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2026.03.06
広島県・呉で楽しみたい7つのこと。海軍ゆかりの港町さんぽとのどかな島旅
「海軍さんの町」として知られる広島県・呉。当時の面影を伝える建物やミュージアム、港町グルメなど、歩くほどに心ときめく出会いが待っています。足をのばせば、瀬戸内の島々を橋でつなぐ安芸灘とびしま海道も。海軍さんゆかりのスポットから島旅ドライブ、夜景まで、呉で楽しみたい7つのことを紹介します。
海軍さんの町の面影に出会える、港町・呉市ってこんなところ

海とともに歩んできた港町
JR広島駅から電車で約35〜45分。瀬戸内海に面した呉は、かつて東洋一の軍港として栄えた歴史を持ち、現在は海上自衛隊の基地が置かれ、造船業も盛んな港町です。JR呉駅周辺には、海軍さんゆかりの建物やミュージアム、海上自衛隊の艦船を眺められる公園などが点在し、港町ならではの風景や文化があちらこちらに息づいています。少し足をのばせば、瀬戸内の島々を結ぶドライブコースもあり、見どころは多彩。それでいて主要スポットがコンパクトにまとまっているため、気軽なおさんぽ気分でめぐれる魅力的な港町なんです。
【楽しみ1】2つのミュージアムからはじまる、海軍さんの町・呉さんぽ

3階まで吹き抜けになった大和ひろば中央にある10分の1戦艦「大和」。全長26.3m、幅3.9mで精巧に再現されている
そんな呉を訪ねたら、まず足を運びたいのが「大和ミュージアム」。呉で極秘裏に建造された戦艦「大和」を10分の1スケールで再現した展示をはじめ、呉が誇る造船技術や軍港として歩んだ歴史をわかりやすく紹介する博物館です。映像やデジタル展示、体験型コンテンツを充実させ、2026年4月23日(木)にリニューアルオープン。より臨場感をもった、呉の歩みを感じられる展示空間となります。見学後は、新たに誕生したミュージアムショップ棟でのお買いものも楽しんでくださいね。

(左上)日本一の軍港として繁栄した歴史や、造船の町としての歩みを伝える展示スペース「呉の歴史」(右上)リニューアルで一新した3階「科学技術展示室」。大型の実物資料を見ることができる(左下)零戦や人間魚雷などの実物も見学できる (右下)大和波止場から見た「大和ミュージアム」
呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)
クレシカイジレキシカガクカンヤマトミュージアム

全長76.2mとジャンボ機並みの長さで、幅は9.9m、高さは10.2mもある
大和ミュージアムの向かいに建つ「海上自衛隊呉史料館」も、呉を訪ねたらぜひ立ち寄りたいスポットです。実物の潜水艦をそのまま展示した日本で唯一のミュージアムで、「てつのくじら館」の愛称で親しまれています。 全長76.2mの潜水艦「あきしお」を間近に眺められる迫力はもちろん、艦内に入って見学できるのも大きな特徴。寝室や発令所など、潜水艦での暮らしや任務を伝える展示のほか、日によっては操舵席に座る体験もでき、臨場感たっぷりに楽しめます。

(左上)潜水艦「あきしお」内部。昼夜を区別するため、夜には赤色灯になる(写真はイベント時に特別に赤灯になった発令所) (左下)潜水艦の活動も紹介 (右上)潜水艦「あきしお」の操舵席。日によって実際に座ることもできる (右下)機雷を除去して海の安全を守る掃海艇の活躍を紹介
海上自衛隊呉史料館(てつのくじら館)
カイジョウジエイタイクレシリョウカンテツノクジラカン
【楽しみ2】近代日本を体感できる建物が集まる「入船山記念館」へ

金唐紙の壁が輝く客室
ゆるやかな坂道の先にたたずむ「入船山記念館」は、海軍さんの町だった頃の面影を今に伝えるスポット。赤レンガが印象的な郷土館や、旧呉海軍工廠で使われていた塔時計など、敷地内には歴史を感じる見どころが点在しています。ひときわ存在感を放っているのが「旧呉鎮守府司令長官官舎」です。ここは当時の姿を復原した建物で、居住空間として使われた和館部と、賓客を迎えた洋館部を見学できます。

(左)重厚な調度を配した客室 (右上)金唐紙が壁や天井を彩る食堂。賓客をもてなした、優雅なひとときを感じられる(右下)1905(明治38)年の姿に復原
とくに目を引くのが、洋館内部を彩る内装。やわらかな光を取り込むステンドグラスや、繊細な意匠が施された照明など、当時の美意識が随所に息づいています。なかでも注目したいのが、国内でも数か所しか現存しない高級壁紙「金唐紙」。客室の壁に描かれた「草花と昆虫」、食堂の壁の「入船の森」など、計5種類の文様が再現され、細部まで見ごたえがあります。明治の息吹そのままの建築美に見惚れながら、海軍さんの町が育んだ気品あるときを味わってみませんか。
入船山記念館
イリフネヤマキネンカン
【楽しみ3】潜水艦を眺めながら呉海自カレーを召し上がれ

