57
2026.05.15
鎌倉の古民家に泊まる♪観光と暮らしのあいだを体験する1泊2日の長谷街あるき
長谷は、鎌倉の中でも少しゆったりとした時間の流れる場所です。観光地らしい賑わいの一歩奥に踏み込めば、鎌倉の暮らしに根ざした、ひとときが過ごせます。そこで今回は1泊2日で、この街をめぐるコースをご案内します。大仏様の静けさに始まり、古民家のカフェ、と宿、地元の食材の朝ごはん、土と向き合う体験、そして焼きたての菓子とコーヒーなど。古都の風に誘われて、長谷をのんびりと歩いてみませんか。
仁王門をくぐった先に広がる国宝の静けさ。「高徳院」の大仏様

高徳院仁王門
江ノ電の長谷駅で下車をしたら、まずは鎌倉の大仏様として親しまれる高徳院の銅造阿弥陀如来坐像にご参拝。国宝に指定された鎌倉を代表する仏様で、高さ約11.3mのお姿は圧倒的でありながら、その表情はどこまでも穏やかです。創建は鎌倉時代中期とされ、時代を経てもなお、変わらぬ表情で人々を迎え続けています。

青空のもと木々の緑を背負うようにして座る大仏様
手を合わせながら見上げると、日常の細々とした心配事がふっと薄れていくような、不思議な清々しさを感じます。境内は、梅や桜、モミジが季節ごとの表情を見せ、何度訪れても飽きることのない景色が広がります。胎内拝観もおすすめです。
高徳院
コウトクイン
海のそばに佇む古民家カフェ「サカノシタ」でひと休み

温かみのある古民家カフェ
高徳院を後にしたら、のんびりと小道をおさんぽしながら、由比ガ浜方面へと歩を進めましょう。海に向かう坂道のそばにひっそりと佇む古民家カフェ「サカノシタ」は、ドラマの舞台としても注目を集めた、趣のあるお店です。梁の見える天井、年月を経た木の床板、窓から差し込む柔らかな光。どこか懐かしく、それでいて洗練された空気が漂います。

「パンケーキプレート」(2000円)
名物のパンケーキは、オーダーが入ってから粉を合わせて生地をつくり、一枚ずつていねいに焼き上げます。ふんわりとした口当たりの中にしっかりとした素材の風味があり、ランチにもティータイムにもおすすめです。インテリアも料理もどこを切り取っても絵になる空間で過ごしてはいかがでしょうか。
「サカノシタ」の記事はこちら
サカノシタ
1日2組だけが過ごす鎌倉の暮らしの続きのような宿「鎌倉楽庵」

小道の先の古民家
宿泊は古民家の宿「鎌倉楽庵」で。1日わずか2組限定という静けさの中に、かつての鎌倉の暮らしがそのまま息づいています。使い込まれた建具は艶やかな光を帯び、庭を渡る風には草木の香りが混じります。観光地の喧騒とはまるで別の時間が、ここには流れています。1階の客室「流風(るか)」は、広々とした10畳の和室です。縁側の引き戸を開けると、名前の通り心地よい風がすっと部屋を通り抜けます。

1階の客室「流風」(1泊14000円~/2人使用の場合、食事なし)ウェルカムドリンク付き※最大5名まで
早めにチェックインして、縁側や畳の上でのんびりと過ごす時間は、普段の旅では味わえない贅沢なひととき。プライベートが守られた空間は、ただ静かに庭を眺めたりするだけでも十分すぎるほど豊か。夜になれば、遠くから届く波音や虫の音に耳を澄ませて。まるでこの街の住人になったかのような心地よさに、いつの間にか心も解けていくはずです。
鎌倉楽庵
カマクララクアン
地元の恵みが詰まった御膳で旅の朝をやさしく整える「朝ごはん屋楽庵」

築100年の古民家
翌朝は、「鎌倉楽庵」の向かいにある「朝ごはん屋楽庵」で、和食の朝御膳をいただきましょう。 テーブルに運ばれてくるのは、季節の炊き込みごはん、ふっくらとした玉子焼き、焼き魚、お出汁の効いた味噌汁。昔ながらの和朝食が、旅の朝をそっと整えてくれます。

季節の食材を使用する朝ごはんの御膳(1500円)予約制
季節の炊き込みご飯には、地元の網元「三郎丸」の釜揚げシラスがたっぷりのります。さらに三浦半島の豊かな土壌で育った三浦野菜の自家製ぬか漬けも添えられ、まさに“鎌倉の朝”を五感で味わう贅沢な時間です。
朝ごはん屋楽庵
アサゴハンヤラクアン
世界にひとつの鎌倉みやげ「体験工房 はせ陶」で陶芸体験
長谷の街並に溶け込むような工房
2日目の街あるきは、長谷の陶芸工房「体験工房 はせ陶」へ。電動ろくろや手びねりの体験が楽しめ、スタッフが丁寧に指導してくれるので、陶芸がはじめてでも安心です。自分の手で粘土を練り、形を整えていくうちに、いつしか日常を忘れ、無心になっていくのだそう。
体験は10:30~、14:30~の2回「仏像つくり」(7700円)1個分の焼き代と桐箱代込※送料別途
ユニークな「仏像つくり」は、自分だけの穏やかな表情を彫り入れていくプロセスが楽しいところ。あらかじめ用意された石膏型でおおまかな形を成形したら、細部を丁寧に仕上げていきます。目や口の表情をつけ、頭部の髪を描き、小さな手のひらをそっと取りつける作業は、高徳院の大仏様を訪れた後だと、また格別です。手に小さな穴を開ければお香立てとしても使えるなど、実用的なアレンジも。
仏像の形を整える石膏型
完成した作品は約1~2か月後に焼き上がり、桐箱に納められて自宅に届きます。旅の記憶がありありとよみがえり、長谷の余韻を日常の暮らしに持ち帰れる、心に残る体験です。
体験工房 はせ陶
タイケンコウボウ ハセトウ
焼きたての香りに誘われる駅ちかのコーヒースタンド「エキヨコベイク」

「苺と桜のスコーンサンド」※期間限定(638円)「あんバタースコーンサンド」「カフェラテ」(572円)
長谷の街歩きの締めくくりには、長谷駅に近い「エキヨコベイク」でほっと一息。オープンキッチンのある店内では、国産小麦やきび砂糖など体にやさしい素材を使った焼き菓子が、毎朝ていねいに焼き上げられます。カウンターには約20種類もの焼き菓子が並び、電車の時間まで、のんびり過ごせます。

江ノ電長谷駅改札から5mの立地
スコーンやマフィン、パウンドケーキ、タルトと種類も豊富で、手みやげにもなります。旅の終わりに、自分へのちょっとしたご褒美を選んでみてはいかがでしょうか。じんわりとした幸福感とともに長谷の旅を締めくくってくれる一軒です。
「エキヨコベイク」の記事はこちら
エキヨコベイク
古都の奥深さを実感する1泊2日の長谷

賑やかな鎌倉駅周辺とは少し違う長谷には、日常のあわただしさをするりと手放させてくれる空気が漂います。歩いて、食べて、泊まって、体験して…。心地よい時間を過ごしてくださいね。
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。
文:高橋茉弓、写真:高橋茉弓、依田佳子、新井智子
の人気記事















































