童話の世界観が息づく宮沢賢治のふるさと花巻

のんびりと穏やかな田園風景が広がる花巻市。どこかゆったりとした時間が流れ、自然の美しさを感じられ、どことなく心がほぐしてくれる町です。市内には、ゆかりの詩人で童話作家の宮沢賢治を知ることができる資料館や物語の世界をモチーフにしたレストランなど、ほのぼのとしたスポットが点在しています。

旅の疲れを癒やす個性豊かな花巻12湯へ

そんな自然豊かな花巻に訪れたら、ぜひ宿泊したいのが、花巻市の西部、静かな山あいを流れる台川と豊沢川沿いを中心に、12の温泉が湧く花巻温泉郷です。渓谷沿いには、宮沢賢治も愛した湯めぐりを楽しめる和風旅館や自然に囲まれひっそりと静かに時間を過ごせる老舗、湯治場の風情を残す宿など個性豊かな温泉が点在しています。 また、北海道の次に広い面積の岩手県は、自然に恵まれた“食材の宝庫”。それぞれの宿が工夫を凝らした旬の食材を活かした郷土料理や、地産地消の食材をいただくことができます。そんな何度も訪れたくなる花巻温泉郷の中から、心が安らぐとっておきのお宿6軒をご紹介します。

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南部赤松林に囲まれた静かな旅館 花巻温泉「佳松園」

（左）木のあたたかみのある家屋、（右上）素材にこだわった四季折々の料理、（左下）大きな桶をしつらえた大浴場

花巻駅からバスで20分、花巻温泉は広大で自然豊かな敷地内に4つのホテル・旅館のほか、バラ園、温泉ベーカリー、カフェなどが点在しておりのんびりと散策を楽しむことができる温泉郷の中心で東北を代表する温泉地です。 その花巻温泉の最奥にある「佳松園」は、本格的な数寄屋造りの美しいたたずまいの旅館。和室を中心に、多彩な客室タイプがあり、ほとんどの部屋に檜風呂がついており、静かに過ごしたい方におすすめです。※洋室ツインを除く 夕食は県内の新鮮な山と海の幸をふんだんに使った会席料理を客室で落ち着いていただけます。

自然の中で湯めぐりを満喫できる。新鉛温泉「結びの宿 愛隣館」

多彩な温泉がそろい、どれに入るか迷いそう

奥羽山系の山々を水源とする清流・豊沢川。この渓谷沿いには、松倉温泉、志戸平温泉、渡り温泉、大沢温泉、山の神温泉、鉛温泉、新鉛温泉の7湯が点在しています。 最奥に位置する新鉛温泉は３つ源泉が沸き、その豊富な湯量を生かした「結びの宿 愛隣館」は、敷地内に17の多彩な浴槽を構える一軒宿です。厳選100%かけ流しの陶器風呂や川のせせらぎを聞きながらつかれる岩露天風呂など館内で内湯めぐりが楽しめます。

底から源泉が湧く伝説の立湯でリラックス。鉛温泉「藤三旅館」「心の刻・十三月」

藤三旅館（左上）昭和レトロな木造建築（右）名物の立ち湯、心の刻・十三月（左下）スタイリッシュな客室

新鉛温泉の南にある鉛温泉は開湯600年前といわれ、湧き出る湯に白い猿がつかっていたことから発見されたという伝説が残る湯。この地に建つ「藤三旅館」はこの湧き出す湯を、深さ1.25mの立って入浴する立湯に仕立てた「白猿の湯」が名物。少しぬるめのお湯で、じっくりと体をあたためることができますよ。 また、長期滞在もできる湯治部と旅館部、新設された全室露天風呂付きの別邸「心の刻・十三月」からなり、レトロな木造三階建ての宿舎は、灯りが灯されるとタイムスリップしたかのようなノスタルジックな様相を楽しめます。温泉を楽しみつつ、洋室で過ごしたい方には、別邸「心の刻・十三月」もおすすめです。

とろりとしたかけ流しの美肌の湯にうっとり 山の神温泉「優香苑」「別墅清流館」

優香苑（左上）木のぬくもりを感じられるロビー（左下）清流のせせらぎを聴きながら浸かれる露天風呂、別墅清流館（右上・右下）源泉かけ流しの風呂を備えた客室と広々したテラスでゆったりできる