くろしお特製“広島風”牛すじカレー1250円。プラス280円でドリンクを追加できる
肉じゃがやオムライスなど海軍ゆかりの一皿から、呉冷麺や呉細うどんといったローカルフードまで、呉には個性あふれるグルメがたくさん。なかでも注目したいのが、「呉海自カレー」です。海上自衛隊の艦艇ごとに受け継がれてきたレシピを忠実に再現したご当地カレーで、艦によって味わいが異なるのが特徴。市内にある20以上の認定店で各艦の味が楽しめ、そのひとつが今回紹介する港町珈琲店です。 潜水艦「くろしお」で実際に食べられているレシピをもとにしたカレーは、広島のソウルフード・お好み焼きのソースを隠し味に使用。ピリリとした辛さのなかに、牛すじの甘味とうま味が溶け込み、コクをいっそう引き立てています。

呉海自ガンスバーガー+ドリンクセット900円
魚のすり身にパン粉をつけて揚げた呉名物「がんす」を使った呉海自バーガーや、海上自衛隊秘伝の「愚直たれ」が味の決め手となった愚直たれ丼など、呉の名物グルメが充実。焼きたてワッフルや自家焙煎珈琲などもそろい、カフェ感覚で利用できるのもうれしいポイントです。

(左上・右上)店内席のほか、テラス席も用意する (左下)潜水艦や護衛艦を間近に見られる「アレイからすこじま」 (右下)アレイからすこじまの周辺には赤レンガ倉庫が並ぶ
店の向かいには、実物の潜水艦を間近に眺められる公園「アレイからすこじま」が広がり、テラス席からは、停泊する潜水艦や護衛艦を望めるグッドロケーション。食後に周辺を散策するのもおすすめです。
港町珈琲店
ミナトマチコーヒーテン
【楽しみ4】呉で愛される港町みやげをお買いもの

はちみつを餡と生地に加えた呉銘菓「蜜饅頭」1個189円
呉には、港町らしい特産品や海軍さんゆかりの雑貨など、旅の記念に選びたいアイテムがそろっています。たとえば、和菓子の老舗「蜜屋本舗」もそのひとつ。店名のとおり、お菓子の多くにはちみつを使っているのが特徴で、素材の風味を生かしたやさしい甘さが人気です。レモンを使った焼き菓子や季節の生菓子など、上品で素朴な味わいがそろい、旅のおみやげとしてはもちろん、ちょっとした贈りものにも選びやすい品々です。
蜜屋本舗
ミツヤホンポ

(左)クリームパイ1カット465円 (右上・右下)呉で愛される洋菓子店
ケーキや焼き菓子を選ぶなら、呉初の洋菓子専門店として地元で愛される「エーデルワイス」へ。ドイツ菓子を修業した先代が1965(昭和40)年に開いた店で、現在はフランス菓子を学んだ2代目が、バターの香り豊かな焼き菓子や素朴なケーキを手がけています。数ある商品のなかで一番人気なのがクリームパイ。ほんのり塩味の効いたサクサクのパイ生地に、プルンとした食感のカスタード、さらに口どけなめらかな生クリームを重ねた一品で、甘さとコクのバランスが絶妙です。発売当時から変わらない味を求めて通うファンも多く、呉を代表するスイーツです。
エーデルワイス洋菓子店
エーデルワイスようがしてん
【楽しみ5】海と島をつなぐ道へ。安芸灘とびしま海道ドライブ

おだやかな瀬戸内海と柑橘畑。のんびり美しい、島々の風景が車窓に広がる
瀬戸内の島旅を気軽に楽しめるのも、呉の大きな魅力です。安芸灘とびしま海道は、瀬戸内海に浮かぶ7つの島々を7つの橋で結ぶドライブコースで、呉市街から車で約30分とアクセスしやすいのもポイント。思い立ったらすぐに、島旅へとでかけられます。

三之瀬瀬戸を借景に、4棟が立ち並ぶ松濤園。奥には蒲刈大橋が架かる
スカイブルーの安芸灘大橋を渡って、最初にたどり着くのが下蒲刈島です。朝鮮通信使を迎えた歴史を持つ島として知られ、瀬戸内の海上交通と文化交流の要所として歩んできました。その歴史を今に伝えるのが「松濤園」です。

