伝統的な絵柄からデジタル技術を使った重箱までー400年の歴史を誇る有田焼の魅力
heart

104

[PR]

伝統的な絵柄からデジタル技術を使った重箱までー400年の歴史を誇る有田焼の魅力

佐賀県有田町で作られ、今年創業400年を迎えた有田焼。その魅力を伝えるイベント「有田焼書店」が、東京・代官山で開催されました。伝統的な絵柄や技法の器から、若手作家が手がけた現代的な器まで、30数種類の多様な魅力を持った器が展示された今回のイベント。数々の展示作品の中から、有田焼の奥深い魅力をご紹介します。

leaf

焼き物の魅力を本で伝えるユニークなイベント

image

今回開催されたイベント「有田焼書店」は、様々な窯元や作家が手がけた30数種類の器と合わせて、その器に関連するキーワードと本を展示。本を入り口として、器の魅力を知ることができます。 例えば、透明の釉薬(ゆうやく)に呉須(ごす)という青い絵の具を混ぜて、青のグラデーションを表現している坂本窯陶工房の坂本達也氏が手がけた作品には、「青」にまつわる3つの本が一緒に展示されました。ジーンズの歴史を網羅した『デニム・バイブル』、青にこだわった現代アートの画家イブ・クラインの作品集、色をテーマに写真と詩でメッセージを伝える『インディゴ』。 有田焼の知識を深められる本もあれば、イメージを広げられるような美術本もあり、器にはこれまであまり興味が持てなかったという人も、これらの本が有田焼の世界へと導いてくれます。

image
leaf

有田焼の伝統的な魅力を絵柄と形で伝えるそば猪口

image

有田焼の中でも人気が高くコレクターも多いそば猪口は、300年ほど前から現代まで、同じ形状で作られているそうです。花唐草や市松模様など定番の絵柄は、「お蕎麦屋さんで見たことある」なんて人も多いでしょう。 有田焼の絵付けの特徴は、下絵と上絵があること。呉須(ごす)という青く発色する絵の具で釉薬(ゆうやく)の下に描かれるのが下絵。上絵は、一度釉薬をかけて焼いた後に、青以外の絵の具で描かれ、もう一度焼き付けられます。

leaf

親子の共同作業で作られる日常使いしやすい器

image

有田町の中には、150もの窯元があります。その中でも「大日窯」という窯元は、息子が形を作り、母親が絵を描くという、親子の共同作業で器作りを行っています。そこで作られる器は、素朴で温かみがあり、毎日使う食器としてぴったり。 ぽってりと厚みがあり手に馴染む質感と飾り気の無いシンプルな絵柄。これらは、日々の親子ゲンカの中から生まれているのだとか。 展示を見ると、器には「親子ゲンカ」というキーワードがつけられています。親しみの湧く器にこのテーマ、少しギャップを感じるかもしれませんが、親子ゲンカによって親子の絆が深められているからこそ、この器が作り出されているのでしょう。

leaf

あえて作られた色ムラが、生き生きとした絵柄を生み出す

image

青色の絵の具で地肌を塗りつぶす「濃み(だみ)」という技法は、通常ムラが無いように塗るのが良いとされています。しかし、260年余りの歴史を持つ源右衛門窯では、あえて濃みムラを残す独自のデザインが生み出され、それが今では源右衛門窯の特徴となっています。 濃みムラを残すことによって生み出された、生き生きと躍動感溢れるデザイン。展示された手洗い鉢は、JR九州のクルーズトレイン「ななつ星」の車内でも使われているもの。今回のイベント会場では、美しい青の手洗い鉢の中で金魚が泳いでいました。 常識と思われていた概念を覆したところに、新しい価値や面白さが生まれるのかもしれません。

leaf

伝統にかわいさをプラスした絵柄や、彫りで表現する手法も

image

そのほかにも、有田焼の多様な魅力がわかる様々な器が展示されました。女性作家たなかふみえさんの器は、伝統的な絵柄の中に、パンダやツルなどの動物をかわいく描き込まれていて、若い世代の女性に人気です。

image

また、外国人にお土産として人気が高いというぐい呑みは、ひっくり返すと富士山になるというユーモア溢れる作品。金や銀の色みで、より華やかな印象になっています。 その他、絵付け以外の表現方法もあります。素地を彫ってモチーフをあらわす「印刻」という手法を使った繊細な照明や、デジタル技術で型を作った球体の重箱などもあり、伝統は守られつつも、有田焼が日々進化しているということがわかりますね。

image

図面を読み込ませて型を作る、デジタル技術を使った球体の重箱

leaf

古き良き街並みが残る有田町の魅力も器で表現

image

器作りで栄えてきた有田町の街並みを、アイコン化して器の中に描き出した『有田アイコン』という作品は、有田の街の魅力がぎゅっと凝縮されています。模様の1つひとつをよく見ると、窯や煙突、建物、神社、焼き物作りの道具などが描かれています。 今から400年前。17世紀の初頭に、有田で磁器の原料となる陶石が発見され、磁器の製造が始まったと言われている有田焼。 17世紀の半ばには、その焼き物はオランダ東インド会社によってヨーロッパへ輸出されるようになりました。「有田千軒」という言葉は、当時の繁栄を表現したものです。街の中心部、約2k㎡ほどの範囲に1000軒もの建物がひしめき合っていたのだとか。外国からの客人をもてなすために建てられた和洋折衷の建築様式も多く、明治期の建物は今でも残っています。 そんな街の佇まいと歴史を感じたり、焼き物の製作過程を見学したり、作り手の話を聞いたりできるのも産地ならでは。もちろん、器を扱うお店やギャラリーも多くあります。自分だけのお気に入りの器に出会う旅へ、出かけてみてはいかがでしょうか。

※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。

有田観光協会「ありたさんぽ」

avatar

有田のまちあるきや陶器市をはじめとしたイベント、観光施設、おすすめコースなど、有田焼からグルメまで、有田の情報をたくさんご紹介しています。

sunshine

イベント

の人気記事

sunshine
pin

の人気記事

sunshine

おすすめ記事

sunshine

× したいことから

他の記事を探す

週末旅温泉旅絶景旅ご利益めぐり街さんぽ紅葉ごほうびいやされるひとり旅日帰り旅ご当地グルメアートさんぽお茶時間アフタヌーンティー洋館・名建築読書雨の日
onlinestore
onlinestore
magnifier
アプリでもっと便利に
おすすめスポット90,000件を掲載
あたらしい情報を毎日お届け
季節の景色や名所、おいしいスイーツやグルメ情報などこれからの旅、週末に行きたい素敵なスポットが見つかります♪
point
自分だけの旅行・おでかけ
情報がみつかる
map
気になるスポットを
お気に入り登録
これから行きたいスポット情報や記事投稿を
クリップしてあなただけのリストを作れます。
search
便利な検索機能で
行きたい場所が見つかる
旅行前の情報収集で使える観光エリア、
ジャンル、ハッシュタグ検索から、
今いる場所から周辺の見どころや
カフェを探せる現在地まで
役に立つ検索機能がたくさん。
passport
電子書籍が手軽に読める

ことりっぷガイドブック・マガジンの
電子書籍版の購入ができます。
旅行・お出かけ中にさくさく閲覧♪
月額400円で120冊以上が
読み放題になる「ことりっぷpassport」も。
point
旅の思い出を共有、
旅好きユーザーとつながる
photo
かんたんに
思い出の写真を投稿
旅先のとっておきの瞬間や、
お気に入りのスポットをアップすることができます
app
さぁ、あなただけの
小さな旅を
見つけましょう♪
ios_downloadandroid_download