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2018.02.02
自然を求めて郊外へ。イラストレーター・木下綾乃さん【旅のカタチ。好きのカケラ。#01】
ことりっぷWEBのスタッフが気になるあの人の旅のスタイルを聞くインタビュー連載。記念すべき1回目は、イラストレーターの木下綾乃さんが登場。木下さん流“旅の楽しみ方”とは?

木下さんのお仕事の一部。参照:https://www.instagram.com/ayano.kinoshita/
すこやかな線とシンプルな色使いが魅力的な作品を生み出している人気イラストレーター、木下綾乃さん。女性誌や書籍の挿絵を中心に、食器やテキスタイル、文房具など雑貨制作でも活躍中です。そんな木下さんは旅が大好き。「旅に行かないと描けない(笑)」と語ります。
冬景色を見に行くのが好き

木下:自分はいつでも行きたいので、行ってくれる人が見つかった時かな。友達の買い付けやイベントがあればそれにかこつけてついていくことも。ひとり旅はあまりしないです。
―旅の期間や旅先について教えてください。
木下:旅の期間は、海外だと10日。国内だと1泊か2泊くらい。山登りが好きなので、旅先は山のあるところが多いです。国内なら北海道の富良野や旭川、東川が好き。夏と冬、両方行って、冬がすごくきれいだった。冬景色を見に行くのが好きかも。
―冬の北海道。さ、さむそうです…温泉に入るくらいしか思いつかないのですが、どんな旅だったのでしょうか?
木下:温泉も行ったし「大雪山」でスノーシューをしました。ロープウェイで頂上まで行けるので、行ってみたり。でもパウダースノーすぎて、一歩も歩けなかったです(笑)。
―それも行ってみないと分からないですよね。
木下:そうそう。そうなんですよ。
同行者とのんびりお茶する時がいちばん楽しい

切手好きの木下さん。旅先の国の切手を切手帳からセレクトして、旅の途中で自分宛に手紙を出すこともあるそう
木下:自然があること。友達からおすすめを聞くと行きたくなります。あとは友達が住んでいたり、友達の友達の住んでいる場所は楽しそうなので行きます。
―旅先での過ごし方について知りたいです。
木下:海外旅行なら田舎や郊外で2、3日ゆったり過ごして、初日と最終日は首都や都会でお買い物かな。郊外は自然があって、人もすごくフレンドリーだし、おいしい料理もあってゆったりできます。どの旅も同行者とのんびりお茶する時がいちばん楽しいですね。
―旅先では時間の流れがいつもと違うせいか、お茶の時間も特別に感じることがありますね。お買い物はどんなところでしてますか?
木下:蚤の市が多いかな。あとはフリーマーケットや雑貨屋さん、薬局や文房具店、郵便局にも。
―郵便局へも行くのですね。切手を買いに?
木下:はい。切手が好きで。特に北欧の切手はきれいですよ。スウェーデンの切手は細い線で植物や動物が描かれています。
―お買い物するお店も含め、行きたいところはどうやって探してますか?
木下:出発の2、3日前にインスタとかですっごい調べます(笑)。気になったところはGeogle Mapで☆をつけて、近くを通ったら行ってみる。夜ごはんのお店なら見つけたときに予約しちゃう。旅の間、一回くらいはおいしくて高いお店にも行きたいから。
愛用品は、山登り用グッズ

「ヨーロッパなら、洗濯したアウトドアウェアも1時間くらいで乾くので着替えが少なくなりました」(木下さん)
木下:小さいノートを持って行きます。行きたいお店や場所を出発前にメモして、現地で日記を書いたり、切符をつけたり…。
あとは山登りグッズを海外旅行にも持って行きます。アウターは違いますけど、下着とかインナー系と身の回りのものは山登りと一緒。アウトドアウェアは軽くて機能的だから重宝してます。
思い出深い、4つの旅先とは?

今回の記事のために、木下さんには思い出がある旅先を事前に4つ選んでもらい、思い出のモチーフを描いてもらった
スウェーデンの小さな田舎町「ダーラフローダ」

ベルジュの周囲をドライブした時、「LOPPIS(ロッピス)」というフリーマーケットを自宅でしている地元の人たちがたくさんいて。それを知らせる手作りの看板がかわいかったです。
―民族衣装の女の子のイラストがありますね。
木下:夏至祭に行った時に、民族衣装を纏った人を見ました。お祭りの期間中はお店が全部閉まってしまうけれど、一度行ってみると楽しいと思います。
高陵とした自然が魅力的な「ハワイ島」

