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2020.10.22
【たび好きの本棚vol.7】アートの秋到来!もっと気軽に美術を楽しむための3冊
秋も深くなると、長い夜の家時間にゆっくり本を読むのがたのしいですよね。また、美術館を訪れて芸術に触れたい気分にもなります。有名な作品は見ておきたい気持ちもありつつ、美術って難しそうで気おくれしてしまうことってありませんか。 そこで今回は、美術をもっと楽しむために読みたい本を3冊セレクトしました。江戸時代に栄えた日本のアート「浮世絵」や、名画をカジュアルに楽しめる西洋画のビジュアルブックをご紹介します。背景や時代を知ると、アート鑑賞がより面白くなりますよ。
『#名画で学ぶ主婦業』
Twitterでトレンド入り&10万リツイート以上を獲得し話題となった、大人気ハッシュタグ「#名画で学ぶ主婦業」が書籍化。名画をテーマにした“主婦あるある”なツイートに加えて、名絵画が描かれた歴史的背景や、盛りこまれた寓意に見どころといった解説付き。家事や子ども、夫に対するリアルな“主婦の声”に笑いをもらいつつ、西洋美術や絵画についても楽しめる一冊です。
https://tkj.jp/book/?cd=TD286666
ツイートと絵を見て、解説を読んだ後にまた絵を見てみて。不思議と鑑賞のポイントが頭に入ります
表紙にデザインされたタイトルとツイートからして思わず笑ってしまうエピソード!主婦でない人も共感できるような、生活の"あるある"なつぶやきをキャプションにした名画が勢ぞろい。大喜利のようなツイートのインパクトも面白いのですが、絵画の意図を紹介する解説にも注目。主婦目線で切り取った絵の「見立て」があながち的を外していない不思議な共通点に納得です。有名な絵画だからといって身構えず、自分の感性で鑑賞しても大丈夫なんだと楽しめる本です。
著者:田中久美子 監修
出版社:宝島社
発売日:2018年8月27日
価格:1200円(税抜)
『マンガでわかる「西洋絵画」の見かた』
西洋絵画や画家に興味がありつつも、「どこをどう観たらよいのか、よくわからない」「画家の名前は知っているけれど、じつは詳しくない」ということはありませんか。この本は、“西洋絵画初心者”を読者対象とする、西洋絵画の入門書。中世〜近代の作品を中心に、マンガで楽しくわかりやすく西洋絵画美術史や作品の見方を解説します。
https://www.seibundo-shinkosha.net/book/art/20225/
ゴッホ作『星月夜』のページ。「名画を読む」から「巨匠ストーリー」を読むと納得
絵そのものが描かれた背景や、時代における思想を解説した「名画を読む」と、「作家の生い立ちや重要なエピソードを軽いタッチの漫画「巨匠ストーリー」を時代ごとに紹介。人物相関図もあって、○○派と呼ばれるような時代の画家や、師弟関係もすっと頭に入ってきます。現代において新しい芸術表現の賛否が分かれるように、いま名作と評価されている作品も当時はセンセーショナルだったことなど、時代を映したメッセージを絵画から読み取れます。作品の深みがわかると、好きな作品がどんどん増えていきますよ。
著者:池上 英洋 監修
出版社:誠文堂新光社
発売日:2016年10月06日
価格:1600円(税抜)
『かわいい浮世絵』
「かわいい」をキーワードに楽しく学べる「かわいいシリーズ」の第3弾。美術がグッと近くなる入門書のシリーズの浮世絵編です。画面を愛らしく彩る動植物、乙女ゴコロをくすぐるおしゃれグッズやおもちゃなど、浮世絵にあふれるかわいい描写を厳選。初期の浮世絵から幕末、明治に流行した「おもちゃ絵」や「戯画」まで、現代の漫画やイラストの先駆とも言うべき浮世絵の「かわいい」をたっぷり楽しめます。
https://www.tokyo-bijutsu.co.jp/np/isbn/9784808710736/
「かわいい」を基準に浮世絵を眺めると、こんなにユニークでコミカルな作品に出会えます
浮世絵鑑賞ってなんだかシブそう…という古いイメージを打ち砕くのが、この『かわいい浮世絵』。にぎやかな花街や蹴鞠の様子など、擬人化した猫で江戸の遊びを描いた歌川国芳の浮世絵からは、当時の暮らしが生き生きと浮かび上がってきます。ふわっとしたうさぎの毛並みや寒い日の丸々とした雀を表現した歌川広重の絵には気持ちもほっこり。まるでスマートフォンの絵文字のようにゆるっとキュートな鍬形蕙斎『鳥獣略画式』など、ページをめくるたびに、かわいい!とキュンとする浮世絵が勢ぞろい。“推せる絵師”がきっと見つかりますよ。
著者:日野原 健司 太田記念美術館 監修
出版社:東京美術
発売日:2016年12月
価格:1800円(税抜)
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朝光洋理 写真:小林利穂
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