私だけの石を探しに、石のまち・糸魚川1泊2日の旅へ
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私だけの石を探しに、石のまち・糸魚川1泊2日の旅へ

古代よりお守りや装飾品として珍重されてきた石。 1994年より版を重ねるバード・ベイラーの人気絵本『すべてのひとに石がひつよう』のなかでは、友だちの石を探すことで広がる、心の奥行きや風景の豊かさが描かれています。 もし、旅先で自分だけの石を見つけることができたなら、きっと、一生の友だちのようにつきあえるはず。 自分だけの石を探しに、“石のまち”新潟県糸魚川市に出かけてみませんか。 現地発着のオリジナルツアーも開催中です。

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古代のロマンを石に感じて、石探し

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深く渓谷が切り込む地形が特徴の糸魚川。奥に見えるのは日本海。

糸魚川が“石のまち”と標榜するのには、理由があります。 日本の国石に認定されたヒスイをはじめ、たくさんの種類の石を見つけることができるから。縄文時代より宝石として利用されてきたことから、世界最古のヒスイ文化発祥の地ともいわれています。 『古事記』や『出雲国風土記』などの古代文献によると、この地を治めていた奴奈川姫がヒスイの勾玉を身につけていたと想像されており、はるばる出雲国から大国主命が求婚しにやってきたのも、石の力に吸い寄せられてきたからかもしれません。

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その名も「ヒスイ海岸」に、ヒスイを探す人の姿が見えます。よ〜く探すと、お宝発見できるかも?

もちろん、そんなロマンティックな理由だけではありません。 糸魚川は日本列島を東西に分断する地質的な溝、フォッサマグナ上にあり、その西端とされる糸魚川ー静岡構造線がある場所なのです。 溝の深さは、なんと6000メートル。線上に3000メートル級の北アルプスがあると考えると地層の溝は9000メートル以上にもなるのだとか。

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2016年に日本の国石に選ばれたヒスイ。緑色が知られていますが、白や灰、黒、薄紫色などもあり、実は色とりどりなんです。

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拾った石を鑑定して、自分だけの石を決める

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専門家が石を仕分けしていきます。ヒスイはないものの、珍しい化石を含んでいることもある礫岩を見つけてしまいました。

フォッサマグナは1600万年前までは海だった場所。現在に至るまでに海が埋め立てられて盛り上がった場所が陸になったと思うと感慨深いものがあります。 ヒスイを含む鉱物や岩石は、川の上流から流されて海岸にやってきたものが多く、いわば大地の裂け目からやってきた大地のかけらなのです。 特にヒスイの年齢を調べると、糸魚川のヒスイは、約5億年前にできたもの。 そんな特別な場所ですが、自分だけの石をみつけるなんて面白いの?と疑問に思うかもしれませんが、それは、もう面白いんです。 訪れたヒスイ海岸の石をよく見ると、どれも同じものはなく、角がとれ玉のように丸く、意外とカラフル。 石が好きで毎日探しに来るという地元の方もいるくらい、そして一度、石拾いは始めると夢中になり時間を忘れてしまいます。

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鑑定をしてくれたのは、フォッサマグナミュージアムの小河原孝彦さん。大学でヒスイをはじめとした石を学んだ理学博士のわかりやすい解説で石や地形の不思議に魅せられて。

もちろん、石を拾うだけでは、知識がないので集めた石がどういったものかわからないと思います。そこは、さすが「石のまち」。 拾った石を「フォッサマグナミュージアム」に持ち込むと専門家に鑑定をしてもらうことができます。ひとり5個まで見てもらえるので、開催日に合わせてぜひ訪れてみて。 今回、ざっと広げただけでも流紋岩、ひん岩、石英、砂岩などがありました。 太古に地中深く潜り込んでいた鉱物や岩石が、長い時を経て石となって自分の手元にやってくるなんてロマンティックだと思いませんか?

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フォッサマグナミュージアム

フォッサマグナミュージアム

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奴奈川姫ゆかりの神社で石に願いをこめて

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茅葺き屋根が立派な能生白山神社は、1000年以上もの歴史がある国の重要文化財。

ヒスイは見つけられなかったものの、迷いながら一番のお気に入りの石を選んでみました。 選んだのは、白くてころんとした石英(せきえい)。触り心地がよく、頬にあててみると温かい。これは自分と相性が良さそうです。石英の結晶は水晶と呼ばれていると聞き、それもまたご利益がありそうな気がして選んで見ました。

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石のまちツアーでもらえるお守り袋にお気に入りの石をひとつ詰めて、神社で祈祷してもらいます(ツアー参加者のみ)。

さて、石が決まったら、海沿いの「能生白山神社」へ石を持って参拝に出かけます。 古代奴奈川族の首長、奴奈川姫を祀った産土神社だけに、特に恋愛のご利益に期待も高まります。 ちなみに冒頭で触れた、現地発着の「石のまちツアー」に参加すると、拾った石を収めることができるオリジナルのお守りがもらえ、さらに1泊2日ツアーでは、石の入ったお守りをご祈祷してもらうこともできるそうですよ。

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能生白山神社そばの海岸にあるフォッサマグナの海底火山の噴火でできた「弁天岩」も一緒に参拝。弁天岩の上にある能生港灯台は、恋する灯台といわれているロマンティックな海の道しるべ。

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美人の湯につかって、里山でゆったり、のんびり

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海から山に上がっていくと棚田の奥に、笹倉温泉「龍雲荘」が見える。