(左・右上)ジオラマや模型、貴重な資料で、当時の様子を伝える「朝鮮通信使資料館 御馳走一番館」 (右下)日本庭園も見どころのひとつ
全国から移築・復元した日本家屋4棟を活用し、朝鮮通信使の足跡を紹介する「朝鮮通信使資料館 御馳走一番館」、古伊万里を展示する「陶磁器館」、世界の灯火器を集めた「あかりの館」、江戸時代の番所を復元した「蒲刈島御番所」として公開しています。それぞれの建物をつなぐように、回遊式の日本庭園が整えられ、海と歴史に包まれながら、ゆったりと見学を楽しめます。すぐ近くには、平山郁夫や奥田元宋ら近代日本画家の作品を展示する「蘭島閣美術館」や、江戸時代末期の楼造りの建物を鑑賞できる「白雪楼」も。小さな島にアートと歴史がぎゅっと集まり、楽しみは尽きません。
松濤園
ショウトウエン
http://www.shimokamagari.jp/facility/shoutouen.html
入館料大人800円
※そのほか詳細はHPまたは記載電話番号へ問い合せ
【楽しみ6】安芸灘とびしま海道を走って、大崎下島へ。レトロな御手洗の町並みさんぽ

江戸時代の町並みに、水色のハイカラな建物が溶け込む
港町さんぽを楽しむなら、安芸灘とびしま海道を進んで大崎下島へ。島の東側に位置する御手洗町並み保存地区は、かつて北前船の寄港地としてにぎわった場所です。徒歩10分圏内のコンパクトなエリアに、商家や茶屋(遊郭)、船宿、神社仏閣などが今も残っています。昭和初期に建てられた娯楽施設や爽やかな水色が印象的な洋館といったハイカラな建物も混在する、独特な雰囲気がこの町の魅力となっています。

(左上・右上)御手洗の町並みに建つ築200年の船宿をリノベーションした「船宿カフェ若長」。多島美を望む2階が特等席 (左下・右下)柑橘を使ったオリジナルみやげを扱うショップとレトロかわいいカフェからなる「潮待ち館」
散策の途中に立ち寄りたいカフェやショップも点在し、その多くは古い建物をリノベーションしたもの。建物だけでなく、町全体に流れる空気までもが味わい深く、スローな島旅をやさしく盛り上げてくれます。島特産の柑橘をふんだんに使ったスイーツやドリンクもそろい、歩き疲れた体を爽やかに癒やしてくれます。

御手洗の町並みを見渡せる「歴史の見える丘公園」
町並みから坂道を上ると、小高い丘に整備された「歴史の見える丘公園」が広がります。麓には御手洗の町並み、その先には瀬戸内の島々とアーチの橋が織りなす、のどかな風景を一望できます。港町の記憶と瀬戸内の景色に包まれながら、ゆっくりとした島時間を味わってみてください。
御手洗の町並み
ミタライノマチナミ
【楽しみ7】 夕方から夜へ。港町・呉の夜時間の過ごし方

灰ヶ峰から望む夕景。刻々と表情を変える呉の港町を一望できる
港町・呉は、夕方から夜へと移ろう時間帯も魅力にあふれています。市街地から車でアクセスしやすい標高737mの「灰ヶ峰」は、夕景と夜景のどちらも楽しめるビュースポット。日没前後には、瀬戸内海と市街地がやわらかなグラデーションに包まれ、やがて街の灯りがともる幻想的な眺めへと変わっていき、呉ならではの夜のはじまりを感じられます。

港町を一望する美しい夜景は「日本夜景百選」や「中国・四国三大夜景」にも選ばれている
灰ヶ峰
ハイガミネ

夕暮れの呉湾を進む夕呉クルーズ。停泊する艦船と夕日が重なり合う、特別なひととき
海から夕景を楽しみたいなら、日没の時間に合わせて出港する「夕呉クルーズ」へ。呉湾に停泊する艦船を望む人気の「呉湾艦船めぐり」が、夕暮れ限定で楽しめる特別なクルーズです。ラッパ演奏による君が代に合わせて自衛隊旗が降ろされる様子を船上から眺められるのも、この時間帯だからこそ。昼とはひと味違う、落ち着いた呉の表情に出会えます。
呉湾艦船めぐり(夕呉クルーズ)
クレワンカンセンメグリユウクレクルーズ
https://bunker-supply.com/service/sightseeing_cruise/
乗船料大人1700円
※2026年4月以降は乗船料大人2200円、小学生のみ800円

歩道沿いに屋台が並ぶ
クルーズのあとは、呉市役所前に連なる「蔵本通りの屋台」に立ち寄るのもおすすめです。週末には約9軒の屋台が並び、夜の通りがにぎやかな雰囲気に。おでんやラーメン、鉄板焼きなど顔ぶれも多彩で、気分に合わせてはしごするのも楽しみのひとつ。港町らしい気取らない味わいとともに、旅の一日をゆっくり締めくくってみてくださいね。
蔵本通りの屋台
クラモトドオリノヤタイ
いかがでしたか。港町さんぽに島旅ドライブ、夕景や夜景まで、さまざまな表情を楽しめる呉。見どころが多いため、1泊してゆっくりとめぐるのがおすすめです。朝から夜まで移ろう町の空気を味わいながら、呉を旅してみてくださいね。
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ライター:井手口陽子(forest)、写真:森昌史(forest)
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