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2017.05.19
ヨーロッパの田舎暮らし気分で朝ごはん。中目黒「ラ・ヴィア・ラ・カンパーニュ」|by PARIS mag
※こちらの記事は2017年5月19日に公開されたものです。 毎日の暮らしのなかで少しだけ心が弾むような豊かさをお届けするWEBマガジンPARIS mag(パリマグ)から、休日の朝の時間を豊かにしてくれるおいしいパン屋さんをご紹介します。
******** 今回は、中目黒のベーカリーをご紹介。 話題の新スポット中目黒高架下から目黒銀座商店街の賑わいを抜け、三番街アーチを曲がると途端に時間の流れが変わったかのように静かな空気に包まれます。 都会でありながら落ち着いた雰囲気が漂うその場所に今回の目的地「La vie a la campagne(ラ・ヴィア・ラ・カンパーニュ)」はあります。ここはおいしいパンも楽しめるカフェを併設した、衣食住をテーマにしたライフスタイルショップです。
ヨーロッパ田舎の暮らしの気分で
もともと洋服のデザイナーをしていたというイタリア出身のロシャン・シルバさんがオーナーの「La vie a la campagne(ラ・ヴィア・ラ・カンパーニュ)」。中目黒の他にもカフェを併設するライフスタイルショップを複数展開しています。 「鎌倉の極楽寺に古民家をリノベーションしたアンティークカフェ『la maison ancienne(ラ・メゾン・アンシェンヌ)』があり、その2号店としてオープンしたのが中目黒の『ラ・ヴィア・ラ・カンパーニュ』です。自由ヶ丘や神戸にも姉妹店があります。中目黒のコンセプトは名前の通り『田舎(Campagne)の暮らし(vie)』というように、どの店舗も名前に意味が込められているんですよ」とマネージャーの田中さんが教えてくれました。
2階のレストラン。教会で使われていたという100年以上昔の椅子も
白い一軒家の中は、本当に田舎にある誰かの住まいのような雰囲気。 「都内の騒がしさの中で、ヨーロッパの田舎暮らしのようなスローダウンした生活をしてもらいたいという想いがあります。実際、この場所も都会でありながらも少し外れたいい雰囲気の場所に位置していますしね。忙しい毎日の中でもゆっくりとした時間を過ごしていただければうれしいですね」。 窓からたっぷりの陽が射し木のぬくもりを感じる空間に、歴史のある古い家具が配置されたゆったりとした空間は、本当に田舎にやってきたかのように錯覚してしまいそう。
1階がショップで2階がレストラン
1階では毎朝焼きあがるパン、洋服やアロマ、ジュエリーなどの雑貨の販売をしています。パンはシルバさんが極楽寺のお店の頃から焼いていたこともあり、中目黒でもお店で焼いたパンを販売することになったそう。中目黒店のコンセプトに合う、「素朴でカンパーニュ(田舎)」なパンが並びます。
ホームメイドのジャムも。「さくら紅茶」「セロリとキウイ」「ドラゴンフルーツとアロエ」などユニークな組み合わせが気になりますね。プレゼントにもぴったりです。 2階のレストランでは、モーニング、ランチ、ティータイム、ディナーまでいろいろなシーンで楽しむことができます。もちろんレストランのメニューでも自家製のパンを楽しむことができますよ。
ブッフェスタイルでいただく魅惑のパンたち
朝9時から11時半までのモーニングでは、焼きたてのパンを好きなだけ楽しめるパンブッフェがいただけます。2種類から選べるスープにサラダとソーセージ、そしてドリンクもついた素朴ながらも贅沢な朝食。ホームメイドのジャムも添えられています。 1階で焼いている20種類以上あるパンから、数種類のパンがテーブルに並びます。パンブッフェに並ぶパンは、食事に合うようなハード系のパンから甘いパンまでさまざま。その中から「どれにしようかな?」と選ぶ楽しみも。パンが好きなだけ食べられるなんてうれしいですね。食べてみて気に入ったパンは1階で購入することもできます。
菓子パン系で人気の「ヴァブール」。くるみとレーズンが練りこまれ、沖縄の黒糖を使ったやさしい甘さの蒸しパンです。もちもちとした食感でずっしりとしています。 「軽めの朝ごはんとしても、3時のおやつとしてもおすすめですよ」と田中さん。
