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2017.06.02
湖畔に並ぶ中世の町並み。スイスの絶景を一望できる古都ルツェルン
全5回にわたり、スイスのさまざまな街や文化を紹介する特集。 第3回目は美しい景観に囲まれたスイス中央に位置する都市・ルツェルンをご紹介します。
雪に覆われた山や湖を見渡せる見晴らしの良い都市、ルツェルン。 そこから見える山々はスイスで最初に観光地として栄えた場所で、この古都は今なお世界中から観光客を惹き付け続けています。 湖畔に並ぶ中世からある旧市街の建物には壁画が描かれており、街歩きも楽しむこともできます。 その町並みや食べ物、アート、そして、ちょっと変わった博物館など、ここにきたら訪れておきたいおすすめのスポットを深く見ていきましょう。

景色を見ながらロマンチックな橋を渡ろう

常に観光客に人気で行き交う人が絶えない。夏は花も飾られる
遠くにかすむのは1800mほどもあるリギ山、手前にはルツェルン湖、そこへ注ぎ込み、街の中心を流れるのはロイス川。 スイスの美しさをギュッと凝縮したような景色を一度に楽しめるのがルツェルンのすごいところです。

橋の中で天井を見上げるとキリストや、ルツェルンに関する絵が飾られている
底が見えるほどに透明なロイス川を渡るのは、中世に架けられたカペル橋。「カペル」はドイツ語で「チャペル」を指し、教会へ向かう橋だったことがわかります。 夏になると欄干にたくさん花が飾られ、よりロマンチックな姿に。

過去は薬局だったが現在は1階にブティックが
カペル橋とともに散策したいのが川沿いにある旧市街。 500年以上前の建物に、細かい壁画や文字が描かれているのが、このルツェルン旧市街の特徴です。 例えば元薬屋さんの壁には、「AMOR MEDICABI LIS NVLLIS HERBIS(愛に効く薬はない)」というロマンチックな言葉が。

ランチはカペル橋を観ながらルツェルン地方の伝統料理を

「フリッシ・パステーテ」。テラス席はカペル橋の絶好のビュースポット
旧市街からカペル橋を見下ろせる絶景のランチスポットが、スイス料理のレストラン「プフィステルン」。 こちらのお店のお勧めは、ルツェルン地方の伝統料理、「Fritschi Paschtete (フリッシ・パステーテ)」(34.50フラン)。 さくさくパイ生地の中には、柔らかなマッシュルームと子牛の肉が。レーズン、コニャックが隠し味のクリーミーなグレービーソースと絡み合い、まろやかで深い味わいです。 ルツェルン産のワインとの相性は抜群ですよ。 晴れていれば、テラス席へ。目の前に広がる景色を独り占めしたような気分で、気持ちよく食事をすることができます。

ZUNFTHAUSRESTAURANT PFISTERN
プフィステルン

館長はピカソの絵のモデルになったことも!「ローゼンガルト・コレクション」

館内にはピカソの恋人の絵など、他ではなかなか見られない貴重な作品が揃う
食事をしたら、この街の美術館に向かいましょう。 ルツェルン駅から徒歩5分程の場所にある「ローゼルガルト・コレクション」は、美術商だった父とその娘であるアンジェラ・ローゼンガルトさんが収集した絵や彫刻作品が揃う美術館です。 シャガールやモネなど、名だたる画家の作品が揃いますが、中でもピカソは作品だけで130点もあります。 ピカソと直接の親交が深かったことから、彼の妻や恋人など、他ではなかなか出会えない個人的な作品を観られるのがこの美術館の魅力です。

実際にピカソにポートレートを描いてもらったアンジェラさん
2階には、自宅で家族と過ごすくつろいだピカソを収めた写真の数々が展示されています。 特にピカソ自身に描いてもらったというアンジェラさんのポートレート5作品は見ものです。 ピカソに会い、ポートレートを描いてもらうという経験を何度もしているアンジェラさんは、今も美術館館長として健在で、毎日元気に働いています。

パウル・クレーの「Little X」。どうしてもほしくて、アルバイト1ヶ月分で特別に美術商に売ってもらったそう
ピカソと並んで多いのは、スイス出身の画家パウル・クレーの作品。総計作品125点が地下のフロアに展示されています。作品の中には、アンジェラさん自身が絵を集めるきっかけになったという、16歳で初めて自分のお金で買った絵も。

Rosengart Collection
ローゼンガルト・コレクション
http://www.rosengart.ch/en/
・大人18フラン(スイストラベルパス利用可)
http://www.raileurope-japan.com/pass/スイスパス
・スイストラベルパスについてはこちら

交通博物館でスイスの新旧乗り物を体験

ところで、スイスといえば登山列車が有名ですが、ルツェルンには登山列車の他、自動車、飛行機、船、ケーブルカー、登山列車、宇宙船など、ありとあらゆる乗り物を集めた「スイス交通博物館」があります。

空中に展示される飛行機は臨場感たっぷり
新旧の自動車や電車の展示はもちろん、体験型の施設がたくさんあるのがこの博物館の魅力。 飛行機の操縦気分を体験できたり、宇宙船の中で無重力の感覚を味わう乗り物があったりと、まるで遊園地のようなので、小さな子供連れはもちろん、大人同士でも楽しめます。

「スイスチョコレートアドベンチャー」にて。最後には、乗った人だけのお楽しみがあるかも
併設の「スイスチョコレートアドベンチャー」では、カカオからチョコレートができるまで、専用の乗り物に乗って体験型で説明を聞くことが出来ます。全部聞いたら、いつもより美味しくチョコレートが食べられるかも。 お土産コーナーはチョコレートが定価から15パーセント引きなので、まとめ買いを予定している人にもお勧めです。

Verkehrshaus der Schweiz
スイス交通博物館
https://www.verkehrshaus.ch/
・大人30フラン ※「スイスチョコレートアドベンチャー」は別途12フラン(スイストラベルパス利用で入館料が半額になります)
http://www.raileurope-japan.com/pass/スイスパス
・スイストラベルパスについてはこちら

タイムスリップした気分で歩くルツェルンの街

古くからの歴史を持つルツェルンは、中世の雰囲気漂う旧市街はもちろん、カペル橋や昔使われていた城壁など、当時の雰囲気をそのままに残すスポットがたくさん。 美しい自然とともに、タイムスリップしたような気持ちで街あるきを楽しんでみてください。
-スイス政府観光局
http://www.myswiss.jp
-スイスインターナショナルエアラインズ
https://www.swiss.com
-スイストラベルシステム
http://www.raileurope.jp
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Ami M 写真:青柳喬
スイス政府観光局

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