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2017.06.09
絶景ランチからアート散策まで。絵本の中にいるような世界遺産の街・ベルン
全5回にわたり、スイスのさまざまな街や文化を紹介する特集。 第4回目の都市は、川と旧市街の街並みが美しい「ベルン」です。
スイスの首都・ベルンは屋根の色と川の色のコントラストが美しい世界遺産の街。 スイス出身の画家の作品が揃う美術館や、ロケーション抜群のレストランなど、ベルンに来たらぜひ訪れておきたい編集部おすすめのスポットをご紹介します。

時計塔に熊に、シンボル探しをしながら世界遺産の街を散歩しよう

橋から一望できるベルンの旧市街。天気がよければ奥に山脈も見える
「クマ(BEAR)」を語源として名付けられた「ベルン(BERN)」の旧市街は、ユネスコ世界遺産に登録されており、赤茶色い屋根が連なって教会が頭をのぞかせる美しい町並みは、人々の心を奪います。 旧市街を囲むように流れるアーレ川は、氷河のミネラルでエメラルドグリーンに輝き、橋の上からは赤茶色い屋根の旧市街を見渡せすことができます。

街の名前の由来である熊がモチーフとなっている噴水
旧市街の中心にあり、シンボルになっている時計塔は、仕掛け時計になっており、1時間おきに動き出す仕掛けを観に、たくさんの観光客が押し寄せます。

まちのシンボルになっている時計塔
Zytglogge
ツィットグロッゲ

旧市街全景を見渡せるローゼンガルテンでテラスランチ

優雅にランチを食べながら旧市街を見下ろすことができる
時計塔から15分ほど歩いて旧市街を抜け、熊公園の先にある坂道を左に上ると「ローゼンガルテン(バラ園)」に到着します。 初夏と秋にバラが一斉に咲き誇るこちらにはカフェレストランが併設されており、テラス席からアーレ川とともに旧市街を見下ろすことができます。

青い空とエメラルドグリーンの川、赤茶色の屋根が映える大パノラマ
Restaurant Rosengarten
レストランローゼンガルテン

穀物庫をリノベーションした舞踏会風レストランで夕食を

まるで舞踏会にきたような雰囲気
夕食には、もともと穀物庫だった建物を、18世紀にレストランとしてリノベーションした「コルンハウスケラー」で、ゆったりとした雰囲気の中、ベルン料理を楽しんでみませんか。 入り口に立ってびっくり!暗い中に煌めくシャンデリアや、ホールへ伸びる階段など、まるで中世ヨーロッパの舞踏会に招かれたような気持ちになります。

どの民族衣装が好きか話すのも楽しい
雰囲気だけでも充分楽しめるお店ですが、店内の壁画にも注目。 ベルンの民族衣装を着た女性が描かれており、中世のファッションをチェックしてみるのも面白いです。 他にも花や動物、2階の柱には31人の音楽隊が描かれており、注意深く見れば見るほど発見があります。 こちらのレストランでは、スイスの伝統料理をいただくことができます。 おすすめはゲシュネッツェルテス(子牛のクリーム煮)。ベルンのワインとあわせて飲んでみましょう。 バルコニーにはバーがあるので、夕食を食べた後のお酒だけの利用もできますよ。
KORNHAUSKELLER
コルンハウスケラー

スイス出身の画家パウル・クレーの世界へ

スイスの山々の連続性を表している
古都と素敵なレストランを楽しんだ後はアートの世界へ。 旧市街の時計塔の麓からバスで10分ほどの、街の中心から少しだけ離れた見晴らしのいいのどかな場所に、「パウルクレー・センター」があります。 パウルクレー・センターは、スイス出身の画家、クレーの作品を約4000点所蔵する広大な美術館です。 スイスを代表する4000m級の山々をイメージした、山脈のような外観が特徴的で、設計したレンゾ・ピアノは、関西国際空港旅客ターミナルビルを手がけたことでも知られる世界を代表する建築家です。

