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2017.08.26
運河と山に囲まれた、アートとデザインを体感できる新名所「富山県美術館」
富山駅北側にある富岩運河環水公園西地区に「富山県美術館」があります。国内で数々の賞を受賞してきた内藤廣氏が手がけた建物の中や外には、無料で楽しめるスポットもたくさん。屋上は立山連峰が望める特等席です。「見る」「創る」「学ぶ」などさまざまな角度からアートとデザインを体感できる美術館を、ちょっとのぞいてみましょう。
アートとデザインを楽しめる新美術館がオープン!
外には富山県美術館をモチーフにした2つの大きなポスターが
富山駅北口から徒歩約15分の場所にある「富山県美術館」(Toyama Prefectural Museum of Art and Design 略称:TAD)。富山県立近代美術館の耐震性などから、移転新築されました。 そばには、富岩運河が流れ、緑が美しい環水公園もあります。館内には無料で楽しめるエリアも多く、公園の散歩がてら、ふらりと訪れる方も多いんだとか。何度も足を運びたくなるほど、魅力たっぷりの美術館をご紹介します。
企画展では、国内外の美術館コレクションを約170点紹介
グスタフ・クリムト 《人生は戦いなり (黄金の騎士) 》1903年 愛知県美術館蔵
2017年の全面開館と同時に幕が開く、富山県美術館開館記念展第1弾はアートの根源的なテーマである「生命=LIFE」を感じる「生命と美の物語 LIFE - 楽園をもとめて」(8月26日〜11月5日)。「LIFE」を「『すばらしい世界=楽園』をもとめる旅」ととらえて、「子ども」「愛」「日常」「感情」「夢」「死」「プリミティブ」「自然」の8つの章により構成して紹介します。 ルノワールなどの印象派からクリムト、シーレなどのウィーン世紀末美術、ピカソ、シャガールなどの20世紀のモダンアート、青木繁、下村観山などの日本近代絵画、折元立身、三沢厚彦などの現代アートなど、国内外のコレクション、約170点を一度に鑑賞できます。 第2弾は富山県美術館初のデザイン展である「素材と対話するアートとデザイン」展を開催。第3弾は、NHK Eテレで放送中の「デザインあ」とコラボした展覧会など、毎回足を運びたくなる魅力的な企画展が今後も続きますよ。
ロベール・ドローネー 《ブレリオに捧ぐ》1914年 グルノーブル美術館蔵
鮮やかな赤い壁が目を引く「TADギャラリー」
壁独特の手触りも楽しんで
館内を進むと、ふわりと木の香りが漂います。それと同時に、目に入るのは赤い壁が印象的な「TADギャラリー」。壁は左官技法で塗られたもので、触るとでこぼことした塗り跡が分かります。 この「TADギャラリー」は無料で観覧できる展示室。全面開館後には、国内外で活躍中のコンテンポラリーアーティスト・折元立身さんによる作品が展示されますよ。
立山から降りてきたクマや、タッチパネルで楽しめるポスターコレクションも
天井と壁の奥には吸音材があり、静かに展示を楽しめる(左)クマの右目の緑と左目の青は富山の山、海、空、自然が両目に映り込んでいるのを表している(右)
ひとつひとつ手作業で作られた杉の壁
2階へ上がると、木が組み合わさった廊下が目にとまります。ここの壁や天井に使われているのは全て富山県の杉で、県産の中でも明るい色の氷見市の杉を使用。ひとつひとつ角を丸く削るなど、職人泣かせのこだわりが詰まっています。
中央の廊下を進むと外には、現代彫刻家・三沢厚彦氏が手がけたクマさんがお目見え。1m、2m、2.9mと3体のクマがそれぞれ違う表情を見せてくれます。記念撮影にもぴったりのスポット。お気に入りのクマの隣に並んでみてくださいね。
チームラボと凸版印刷が共同開発したポスタータッチパネル
3階には、タッチパネルで楽しめるポスターコレクションがお待ちかね。 美術館が所蔵する約13000点のうち、3000点を見ることができます。地域別やジャンル別などでタグづけもされているので、検索操作も抜群。小さい頃に見た懐かしいポスターや、世界ポスタートリエンナーレトヤマの受賞作のポスターなどさまざまなポスターに出会えますよ。
アート鑑賞の休憩にはこちらのカフェへ
本日のデリカなど日替わりでも楽しめる「スワロウプレート」(1080円)
富山で人気のベーグル専門店「Swallow Cafe(スワロウ カフェ)」もオープン。ふわもちなベーグルをたっぷりの野菜とともにいただける「スワロウプレート」1080円や、お腹も満足な「スープパスタプレート」1296円などの料理や、お店限定のスイーツが楽しめます。 アートやデザインに触れたあと、感想を話し合う場としてもぴったりですね。
擬音語・擬態語の“オノマトペ”から生まれた遊具で遊ぼう
「ぐるぐる」や「ふわふわ」のオノマトペも
晴れた日には立山連峰が見えるという絶景オプションつきの屋上庭園には、「ひそひそ」「つるつる」などの擬音語・擬態語を指す“オノマトペ”をモチーフにつくられた遊具が彩りを加えます。 グラフィックデザイナーとして活躍する佐藤卓さんがデザインしたさまざまな遊具には、多種多様な遊び方があり刺激もたっぷり。子どもも大人も一緒になって遊べるスポットです。
手に入れたい限定グッズも。富山のお土産がずらり
ミュージアムショップももちろん入場無料。ハンカチ(2160円)はお土産にも人気。 (C) MOUNTAIN COLLECTOR
1階のミュージアムショップには、内藤廣氏に関連するデザイン書籍や、三沢厚彦氏の動物の彫刻作品がかわいいポストカードなどの富山県美術館にまつわるアーティストグッズが並びます。ショップの真ん中にはMOUNTAIN COLLECTERの富山県美術館限定ハンカチも。富山のお土産にもぴったりです。 外には富山県立近代美術館で愛されてきた展示品が飾られているなど、無料で楽しめるアートがたくさんある「富山県美術館」。全面開館の日には、記念コンサートや永井一正氏と佐藤卓氏らを招いたトークイベントなどさまざまなイベントも予定しています。富山の新しいスポットを、ぜひチェックしてくださいね。
富山県美術館
トヤマケンビジュツカン
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高木 真依子
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