木下:新婚旅行で行きました。ハワイ島は結婚式を挙げたオアフ島より高陵としててよかったです。ドライブしたり、マウナケア山の観測所での星を見るツアーに参加したり。
―このマグカップは?
木下:観測所の近くのお土産さんでみつけました。マグカップやマウスパッドを買いました。
―そういうベタなところでも買うんですね。
木下:買います(笑)。
ここなら住めそうと思えた、アメリカ「ポートランド」

木下:妹と一緒に行きました。街中に緑があふれ、住宅地で鶏やミツバチを飼われていて。個性的なショップが多く、治安もよくて「住んでも大丈夫だな」と思った場所です。
アウトドアショップも多いし、クラフトビールや野菜もおいしい。毎朝、ホテルの近く似合った「coava coffee」で一日の計画を立てるのが楽しみでした。
―都会だけど自然が近いんですね。ポートランド、おしゃれなレストランも多そう。
木下:毎晩いろんなレストランに行ったんですけど、素材がいいのか、どこもおいしかったです。若い人がやってるお店によく行ってたかな。
ひたすら食べてしまう街、台湾「台北」

「茶器のセットは日用雑貨店の店主のおじさんのもの。なんてことない、無造作な感じがよかったです」(木下さん)
木下:最近、年に1回は行ってます。食べまくりの旅です(笑)。現地に住んでいる友達にも会います。おしゃれなゲストハウスに安く泊まれるのがうれしいですね。
―台湾は、おしゃれなゲストハウスがどんどん増えてますよね。選ぶときの条件は何かありますか?
木下:気になるのは立地。アクセスがいい便利なところを選びます。
ひょんな出会いから生まれた思い出たち

木下:10年前くらいに台湾をひとり旅したとき、台北のカフェで地元の女の子が話しかけてくれて。KinKi Kidsが好きだからって(笑)。その女の子に夜市に連れて行ってもらいました。
パリで美術館に行った時、いきなり文通しようって言われて。ポーランドから旅行してた人みたいだったんですけど、2~3通、文通したことがあります。

インタビューと撮影をさせてもらった、東京・経堂にある「cafe+gallery芝生」。取材時は、常設作品と店主の遊佐さんが海外で買い付けた雑貨が販売がされていた
木下:10年くらい前まではひとり旅をよくしてましたが、最近は友達や家族と一緒に行く旅が楽しくなりました。現地の人に案内してもらう旅がいいなって。
場所でいえば、ニュージーランド、スリランカ、アラスカ、マダガスカルに行ってみたいです。山が好きになるきっかけをくれたニュージーランドにもう一度行ってみたり、スリランカの登山列車に乗ってみたり…。
―やっぱり山、なんですね(笑)。
旅の中で、あたらしいものに出会う

木下:やっぱり出ます。行けないと描けない(笑)。ふだんはずっと家で作業だから、新しいものを見ないとだんだん描けなくなるので、旅は大事です。
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木下綾乃さんの旅のカケラを集めた「栞」ができました

ハンドメイドのためリボンの長さが揃っていませんが…。心を込めて作りました
今回、インタビュー記事用に木下さんが描いてくれた「旅の思い出イラスト」の一部を用いて、本の栞を作りました。全部で4種類あります。

「cafe+gallery芝生」店主の遊佐さん
栞のデザインは、東京・経堂にあるcafe+gallery芝生の店主で、デザイナーでもある遊佐一弥さんが担当。木下さんとも長い付き合いがあり、旅好きということからお願いしました。 この栞のデザインでこだわったところを遊佐さんにお聞きしてみると「どのイラストを選ぶか迷いました。どれもかわいいのですが、栞になった時に街や土地のイメージが伝わりやすいほうがいいかなと思って、作ってみました」とのこと。
「cafe+gallery芝生」についてはこちら
5名様に「栞」をプレゼント♪

栞は全て、ことりっぷWEB編集部のスタッフがひとつひとつ穴をあけてリボンを通したので、作りとしてはちょっとゆるいと思いますが、ひとつの味として受け止めていただければと思います。本やガイドブック、手帳などに忍ばせて、お出かけや旅に出ていってもらえたらうれしいです。 4種類の栞をセットにして、ことりっぷWEB読者の皆様、5名様にプレゼントします。ふるってご応募ください。

栞プレゼントの応募はこちらから
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。
島田零子 写真:平山高敏 撮影協力:cafe+gallery芝生
イラストレーター:木下綾乃さん

書籍や雑貨の分野で活動中。手紙好きとしても知られ、著書に『ゆっくり、つながる 手紙生活』(サンマーク出版)、『ねこをもらったよ』(ミルブックス)など。最新刊は、共著『岳泉会のよくばり温泉マウンテン』(パイ インターナショナル)
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