ハード系で人気なのは「ロシアの黒パン」。黒パンといえばライ麦を使ったパンで酸味があることが特徴ですよね。お店ではライ麦に、はちみつとヨーグルトを加えてマイルドにしているそうです。優しい酸味に、後からほのかな甘味がふわりと残るので、酸味が苦手という方にもぴったり。パンブッフェでは、パンがこんがりトーストされていてサクッとした食感もまたおいしいのです。
シーズナルなメニューがうれしいランチタイム
12時からはじまるランチタイムでは、サンドイッチ、キッシュなど季節によってテーマ(メインの食材)が変わるお料理をいただけます。オーナーの友人であるスリランカ人のシェフがメニューを考えることもあるそう! 取材で訪れた3月はカニがメインのメニューで「クラブサンドイッチ」、「クラブキッシュ」、カニとエビを使った「クラブバーグ」がありました。ランチメニューもスープとドリンクがセットになっています。
窓から差し込んでくる光がとても心地よい雰囲気の中、「クラブサンド」をいただきました。 ボリューム満点のサンドイッチ。大きく口をあけて一口頬張ると、パリっという音が。トーストされた食パンとぎっしり身のつまったカニ、そしていろんな野菜のシャキシャキした食感で幸せが口いっぱいに広がります!サンドされたオリーブの塩気も絶妙です。
スープもカニのスープを。カニがメイン食材に決まった理由を田中さんに教えていただきました。 「お店では、何料理というこだわりはないんですよ。でも、この場所や雰囲気の特別感を大切にしたいと思っています。『このお店には特別な想いを持ってくる人が多い。だからこそ何か特別なものを出してあげたい』とオーナーがよく言っていて。それで今回はカニにしようと決まったんです。 スリランカに『MINISTRY OF CRAB』というカニの専門店があるんですが、そこではカニがグラム別にいろんな大きさから選べるんです。日本よりもスリランカのカニはすごく大きくて、身もぎっしりとしています。それにちなんで日本でもやってみたいとチャレンジ中です。今後もいろいろと食材を変えていこうと思っています」。
“もったいない”を大切に。前向きなアイデアへ
シルバさんのインテリアやDIYのアイデアをまとめた著書『ラヴィアラカンパーニュ ロシャン・シルバの静かな生活』
オーナーのシルバさんはもともとアンティークが好きで、イタリアで暮らしていたときにものを捨てない生活をしていた時期もあるのだそう。 パンもブッフェスタイルにすることで、ロスをなくすとともにお店のいろんなパンの味をいろんな人に楽しんでもらいたいというのがはじまりだったのだとか。 お店の名を冠する「ラ・ヴィア・ラ・カンパーニュ」もまた「もったいない。何かいい方法はないだろうか?」とアイデアを膨らませることで編み出されたメニューのひとつ。食パンをくり抜いてミネストローネとホワイトソースを入れ、チーズをまぶしてオーブンで焼き上げたもので、お店定番のメニューとなっています。
食べ物にしても、モノにしても“もったいない”を大切にすることでアイデアが生まれるなんてとっても素敵。“もったいない”という気持ちは、いつも忘れずにいたいなと改めて思いました。
都会の生活で忙しく過ごす毎日で、少し立ち止まって寄り道を楽しんでみる、歩みをゆるめいつもの街並みを眺めてみる、そんな風に暮らしのどこかにひと息つける時間を作るのは大切なことなのかもしれません。 ちょっとひと息つきたくなったら、中目黒の田舎のおうち『La vie a la campagne』でのんびり過ごしてリセットしてみては?1日のはじまりや一息つきたいランチタイムを、ぜひおいしいパンと心地よい空間で過ごしてみてください。
La vie a la Campagne
ラ・ヴィ・ア・ラ・カンパーニュ
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PARIS mag編集部
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