絵の解釈は様々。自分の感じたことを大切に
クレーはベルン生まれのドイツ人。 若い頃にベルリンで絵の先生をしていましたが、第二次世界大戦にあい、心に傷を負ってスイスへ帰国しました。 その生涯に渡って描いた1万のうち4割が、このパウルクレー・センターにあります。 おしゃれなタイトルや色鮮やかな作品、線画、スケッチなどを多岐にわたる作品を展示していますが、作品のメッセージは明確にしないことで知られており、解釈は様々です。

「ドゥルカマラ島」。ぜひあなたも、何を感じるか、作品の前にたってみてのお楽しみ
例えば、こちらの作品のタイトルは「ドゥルカマラ島」。現実にはない島で、“ドゥルカマラ”とは、「苦くて甘い」という意味があるのだそう。 自由に伸びる黒い線は、アラブに影響にされているともいわれています。 晩年の作品で、死に向かう意味があるとも言われていますが、実際に作品を目の前にすると、優しい組み合わせの色合いが、「甘さ」を表現しているようにもみえました。 通説はいくつもありますが、ぜひ実際に作品の目の前に立ち、感じたことを大事にしてみてください。

ZENTRUM PAUL KLEE
パウルクレー・センター
http://www.zpk.org/
・大人24フラン(スイストラベルパス利用可)
http://www.raileurope-japan.com/pass/スイスパス
・スイストラベルパスについてはこちら

ベルン美術館で8世紀分のアートの歴史をめぐる

ベルン美術館外観/Kunstmuseum Bern
スイス出身をはじめとする多くの芸術家の作品を所蔵するスイス最古の美術館「ベルン美術館」にも注目です。 こちらの美術館には、800年にもわたる国際的なコレクションが所蔵されており、スイス出身の画家、アンカーやホドラーを中心とした絵画が多くそろいます。

『パルナッソスへ』/Paul Klee, Ad Parnassum, 1932 Ölfarbe, Linien aufgestempelt, Punkte zunächst mit Weiss aufgestempelt und nachträglich übermalt, auf Kaseinfarbe auf Leinwand auf Keilrahmen; originaler, gefasster Holzrahmen, 100 x 126 cm Kunstmuseum Bern, Verein der Freunde, Kunstmuseum Bern
また、パウルクレー・センターが開館するまでは、こちらにクレーの作品のほとんどが所蔵されていたこともあり、彼の作品の一部を観ることもできます。 中でも「パルナッソスへ」は、クレーの代表作。 ベルン美術館がパウルクレー・センターに渡さなかった、彼の最も有名な作品の一つです。 パルナッソス山とはギリシャの山ですが、それ以外にもスイスの山・ニーセンとも、パウルが愛したエジプトのピラミッドともいわれています。 元の素地に直接色を塗り、更にその上にカラーで大きな四角形、白で小さな四角形を描き、さらに色を重ねるという技法で、近寄ってみるとその精密さに驚きます。
Kunstmuseum Bern
ベルン美術館
http://www.kunstmuseumbern.ch/en/
・大人10フラン(スイストラベルパス利用可)
http://www.raileurope-japan.com/pass/スイスパス
・スイストラベルパスについてはこちら

旧市街やアートスポットがコンパクトにまとまった街

美しい風景はもちろん、ベルンには、少し足をのばせばアートスポットも充実しています。 もしハシゴして複数の美術館を巡るなら、スイストラベルパスがおすすめ。 スイスを旅するのに最適な鉄道パスの他、490箇所な美術館が入館無料になります。
スイストラベルパスの詳細へ
-スイス政府観光局
http://www.myswiss.jp
-スイスインターナショナルエアラインズ
https://www.swiss.com
-スイストラベルシステム
http://www.raileurope.jp
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Ami M 写真:青柳喬
スイス政府観光局

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