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2019.04.25
うららかな春風をまとって 祇園南を巡る古都さんぽ
石畳の細道と町家のたたずまいに京情緒を感じる祇園南エリア。ぽかぽか陽気に心を弾ませ、はんなりとした街歩きにでかけてみませんか?
和茶の魅力を伝えるカフェ「祇園 北川半兵衞」
抹茶に煎茶、ほうじ茶、 和烏龍茶、和紅茶とそれ ぞれにマッチする一口菓子が付いた「茶詠み~お茶五種飲み比べ」2800円
こちらのカフェの特徴は、主役はお茶であり、スイーツはあくまでお茶のおいしさを引き立てる存在であること。同じ茶葉でも製法によって味わいが違い、飲み比べることでその奥深さにふれることができます。 さらに茶葉は季節によって風味も少しずつ変化していきます。新茶は爽やかで清々しい緑の香りなので、うららかな日和のカフェタイムにぴったりです。
祇園 北川半兵衞
ギオンキタガワハンベエ
隠れた花の名所「建仁寺」
花見小路通を南へまっすぐ歩いていくと、突き当りに建仁寺の門が見えてくる
臨済宗建仁寺派の大本山。宋から禅を持ち帰った栄西によって1202(建仁2)年に創建されました。4月上旬は桜、下旬からは牡丹が境内を美しく彩り、隠れた花の名所として参拝者の心を癒してくれます。 俵屋宗達の傑作であり国宝の『風神雷神図屏風』や海北友松筆『雲龍図』など、貴重な寺宝が数多く所蔵されているのも見どころ(展示は複製)。近年は鮮やかなブルーが印象的な現代アートの襖絵も注目されています。
建仁寺
ケンニンジ
豆皿懐石が人気の京料理店「祇をん豆寅」
先付の豆皿3点や椀物、 揚げ物に温物、甘味がセッ トになった豆すし膳4536円。白いのれんが目印のお店はフロアごとに趣きが異なる
ランチの「豆すし膳」では、おちょぼ口の舞妓さんでも食べやすいようにと作られた豆すしをはじめ、旬の食材を使ったミニ懐石をいただけます。ネタに合わせた薬味で食材のうまみを引き立たせ、醤油を付けずに味わえるよう工夫されています。 春は菜の花や桜の塩漬けを使ったネタもお目見えし、いっそう華やかなよそおいに。口の中に広がる春の香りに、思わず顔もほころびます。
祇をん 豆寅
ギオンマメトラ
花街にたたずむ紙文具専門店「裏具」
スタッフとの会話を楽しみながらお気に入りを見つけて
こぢんまりした店内には便箋や葉書が所狭しと並んでいます。遊び心にあふれた和モダンな図柄は、京都の日常から生まれる自然な「和」のデザインを大切にしているそう。 商品を通しておみやげ話にも花が咲く、そんな文具を目指し、今や100種を超える図柄にはひとつずつユニークな名前もついています。柄に込められたメッセージを紐解きながら、大切な人へ贈る文具を探してみるのも素敵ですね。
裏具
ウラグ
花街を歩いて
「祇園 北川半兵衞」の夜メニュー「The vert」2500円(飲み物付き)は白味噌を練り込んだ抹茶アイスが絶品。「建仁寺」の国宝『風神雷神図屏風』をモチーフにしたマグネット各400円。円山公園ではお昼寝中の野良猫に出会うことも
京都最古の禅寺・建仁寺では、枯山水の庭園やアートな襖絵など見どころたっぷりで、心静かに禅の世界に浸ることができます。花見小路通から1本寄り道してみると、五花街のうち祇園甲部、宮川町があるエリア。芸妓さんや舞妓さん好みのお店が多いのもうれしいところです。
見事な桜が咲く憩いのスポット「円山公園」
「祇園のしだれ桜」は現在2代目で樹齢90 年を超える。夜はかがり火に照らされ、昼間とは違った幻想的な表情を見せる
1886(明治19)年に作られた、東山のふもとのゆるやかな丘陵地に広がる公園。八坂神社や知恩院に隣接し、回遊式の日本庭園を模しています。 円山公園の見どころはなんといっても桜。3月下旬から4月上旬にかけて、ソメイヨシノなど約680本の桜が園内を春色に染め上げます。なかでも園内中央にある桜は「祇園のしだれ桜」と呼ばれ、大きく広げた枝いっぱいに美しい花を咲かせ、人々の心をひきつけてやみません。
円山公園
マルヤマコウエン
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