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2020.08.10
手書きの楽しみ、再発見! vol.2~自分だけの色を作ってカラー万年筆デビュー~
スマホや電子機器で簡単に文字のやりとりやお絵描きができる時代に、あえて「手書き」を楽しんでみませんか? 第2回はカラーインクの作り方をご紹介します。 教えていただくのは、ワークショップやSNSで手書きの魅力を発信している文具店「カキモリ」の岡本さん。カラーインクを調合して試し書きを繰り返し、好みの色をとことん追求。自分だけの色を作ってカラー万年筆デビューしてみました。
こだわりの一色と出会える「インクスタンド」
浅草線蔵前駅から徒歩3分。「カキモリ」がプロデュースする「インクスタンド」は万年筆やペンに使うインクをオーダーメイドで作れるインク専門店です。カウンターの上には色とりどりのインクがずらり。こちらの17種のベースカラーから作りたい色のイメージに合わせてインクを選び、調合していきます。
使うのは、耐水性、耐光性が高く、退色しづらい顔料インク。伸びの良いなめらかな書き味が特徴です。たくさんのインクを混ぜすぎると色がにごってしまうので、使えるのは3色まで。45分の時間内で何度でも配合の比率を変えて試してみて、自分の好きな色を探します。
1滴ずつ混ぜ合わせて理想の色に近づける
インクは小さなカップにごく少量ずつ作っていきます。瓶の蓋のスポイトでインクを吸い上げて1滴ずつ落とすのですが、このときしずくの大きさを均一にするのがポイント。作った色をあとで再現するために、調合したインクの比率を忘れずにメモしておきましょう。
こちらのカラーは、Twinkle Yellowを1滴、Blooming Pinkを1滴、Puddleを2滴入れたもの。少しずつインクの比率を変えていき、理想の色に近づけていきましょう。色を淡くしたいときは、最大3色にプラスしてうすめ液も使うことができますよ。全ての色を入れたら、ガラス棒でインクをよく混ぜ合わせます。
試し書きでインクの見え方を確かめて
インクができたらさっそくガラスペンで試し書き。カップの中では濃く見えたインクも、紙に書いてみると思った以上に淡く出ることも。ガラスペンはインクが出る量によって色の見え方がかわるので、試し書きで長めの線を引いて色の濃淡を確かめるのがコツだそうですよ。色の調合と試し書きを繰り返し、イメージどおりの色ができたら、インクの比率メモをスタッフ渡して注文します。
オリジナルインクで作った便箋
作ったインクはかわいい小瓶に入れて持ち帰り
1瓶約33ml(3000円)
メモした比率に基づいてスタッフさんが配合したインクを小瓶につめてもらいます。インクは1瓶からオーダー可能。本数制限はないので、好きな色ができたら何色でもオーダーすることができます。
万年筆にお気に入りのカラーを詰めて
カキモリ 万年筆 -透明軸- (3850円)
作ったインクは、希望すれば万年筆に入れて帰ることもできますよ。 万年筆はインクが入った状態で置いておくとインクが固まって詰まってしまうので、毎日書くことが長持ちの秘訣です。使わない時は水洗いして乾いた状態で保管しておくといいでしょう。洗浄すればインクの入替えもできますよ。 オリジナルカラーを詰めた万年筆で手紙を書いたりお絵かきしたり。書くことがより一層楽しくなりそうですね。
inkstand by kakimori
インクスタンド バイ カキモリ
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宇都宮薫 撮影:土方証子
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