、四国カルストならではの「星と高原のステイ」を堪能してみませんか。
星ふるヴィレッジTENGU
ほしふるヴィレッジテング
澄んだ空気とコーヒーを味わう天空のカフェタイム

青空と大草原に包まれるオープンエアのコーヒースタンド
周辺の素敵な場所に立ち寄るのも、星旅の醍醐味のひとつ。四国カルストの景勝地・姫鶴平にある「カルスト珈琲」は、オープンエアのコーヒースタンド。ころんとした白いフォルムのキッチンカーが目印で、その周りに置かれた切株のテーブルやキャンプ用の椅子でカフェタイムを過ごせます。

(左上)県内産牛乳カフェオレ650円 (左下)シュークリーム380円は数量限定 (右上)山々を見渡しながらカフェタイム (右下)牛さんクッキー360円
こちらでいただけるのは、ハンドドリップで丁寧に淹れるコーヒー。豆は愛媛県の久万高原焙煎所から仕入れ、澄んだ高原にマッチするようオリジナルの深煎りに。ほかにも温州みかんジュースや四国高原牛乳ココアなど約10種類のドリンクメニューがそろい、高原牛乳をたっぷり使った「シュークリーム」と一緒に味わうのもおすすめです。景色までもがごちそうの天空カフェで、特別な時間をじっくりと召し上がれ。
カルスト珈琲
カルストコーヒー
奇跡の清流と称される仁淀川の中津渓谷にもひと足のばして

(左)中津渓谷には約2.2㎞の遊歩道が整備されている (右上)神秘的な青色をした仁淀川 (右下)中津渓谷の入口にある温泉宿「中津渓谷ゆの森」。日帰り入浴は宿泊者以外も利用できる
四国カルストから車で約1時間。その神秘的な青から「仁淀ブルー」と呼ばれる奇跡の清流・仁淀川にたどり着きます。仁淀川は高知県のほぼ中央を流れる総延長124㎞の河川で、ビュースポットやリバーサイドカフェ、アクティビティなどが楽しめます。仁淀川屈指のビュースポットのひとつ「中津渓谷」は、約1.3㎞の遊歩道から奇岩と仁淀ブルーを眺めることができる場所。遊歩道沿いには「七福神」の石像が点在するので、探しながら散策するのも楽しみのひとつ。渓谷の入口には温泉宿もあるので、ゆっくり過ごすのもおすすめです。
中津渓谷
なかつけいこく
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文:井手口陽子(forest)、写真:森昌史(forest)
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