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2015.07.23
創業100余年「松根屋」の扇子とうちわで涼をとろう
「松根屋」は東京・浅草橋に店を構える、創業100年を超える扇子とうちわの老舗です。若手画家とコラボした京扇子や日本三大うちわの職人が作るうちわで、暑い夏を涼しく過ごしませんか?
お店は扇子の問屋として始まりました

都営地下鉄浅草線浅草橋駅A4出口から徒歩3分。江戸通りを浅草方面へと進んでいくと、通り沿いに「松根屋」はあります。 こちらのお店は、かつて日本橋横山町にあった本家「松根屋」の番頭だった初代・山本慶一さんが、1914(大正3)年にのれんわけして開いた扇子とうちわの販売店です。現在は4代目である山本慶大さんが古き良き文化を大切にしながら、現代の人たちにも親しみやすい店づくりを心がけています。 創業100周年を迎えた2014年に店内は和モダンでおしゃれな空間へと改装され、若い人や外国人観光客も訪れています。 入ってすぐのスペースに飾られた、およそ100種類もの扇子。扱っているのは扇子の発祥とされ、1000年以上の歴史を持つ京扇子が中心です。京扇子は扇骨を作る職人、絵師、地紙を折る職人と細かく分業され、何人もの職人の手を経てでき上がります。そうして作られた品を目利きして、店頭に並べています。

鑑賞用のきらびやかな飾り扇子。「木版刷り 東海道五十三次 9寸セット」(3900円~)
4代目が立ち上げたオリジナルブランド「松扇堂」

1枚1枚手描きの「Tsuduri(つづり)」(7800円)
山本さんは若い人にも扇子を手に取ってもらいたいと、扇子とうちわのオリジナルブランド「松扇堂(しょうおうどう)」を立ち上げました。これまでは朝顔や金魚、トンボなど夏の風物詩を描いたものが主流でしたが、若手画家の柏原晋平さんに依頼して自由な発想で絵柄を描いてもらったり、デザイナーの卵である学生がデザインした原色使いのカラフルな絵柄を採用するなど、新たな試みに取り組んでいます。
全国各地から集まるうちわもすてきです

左から「房州うちわ 小丸 宇山工房」、「房州うちわ 大和型 宇山工房」
店の奥では、美しい骨組みが魅力の千葉県南房総の「房州うちわ」、うちわとして生産量がもっとも多いという香川県の「丸亀うちわ」、優美な柄が特徴の京都で作られる「京うちわ」の日本三大うちわをはじめ、全国の職人が作るうちわを扱っています。 なかでもぜひ手に取ってもらいたいのが、千葉県「宇山工房」の宇山正男さんが作る「房州うちわ」(大和型3800円/小丸1400円)。宇山さんは「房州うちわ」の伝統工芸士で、84歳という高齢ながら自生する竹を自ら採りに行き、竹を割り、骨組みを作成。その完成したうちわの骨にレトロでかわいらしい絵柄の千代紙を張って仕上げています。熟練の貴重な職人技が光る逸品です。 職人が作る美しい作品はまだまだたくさん。今年は時間をかけてていねいに作られた扇子やうちわであおぎながら涼み、日本の夏を楽しんでみてはいかがですか?

松根屋
まつねや
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