糸魚川には温泉が5つあり、総称して翡翠温泉郷とよばれています。 なかでも、笹倉温泉「龍雲荘」は早川の上流、糸魚川の急峻な地形を感じられる里山にあります。世界ジオパークにも認定されている糸魚川の地形を体感できる風景が周囲にあり、龍雲荘の先、山の上にある見晴台まで車を走らせてみると海までのパノラマが見渡せます。 美人の湯といわれる笹倉温泉のお湯にゆっくりと浸かって静かな里山の夜を過ごせば、五感が研ぎ澄まされてより土地の空気を味わうことができそうです。

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光が当たるとヒスイ色にも見える温泉の泉質はナトリウム炭酸水素塩泉(重曹泉)。湯上りには、つるつるになったお肌を実感します。

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笹倉温泉 龍雲荘

ササクラオンセン リュウウンソウ

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ヒスイをテーマにした老舗料亭のランチを

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地の素材で構成された豪華絢爛な「石のまちツアーランチ」は、3000円(税抜)。

翌日、市街地へ戻り、ランチは「石のまちツアー」オリジナルのメニューを提供する「日本料理 鶴来家」へ。 鶴来家は、創業文化2年、200年の歴史を誇る老舗料亭です。 そんな料亭の粋をぎゅっと集めた重箱のお弁当ランチは、蓋を開けてびっくり。ヒスイをテーマに地元の素材を集めた、目にも楽しいすてきな玉手箱でした。 内容は、隣の親不知でとれた海藻、えごと新潟ではおなじみの食材の菊の花、かきのもとの酢味噌あえ、日本料理の翡翠茄子にちなんだナス料理のほか、甘エビのお刺身のお腹にある青い卵は、地元では“ヒスイ”と呼ばれています。 手作りの湯葉やごはんは、水のきれいな糸魚川だからこその滋味豊かな味。 どこから箸をつけようか、迷ってしまいます。

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2016年の糸魚川大火で全焼。2019年4月に新生鶴来家をスタートさせた5代目青木孝夫さんと跡を継ぐ娘の資甫子さん。「新しい鶴来家をこれからつくるにふさわしい建物になりました」と青木さん。海沿いの個室は、窓際の椅子に座るとちょうど海と空、石の庭が気持ちよく目に入るように設計されています。

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日本料理 鶴来家

ニホンリョウリ ツルキヤ

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おいしいたまごプリンと、ヒスイ色のお土産

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左から濃厚な生クリームの味わいとゆるゆるした食感がたまらない「たまご屋さんの贅沢プリン」、全卵と卵黄、生クリームをミックスした「ふわふわプリン」、全卵をつかったスタンダードな「プレミアムプリン」。

ランチを食べたあとは、糸魚川に行くなら絶対に外せないスイーツスポット「フェルエッグ」へ。地元で60年以上続く「渡辺鶏園」がつくる洋菓子のための卵、ピュアエッグをつかったプリンやシフォンケーキなどのスイーツが地元ほかお取り寄せでも人気なのです。 卵特有の生臭味がないピュアエッグは、卵嫌いのお子さんも食べられると評判。プリンをひとくち食べてみると、舌触りはとろりと濃厚なのにすっきりとした後味に驚きます。

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「渡辺鶏園」2代目の奥様、渡辺洋子さんは2004年の鳥インフルエンザ騒動により卵の価格が急落、毎日鶏たちが産む卵をなんとか商品に、と2006年にフェルエッグを設立。

そして、何かおみやげにと店内を見ていると、そこにかわいらしいヨモギのお菓子が。 ヒスイの緑色をイメージさせる糸魚川産の「ヒスイヨモギ」と新潟県産コシヒカリの米粉をコラボさせたショートブレッド「MOFU」は、その名の通り、モフモフふかふかの不思議な食感。 実はヨモギの学名は「アルテミシア」。ギリシャ神話の女神アルテミスから由来する学名に奴奈川姫を重ねたロゴマークは、女性に嬉しいイメージが重なります。 そんな小さな繋がりの一つ一つが、石のまちの旅をより魅力的に感じさせてくれました。

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和製ハーブ、ヨモギは酵素や葉緑素、食物繊維など女性にうれしい栄養が含まれているため、ぜひ若い女性に味わってもらいたいとヨモギの商品を開発。「HISUI-YOMOGI - ヒスイヨモギ - 」と名付けられたブランドから、現在ショートブレッド「MOFU」やハーブティー、ケーキなどが販売されています。お土産にどうぞ!

海岸で選び、願いをこめたたったひとつの自分だけの石と縁起のよさそうなヒスイ色のお菓子をおみやげに、のんびりと帰途につきます。 車窓の風景を眺め、海から山を抜けて街に戻ってくるとなぜか心が躍ります。それは、新しく友だちになった石のせいかもしれません。 ぜひ、長い歴史と自然がヒスイでひとつなぎになった糸魚川へ出かけてみてくださいね。

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現地発着型オリジナル「石のまちツアー」開催中です。

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糸魚川で、石をたどる不思議な旅へと案内するオリジナルツアーが開催中。 ヒスイをめぐる奴奈川姫の伝説や、地球の歴史が生み出したジオパーク。その地質が織りなす文化、そして豊かな食や温泉など、糸魚川の壮大な自然の恵みを旅してみませんか。 日帰りツアーと1泊2日のツアーをご用意していますよ。

石のまちツアーの詳細はこちらから

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※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
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石のまち 糸魚川プロジェクト

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「石のまち」プロジェクトは、糸魚川で生み出される「石」を起点に様々な魅力を再構成する地域活性化プロジェクトです。名産の国石「ヒスイ」をはじめ、奴奈川姫の伝説、ユネスコ世界ジオパーク認定の豊かな自然、その自然が織りなす食や温泉、石探しツアーなど、石から広がる独自の価値を提供。市民と行政が一体となり、まちの活性化を目指してその魅力を全国に発信しています。

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