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2016.01.19
店舗は世界でここだけ。宝石のような煌くショコラと史上初のベジタブルコンフィズリー
パティスリーやショコラトリーが街のそこかしこに点在する、スイーツの宝庫パリ。そんな激戦区でパリジェンヌが愛してやまない人気店をご紹介。日本では手にはいらないので、パリを訪れた際にぜひ訪れて。
人気と実力を備えたチョコレートの巨匠ジャック・ジュナン
「毎日好きなことをしている、ってかんじているよ」とジュナンさん
アトリエでチョコレートを作り、三ツ星ホテルや、一流レストランへお菓子を卸していたジャック・ジュナンさん。2008年、クリエイティブなショップと昔ながらのお店が共存するパリの北マレに自身のお店をオープンすると、瞬く間にその評判が広がりました。新鮮で厳選された素材が使用され、芸術品のように美しいチョコレートに感動する人が後を絶ちません。 お店へは、パリ地下鉄レピュブリック駅から歩いて5分。オランプ・ド・グージュ広場に面しています。
パリ初の野菜をつかった砂糖菓子、ベジタブル・コンフィズリー
パート・ド・レギューム1kgあたり90ユーロにんじん、ピーマン、セロリ、青トマトなど、日替わりで種類が異なります
ジャック・ジュナンさんのお菓子の中でも、一度食べたら忘れられないのがコンフィズリー(砂糖菓子)です。 中でも人気は「パート・ド・フリュイ」。果物(フリュイ)のピュレを砂糖やペクチンと煮詰め、固める伝統的なコンフィズリーですが、「材料を果物から野菜(レギューム)に置き換えてもつくれるのでは?」と、ふとしたきっかけで作り始めたのが、新しいコンフィズリー「パート・ドゥ・レギューム」でした。 マルシェから取り寄せた野菜をすりおろし、煮詰め固めるという試作が、数か月に渡って続きました。新鮮だからこそ野菜の持つ水分量が日によって異なり、絶えず微調整が必要です。優しく柔らかい口どけと、グミともゼリーとも違う食感、そしてみずみずしい野菜の風味におどろくはず。 「アペリティフ(食前酒)と共に、またチーズと合わせて食後にもおすすめですよ」とセカンドシェフのソフィーさん。「パート・ド・フリュイは、果物で作るのが定番だけれど、野菜でもこんなにおいしいなんて!」と、どこにもない味わいが人気に。パリジェンヌからも注文が絶えません。
パリのグルメサイトでNO.1を獲得したレモンタルト
200㎡の広々とした贅沢な空間にブティックとサロン・ド・テが
ジュナンさんのこだわりはお菓子だけでなく、自身のお店にも。17世紀の建物を2年かけて改装し完成させました。月日の流れを感じるレンガとやわらかな曲線模様が施された白い壁、深紅のベルベットのカーテンが吊るされ、クラシックとモードが響きあう洗練された空間で食せるのが、フレッシュケーキです。 昨年の7月に、パリのグルメサイトでNO.1をを獲得したレモンタルトは、黄金色に焼きあがったタルト生地に、レモンソースの酸味とバジルがほどよいアクセントとなった一品。
レモンタルト
注文をうけてから仕上げられるミルフィーユは、クリームと生地のサクサクとした触感がたまらない味わいです。
ナイフをいれた瞬間にほろほろ崩れる繊細なパイ生地と濃厚なクリームが見事なミルフィーユ
とあるお客さんがこんな一言をこぼしていました。「パリには、行ってみるものが二つある。ひとつはエッフェル塔。そしてもうひとつはジャック・ジュナンだ」。 歴史あるフランスのショコラとパティスリーを極上の素材で作り続けてきましたが、誰かに師事することなく、独学で道を切り開いてきました。 そんなジュナンさん、実は大の親日家でもあります。毎日厨房に立つジュナンさんは、自身がパティスリーやショコラをブティックやサロンに運ぶこともしばしばです。ジュナンさんに出会ったら、ぜひ「ボンジュール、ムッシュージュナン!」と声をかけてみてくださいね。
Jacques Genin fondeur en chocolat
ジャック・ジュナン フォンドゥ・オン・ショコラ
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写真 髙野志津
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