花巻の奥座敷、花巻南温泉峡の少し奥まった地に位置する山の神温泉は、山の神様を祀る「山祇神社」が名前の由縁といわれる湯です。この温泉地の一軒宿「優香苑」は、4種の源泉を贅沢に使用した源泉掛け流しの天然温泉が自慢。湯の花が浮くとろりとしたお湯は、じんわりと体を温めてくれ、肌が潤っていくのを感じられます。このお宿もう一つの魅力が、宮大工が丹念に仕上げた客室。巧の技が随所に光る贅沢な空間は、すべてが調和され、思わず時を忘れそうになる居心地の良さです。 また、2020年にオープンした別館の「別墅清流館」は、全ての客室に源泉かけ流しの浴室付き。日頃の喧騒を忘れて、ゆったりとした時間に身をゆだねられますよ。

個性が光る外湯めぐりを。大沢温泉「山水閣」「湯治屋」

湯治屋（左上・右上）昔から変わらない風情を残す、山水閣（左下）男女別の半露天風呂「豊沢の湯」（右下）高級感のあるたたずまい

この温泉街の中間地点にある大沢温泉は、和風情緒のある旅館「山水閣」と情緒のある「湯治屋」の２棟から構成される宮沢賢治や高村光太郎が幾度となく訪れた名湯です。「湯治屋」にある豊沢川を望む大露天風呂をはじめ、高級感ただよう「山水閣」の大浴場など趣の異なる湯舟の湯めぐりができます。 200年前の建物を残す湯治屋は、どこか懐かしい風情がただよい、素朴であたたかみのある独特の雰囲気を味わうことができます。館内には朝昼晩、料理をいただける食事処もありますが、自分の好きなものを気ままに食べられる自炊に挑戦してみるのもおすすめです。

おこもりしたくなる隠れ家宿。志戸平温泉「游泉 志だて」

ホテル志戸平（左上）眺望の良い地に建つ、游泉 志だて（左下・右下）心地よく過ごせる空間、（右上）滋味深い味わいの料理が並ぶ

大沢温泉からの南、志戸平温泉は、3つの源泉と18種類のお風呂が楽しめるファミリーに人気なリゾートホテル「ホテル志戸平」、"大人のためのリゾート旅館"がコンセプトの別館「游泉 志だて」の２つの宿泊施設が建っています。 平成18年に開業した「游泉 志だて」は、テーマの異なる露天風呂付きの4種類の客室が人気の高級旅館。座り心地の良い調度品が配された渓谷美を堪能できるロビーや、じっくり料理を味わえる個室ダイニングなど、プライベート空間が演出されているので、非日常に浸りたい方や大切な人と時間を過ごしたい方にもぴったりです。

花巻12湯へのアクセス

花巻温泉郷へのアクセスは、JR東北本線花巻駅と新幹線が止まるJR新花巻駅から各温泉宿を結ぶ宿泊者限定の無料シャトルバスのご利用が便利です。予約が必要な旅館、運行スケジュールが変わる場合もあるので、事前に各旅館にご確認ください。

東北デスティネーションキャンペーン inいわて花巻

東北6県の自治体や観光関係者とJR6社などが一体となって行う大型の観光キャンペーン期間2021年4月1日(木)～9月30日(木)に東北6県の魅力を伝える各種イベントが催されます。 花巻エリアでは、宮沢賢治の有名な詩「雨ニモマケズ」の実物の手帳が公開されたり、童話村の森ライトアップなど、宮沢賢治にまつわる特別な催しが予定されています。その他にも、花巻温泉郷バラ園が入場無料や田んぼアートも実施されます。

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ガイドと歩く宮沢賢治作品ゆかりの地めぐり

また、宮沢賢治のことをじっくり知りたい方は、岩手県花巻市出身の偉人、宮沢賢治や童話作品ゆかりの地を地元ガイドさんと一緒に散策するツアーがおすすめです。JR花巻駅から約2kmの散策で、参加特典として街中で使えるクーポン券をもらえます。ツアー参加後は花巻名物わんこそばや賢治さんが設計した花壇を見ながらのティータイムなどゆったりとした花巻じかんを過ごせますよ。

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＊＊＊ いかがでしたか？ のんびりと美しい世界が広がる花巻と自然のなかで温泉を満喫できる花巻12湯で、日常を忘れて、こころと体を整える時間を過ごしてみてくださいね。東北ディスティネーションキャンペーンに合わせて、楽しいイベントもたくさんありますよ。