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2017.06.16
世界が注目する話題のスポットも!幻想的な湖を望むスイス西部の街・ヴヴェイ
全5回にわたり、スイスのさまざまな街や文化を紹介する特集。 最終回となる第5回目の都市は、西部にあるフランスとの国境の街・ヴヴェイです。
スイスとフランスにまたがるレマン湖を望むヴヴェイは、コーヒーやチョコレートで有名なネスレが本社をおき、古くからワイン醸造や重工業で栄えた小さな街。 湖の向こう側はフランス。ブドウ畑に囲まれ、ゆったりとした時間が流れています。 一方で、最近では「チャップリン・ワールド」のオープンや、世界的な建築家ル・コルビュジエの建てた家など、世界中から注目される話題のエリアでもあります。

近代建築の巨匠ル・コルビュジエが建てた家から、レマン湖を望む

Petit maison au bord du lac Léman, Corseaux, 1923 Photo:Oliver Martin-Gambier ⒸFondation Le Corbusier
ネスレ本社からほど近い、レマン湖畔にたたずむ小さな家「ヴィラ・ル・ラク(湖の家)」は、建築家ル・コルビュジエが両親のために設計した家。 オリジナルデザインの家具が置かれ、その機能性や配置にまで、細かな工夫が見られます。

横長の窓が特徴的/Petit maison au bord du lac Léman, Corseaux, 1923 Photo:Oliver Martin-Gambier ⒸFondation Le Corbusier
特に、美しいレマン湖を解放感たっぷりに眺められる、仕切りを極力排除した窓は必見。 窓を支える柱を減らし、建物を支える強い壁を用いた建築手法は、後にフランスをはじめ、世界で近代建築の巨匠として活躍する彼の象徴的なデザインとなりました。 狭い空間を広く見せたり、うまく活用する工夫は、日本人としては親近感を感じるかもしれません。 2016年に世界遺産に登録されたこの小さな家は、オープン時間が短いものの、建築やデザインに興味のある人たちが彼の初期の作品を見ようと訪れ、常に人が絶えません。

外にいるような感覚に/Petit maison au bord du lac Léman, Corseaux, 1923 Photo:Oliver Martin-Gambier ⒸFondation Le Corbusier

Villa «Le Lac»
ヴィラ・ル・ラク

映画の中に入りこんで遊べる「チャップリン・ワールド」

チャップリンの作品を見たことがない人でも楽しめる仕掛けがいっぱい
ところで、サイレント映画で有名な喜劇王・チャップリンをご存知ですか? ちょび髭に黒い帽子と背広、杖を持ったコミカルな俳優というのが一般的なイメージですが、映画製作、作曲もするマルチな一面も。 戦争や近代文化などに対するメッセージ性の強い映画は今なお心に響き、語り継がれるものばかりです。 当時から世界中で大人気でしたが、晩年はヴヴェイで家族とともに静かに過ごしていました。 その晩年の家と土地を活用し、2016年の彼の誕生日にオープンしたのが「チャップリン・ワールド」です。 ここに来れば、チャップリンの生い立ちから晩年までの日々、そして彼の作品の全てを知ることができます。

「the kid(邦題:キッド)」の世界観を再現した最初の展示
撮影所では、チャップリンの映画を通して、彼の生まれや育ち、人柄、そして生涯を通して大事にしていたものを読み解いていきます。 例えば「the kid(邦題:キッド)」 という映画は、生後数日で亡くなった彼のこどもや、幼少期に母と兄と貧しいながらも住んでいたロンドンでの体験が元になっているといわれています。

「The Great Dictator(邦題:独裁者)」のシーン。この椅子に座れば映画に入り込んだ気分に
彼が晩年過ごした家では、衣装ではなく普段着のチャップリンが8人の子供と妻と楽しそうにおどけたファミリームービーも楽しめます。 チャップリン・ワールドに行くときは、事前に作品を観てくるのがおすすめ。喜劇だけではない、映画に込められた様々なメッセージや裏側を知ることができますよ。
アインシュタインやマイケルジャクソンなど、意外な人物にも影響を与えたチャップリン。あのムーンウォークも彼の影響だそう

Chaplin's World
チャップリン・ワールド

チャップリンの靴型のチョコレートをお土産に!「レダラッハ」

映画のフィルムケースをモチーフにしたケースにも注目
ヴヴェイには他にもチャップリンにまつわるスポットがあります。 駅から徒歩5分の場所にあるスイス各地で人気のチョコレートショップ「Läderach(レダラッハ)」のヴヴェイ店では、こちらの店舗限定で販売されているチャップリンの靴型チョコレートがお土産に大人気。 チャップリンの代表作「Gold Rush(黄金狂時代)」で、食べ物に困って靴を食べるシーンがあり、そこから発想を得たのだとか。 こちらの店舗のショコラティエ・ポワイエさんが制作する独特なチョコレートは、柚子味やタイのトムヤンクン味など、一口食べれば脳内で世界旅行が出来るようなオリジナリティあふれるものばかり。スイス人をはじめ、世界中にファンがいます。

ワークショップでは自分の好きなようにトッピングを

予約をすれば、お店の奥でオリジナルチョコレート作りのワークショップに参加することもできます(グループ毎に25フラン~)。 口溶けのいいチョコを使い、板チョコを作って飾り付けをしたり、香りの違うチョコを味覚嗅覚で堪能したり。 ポワイエさんはおちゃめで明るい性格なので、ワークショップ中も笑いが絶えません。

Läderach
レダラッハ

ワインの街・ヴヴェイの夕食はフランス風

一日かけて街を散策したら、夕食は旧市街のレストランでいただきましょう。 「オステルリー・ドゥ・ジュネーヴ」は、湖畔にほど近いホテル。こちらの一階にあるレストランでは、レマン湖地方の料理を楽しむことができます。 ヴヴェイに来たらぜひ食べておきたいのがレマン湖で獲れた魚を使ったムニエル「フィレ・ド・ペルシュ」。 淡白な身にレモンの酸味が加わったシンプルな味わいで、見た目のボリュームに反して、ついついフォークが進みます。 ヴヴェイのブドウを使った新鮮なワインとも相性がぴったりです。

Hostellerie de Genève (Restaurant)
オステルリー・ドゥ・ジュネーヴ

湖とブドウ畑に囲まれた、静かな街・ヴヴェイ

静かな湖畔とブドウ畑に囲まれたのどかな街・ヴヴェイは時間の流れもとても穏やか。 都会の喧騒から離れた自然の中で、のんびりと美味しいものを食べ、ゆったりとした時間を過ごすには最高の場所です。 フランスとの国境にあるため、国をまたいで旅行するのもおすすめですよ。
-スイス政府観光局
http://www.myswiss.jp
-スイスインターナショナルエアラインズ
https://www.swiss.com
-スイストラベルシステム
http://www.raileurope.jp
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Ami M 写真:青柳喬
スイス政府観光局

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