静岡駅すぐの大人の隠れ家へ。城下町の路地裏で味わう、とっておきの蕎麦ランチ&会席「手打ち蕎麦 たがた」
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静岡駅すぐの大人の隠れ家へ。城下町の路地裏で味わう、とっておきの蕎麦ランチ&会席「手打ち蕎麦 たがた」

徳川家康公ゆかりの城下町として知られる、静岡市葵区。その路地裏に、全国の蕎麦好きが足を運ぶ「手打ち蕎麦 たがた」があります。店主の田形治さんは、「静岡ベストシェフアワード2025」を受賞した、蕎麦のスペシャリスト。田形さんが打つ蕎麦を求めて、新幹線を乗り継いででも訪れたいというファンが絶えません。夜の会席コースでは趣向を凝らした料理の数々を。昼のランチでは名店の味を気軽に楽しめます。

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蕎麦屋の概念を覆す、洗練されたモダンなお店

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「手打ち蕎麦 たがた」の入り口

JR静岡駅の北口から歩いて10分ほど。にぎやかな大通りを抜けると、静岡きってのツウな飲食店が集まる葵区常磐町(ときわちょう)にたどり着きます。 この町の始まりは、かつて家康公が「駿府城」を守るために寺院を集めたことから。城下へとまっすぐ延びる道すじや街並みには、江戸時代から受け継がれた「町割り」の面影が、今もひっそりと息づいています。 そんな歴史の重なる路地裏に、暖簾を掲げるのが「手打ち蕎麦 たがた」です。

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控えめに掲げられた、鉄の看板が目印

外観は知らなければうっかり通り過ぎてしまいそうな、シンプルな佇まい。派手な看板はなく、どこか品のある店構えは、大人の隠れ家そのもの。
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こだわりの“和”に包まれて

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暖簾をくぐった先は、喧騒を忘れるシックな別世界。ほの暗い空間には、カウンター席の他に、不思議な曲線を描くテーブルが置かれています。 聞けば、このテーブルは、蕎麦の種をイメージして作ったオリジナルだとか。脚には芦を使い、壁や天井は日本の職人が手がけた和紙で仕上げるなど、こだわりがいっぱい。新たな食体験との出会いを予感させる空間に、期待が膨らむばかりです。

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2階へ上がると、そこにはまた趣の異なる空間が。掘りごたつ席が並び、足を伸ばしてゆるゆるとくつろげます。
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会社員時代からの蕎麦好きが高じて、「手打ち蕎麦 たがた」をオープンさせた田形治さん

店主は、静岡生まれ、静岡育ちの田形治さん。自身も海のすぐ近くで育ち、祖父はしらす船の漁師という、静岡の旬を知り尽くした食のプロです。 実は、日本の蕎麦文化は、ここ駿府から江戸へと伝わったとされています。そんな誇るべき地元の歴史を守り続けたいと、田形さんは蕎麦を打つだけでなく、自ら山に分け入り「焼畑」を営み、希少な在来種を育て上げるまでになりました。

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静岡の旬をちりばめた、夜の懐石コース

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オール静岡食材のサラダ

「たがた」を訪れたなら、ぜひ味わってほしいのが夜の蕎麦懐石です。メニューは前日までの予約制で、5500円と7000円の2コースが用意されています。 この日いただいたのは、5500円のコース。最初の一皿は、まるでアートのように美しいサラダ仕立ての蕎麦料理です。 シャキッとしたレタスに、香ばしく揚げた蕎麦の食感、そして静岡県産いちごの甘みが絶妙にマッチ。地元の柑橘「駿河エレガント」を使用したドレッシングが、口の中を軽やかに整えてくれます。

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「スパークリングティー 深蒸し茶」(1000円)

ドリンクが充実しているのも、うれしいポイント。お酒はもちろん、ノンアルコールも魅力的なラインナップが揃います。 今回選んだのは、静岡らしい「スパークリングティー 深蒸し茶」。口に運べば、お茶の爽やかな香りが弾け、繊細な泡が心地よく喉を潤します。
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続く「蕎麦前八寸」は、目にも美しい盛り合わせ。しゃもじを器に見立てたり、きらめく切子ガラスを添えたりと、遊び心あふれる演出にも心が躍ります。 お皿の上には、オレンジビネガーで和えた地元の野菜や、清水の銀杏、井川の山椒が効いたヒラタケなど、静岡の旬がずらり。なかには、田形さんが自ら知床の海で獲ってきたという昆布の佃煮も。そのフットワークの軽さと食材への愛情が、ひと口ごとに伝わってきます。

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おいしさの鍵は、一年かけて醸した「自家製の醤油麹」

お次は“お造り”として出される、一風変わった「蕎麦刺し」。静岡産のヒラメや菜の花とともに、幅広のお蕎麦をいただきます。まずはそのまま、つるりとお口へ。なめらかな舌触りと、するりと喉を抜けていく心地よさに、思わず笑みがこぼれます。

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横に添えられたのは、静岡の奥座敷「オクシズ」で育った瑞々しいワサビ。実は、ワサビ栽培発祥の地といわれる「有東木(うとうぎ)」もこのエリア。歴史ある土地の爽やかな香りとともに、素材の旨みを引き立ててくれます。

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「天抜き」や「蕎麦がき」を味わった後は、いよいよお蕎麦の登場。この日は福井の蕎麦を塩でいただきます。 「えっ、お塩で?」と、ちょっと驚くかもしれません。でも、ひと口すすればその理由がわかります。お塩が蕎麦の甘みをそっと引き立てて、つゆでいただくのとはまた違う、ふくよかな香りが口いっぱいに。

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旨味たっぷりのかぶせ茶をお出汁代わりにするなど、食べ方が独創的

お次は、静岡県産の在来種を、贅沢に「水蕎麦」でいただきます。合わせるのは、安倍川の伏流水。このお水でお蕎麦をすすれば、まるで栗のような甘い香りがふわり。「お水がそのままお料理になる」という驚きに包まれます。

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お食事のしめくくりは、目にも涼やかな「生しらすのかけそば」。器の中でキラキラと輝く生しらすをひと口啜れば、磯の香りがふわり。つるりとした喉越しとともに、お出汁の旨味としらすの甘みが重なり合います。 素材や調理法にこだわり抜いたお料理の数々に、ただただ胸を打たれるばかり。お蕎麦の奥深い世界に触れ、お腹も心もすっかり満たされました。

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名店の味をランチで気軽に

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「もり蕎麦」(1000円)

そんな名店のこだわりを、お昼ならよりお得に味わえるのも嬉しいところ。 ランチのおすすめは「もり蕎麦」。産地も配合も茹で加減も、その日の蕎麦の状態を見極めた田形さんのお任せで決まります。お蕎麦との一期一会を楽しみに、お出かけくださいね。 蕎麦好きはもちろん、グルメな人を連れていきたくなる「手打ち蕎麦 たがた」。静岡グルメの意外な楽しみ方として、奥深い蕎麦の世界に触れてみてはいかがでしょうか。

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手打ち蕎麦 たがた

テウチソバ タガタ

clock-icon昼 11:30〜14:00(LO13:30)、夜 17:30〜21:00(LO20:00)※夜のみ予約可
pin-icon月曜・日曜夜
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Writer

安藤美紀

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湘南を拠点に、カフェと温泉を求めて全国を旅するライター。温泉観光士の資格も持ち、お気に入りのスポットを1000本以上執筆中。

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