オリジナルのインテリアに飾られた空間

東京メトロ銀座駅から徒歩約2分。ソニー通りとみゆき通りが交差する場所からすぐの建物の3階に、「椿サロン 銀座」はあります。一見、カフェがあるように思えない普通のビルですが、「椿」のロゴの立て看板に気を付けていると見つかります。

「椿サロン 銀座」は、2018年3月にこの場所にオープンしました。北海道に3店舗、台北に1店舗ある「椿サロン」唯一の東京店です。オーナーはインテリアデザイナーの長谷川演（はせがわ ひろむ）さん。これまでに数多くの飲食店やホテルのデザインとコンセプト作りを手掛けてきましたが、こちらは自身のお店ということで、北海道への愛がそこかしこに感じられる、とことんまでこだわったメニューやインテリアが見ものです。

店内で最初に目につくのが、大きなグランドピアノ。その横の大テーブルや壁、天井には和紙が使われていてとてもあたたかな雰囲気です。きのこのかさのようなシャンデリアが辺りを照らし、木の椅子がナチュラルな趣を添え、ほっと安らげる空間を作り出しています。

テーブルの上には北海道の民芸品である木彫りのクマが

これらのテーブルや椅子、照明はすべてオリジナルのインテリアだそう。テーブルの和紙は墨で濃淡さまざまに染めたもので、天井はなんとイチゴ染め。窓際のテーブルは、コーヒー豆の麻袋の上に漆を塗ったユニークなものなので、ぜひチェックしてみてください。さらに、カップやカトラリーに至るまで、店専用にデザインされたものを使うというこだわりようです。

手間暇惜しまずじっくり作るほっとけーきと深煎りコーヒー

早速「北海道ほっとけーき」を焼いてもらいました。生地に使うのは、小麦粉、小麦粉でんぷん、卵、てんさい糖、塩のみ。生地をふくらませたり香りをつけたりする添加物を、この店では一切使用していません。

ほっとけーきを焼き始めると、バターのいい香りが店内に広がり幸せな気分に。時間をかけてしっかり焼き上げるので、注文してから出てくるまでに早くても20分ほどかかります。生地を上手にふくらませるには、かなりの技術が必要とのこと。 焙煎からブレンドまでを札幌の本店で行っているコーヒーは、布フィルターを使ったネルドリップで丁寧に抽出しています。この淹れ方だと、濃厚な味わいでとろみ感のある豆の特徴が出やすくなるのだそうです。

「椿サロン 銀座」には、通年ある定番ほっとけーき2種類のほか、季節・数量限定のほっとけーきが2種類ほどあります。 こちらは店の定番メニューのひとつ、「北海道ほっとけーき プレミアム」（1750円／税込）と、「北海道クラシックブレンド」（860円／税込）。コーヒーをほっとけーきと同時に注文すると200円引きになります。

プルプルと揺れる分厚いほっとけーきは、時間がたつとしぼんでしまうので早めに味わいましょう。口に入れるとふわふわで、しゅわっととろけます。生クリームが上にのり、バター、十勝小豆、てんさい糖蜜、チーズが別添えで付くので、それぞれを加えて味の変化を楽しんでみてください。チーズは少し塩気があるので、箸休めにぴったりです。 「北海道クラシックブレンド」は、北海道ならではの深煎り。コクとうまみが濃厚で、苦みはやわらか。冷めてからは甘みが感じられる、真のおいしいコーヒーです。椿の花の形のカップと、葉の形のソーサーもかわいくて、テンションもアップします。

こちらは季節限定の「北海道ほっとけーき キャラメルバナナ」（1950円／税込）。てんさい糖で作られたやさしい味わいの自家製キャラメルソースがかかっています。ガラスの器にはカットバナナと北海道ミルクブランマンジェ、バナナジェラートも！ このメニューには台北店オープンのコラボメニューのため、バナナが使われています。北海道の牛乳を贅沢に使ったブラマンジェは口あたりがよく、ほっとけーきやバナナとの相性も抜群です。

オリジナル豆や製品の購入もできます

店内の一角では、カフェで使っている食器やカトラリーを販売しています。「YUQICA（ユキカ）」は北海道ほっとけーきを食べるためだけに生まれたカトラリーのプロダクト。雪かきのスコップや牧場の鍬（くわ）などをモチーフにした、北海道らしい形がキュートです。

店のコーヒーが気に入ったら、豆の購入もできます。「北海道クラシックブレンド」「椿マイルドブレンド」はそれぞれ100gにつき800円（税込）。ドリップバッグ入りの個舗装タイプもあり、1パック200円、3パック600円、7パック1200円（各税込）。自宅で手軽においしいコーヒーを飲むことができますし、プレゼントしても喜ばれるでしょう。

上質な食材でできたほっとけーきを、天然の素材を使った極上の空間で提供する「椿サロン 銀座」。本物に包まれて心から安らげる、都会の中の隠れ家のようなカフェです。ふっくらおいしいほっとけーきと自家焙煎コーヒーに癒やされに、銀座まで出かけてみませんか。