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2016.11.09
世界で最も美しいとされる洞窟がある、ベトナム「フォンニャ・ケバン国立公園」
「秘境」「絶景」「探険」好きの心をかき立てる場所がベトナムにあります。 多くの人を虜にするその場所は、世界遺産「ホンニャ・ケバン国立公園」、そしてそのすぐ近くにある「天国の洞窟」です。 山の内部にぽっかりできた空洞には、思いもよらない神秘的な世界が広がっています。 ベトナムの壮大な自然のなか、冒険家気分を味わってみませんか。
世界遺産「フォンニャ・ケバン国立公園」へ

山に「フォンニャ・ケバン」の文字が見えてくる。まるでアメリカの「ハリウッドサイン」のよう
2003年、ユネスコの世界自然遺産に登録された「ホンニャ・ケバン国立公園」は中部の街、ドンホイから車で1時間ほどの場所にあります。 原生林が生い茂る公園には、300以上の洞窟があると言われていますが、人が立ち入ることができるのは「フォンニャ洞窟」と「ティエンソン洞窟」だけです。 実は2つの洞窟は同じ山にあります。
フォンニャ・ケバン国立公園
冒険の始まりは船。「フォンニャ洞窟」へ

「フォンニャ洞窟」の入口。冒険が始まりそうな雰囲気にワクワクする
フォンニャ洞窟(風の牙の洞窟)」は、船着き場からボートで行きます。船着き場から洞窟までは約30分。山々に囲まれた道のりはとても穏やかです。内部にも川が流れているので、そのまま船で洞窟内へ。薄暗く、ゴツゴツした岩が剥き出しのところを船で進む様子は、まるで映画『インディジョーンズ』の世界。プチ冒険気分が味わえますよ。 洞窟内の石筍(上方に向かって成長したもの)やツララ石は自然にできたものですが、ある石筍は観音様、あるツララ石は巨大なカエルのような形をしています。似ている形を探しながら観察するのも楽しいですね。 さらに奥まで洞窟は続きますが、ボートで進めるのは1.2kmまで。帰りは入口付近から出口まで徒歩で行くため、鍾乳石を間近で見ることができます。

「フォンニャ洞窟」の内部
鍾乳石は1年に1mm、気の遠くなるような年月をかけて伸びるそうです。なかには数十mになろうかというものもあり、その神秘的な光景にただただ驚くばかりです。
もう一つの世界遺産「ティエンソン洞窟」へ

階段からの景色。遠くに見える山々や下ってきた川が見える
同じ山にある「ティエンソン洞窟(仙人の洞窟)」は、「フォンニャ洞窟」を出て、約500段の階段を上ったところにあります。気温の高いベトナムでの階段上りは体に堪えますが、ふと足を止めて周りを見渡すと、雄大な自然が。熱帯気候独特の青々とした植物が生い茂る山々は、日本では決してみることができません。息をのむほど美しい風景に心なしか足取りも軽くなります。

入口付近にあった石筍。人と比べると大きさがよく分かる
「ティエンソン洞窟」の入口に到着すると、左右のルートに分かれています。それぞれ約900mの道のりを進むと、最後は同じ場所に辿り着くので、帰りは別の道を選ぶといいですね。

階段の途中には売店があるので休憩もできる。生のサトウビキを絞って作るサトウキビジュースは疲れた体に染みわたるおいしさ
異空間が広がる「天国の洞窟」
「天国の洞窟」の内部。木製の遊歩道は往復約2㎞の道のり
絶景スポットは、フォンニャ・ケバン国立公園から車で30分程の場所にも。 名前はティエン・ドゥオン、日本名で「天国の洞窟」といい、全長は世界最長と言われる約31km、深さは約150mにもなります。 外気の暑さとはうってかわり、内部はひんやり。 遊歩道が整備されていて、最初に数十m階段を下ります。 山の中にあるとは思えないほど深く広い空間が続く内部は、まさに別世界。 数十mはあろうかという巨大なモンスターのようなつらら石や、神社の祠のような石筍など、形も大きさも様々な鍾乳石が並び、どれひとつとして同じ物はありません。 ところどころ椅子が設けられているので、休憩しながら自分のペースで進めます。不思議な空間の広がりを感じつつ、洞窟内をじっくり観察してみてくださいね。
フォンニャ・ケバン国立公園、天国の洞窟へ行くには、ドンホイに宿泊し、ツアーに参加するのがおすすめです。 川下りに山登りと、洞窟探険以外にも見どころが沢山ある3つの洞窟は、きっと冒険心を満たしてくれることでしょう。
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小此木裕子
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