澄み渡る空と爽やかな風の中に見つけた 沖縄の原風景を探す旅
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澄み渡る空と爽やかな風の中に見つけた 沖縄の原風景を探す旅

日本にいながら異国にいるような気分を味わえる沖縄。その背景には独立した国家・琉球王国として栄えた歴史があります。沖縄の昔懐かしい原風景を追いかけたら、この地を愛する沖縄人“うちなーんちゅ”と、独特のカルチャーに惚れ込んだ移住者たちが見えてきました。彼らが紡ぐ古き良きものに触れながら、いつもと違うレトロな沖縄を旅してみませんか?

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琉球王朝時代に迷い込んだような石畳道を歩く

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日本の道100選にも選ばれた錦城町石畳道

沖縄の朝は爽やかな光の中から始まります。抜けるような青空に誘われて早起きしたら那覇市錦城町にある「錦城町石畳道」へ出かけましょう。琉球石灰岩が敷かれたこの道は、16世紀に首里城から南部へ行くための幹線道路、「真珠道(マダミチ)」として造られたもの。当時は総延長10kmにも及ぶ長さがありましたが、第二次世界大戦の地上戦で損失したため、現在残っているのは300m。大小の石を組み合わせモザイクのように敷き詰められた乱れ敷きの道は、時空を飛び越え先人が作り上げたアートを眺めているかのような、なんとも言えない味わい深さがあります。

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突如、森のような空間が開けている

石畳道から少し逸れた道を進むと、深い森の中に迷い込んだような、「内金城嶽(うちかなぐすくだき)」があります。この場所を守るように生い茂る首里金城の大アカギは樹齢300年以上と言われており、畏怖の念を抱かずにはいられない自然界に潜む霊気を感じ取れます。旧暦の6月15日に、このアカギに神が降りてきて、1つだけお願いを打ち明けると叶えてくれると言い伝えが残っているのだとか。

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気持ちのよい光の中お散歩する猫

遥かな歴史に思いを馳せ歩いていると、石畳道のその先が遠い過去とつながっているような錯覚を起こしてしまいます。道中に出会った美しい蝶や花、のんびりと散歩する猫など、目に飛び込んでくるものすべてがタイムスリップしたような、素晴らしい旅の思い出になってくれるはず。

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首里金城町石畳道

シュリキンジョウチョウイシダタミミチ

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琉球家屋の重厚な歴史を感じながら、本格ソーキそばをいただく

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店名である「しむじょう」は、屋敷の屋号

樹齢100年以上の木々と古い石垣に囲まれた「しむじょう」は、登録有形文化財に指定された築150年余りの琉球古民家。沖縄の人々の古来の生活を今に伝える建物として重要な役割を担っています。小高い丘の上にある家には爽やかな風が通り抜けていき、畳の上でくつろぎながら庭を眺めていると、遠い昔の風景を見ているような、不思議な感覚に襲われます。

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さっぱりとした味の透明感のあるスープ。本ソーキそばは900円

貴重な建物の中でいただけるのは本ソーキそば。スープは3日間かけ徹底的に豚骨の油を取り除くことで、すっきり澄み切った味に整えているそう。もっちりとしてコシのある麺が絡み合うと、箸が止まらぬおいしさに。柔らかくジューシーな豚肉の甘みもさらりとした汁に溶け込み、アクセントの生姜が効いています。忘れられない沖縄の味として思い出に残りそう。

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どこから庭を見渡しても、豊かな木花に包まれている。古来の沖縄の池の形を留めていると言われる庭の一角も必見 赤瓦の屋根の上から、訪れる人々を見下ろすシーサー

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しむじょう

シムジョウ

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沖縄県那覇市首里末吉町2丁目124−2

clock-icon11:00〜14:30(売り切れ次第終了)
pin-icon火、水曜
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八角の塔の美術館へ、華やかな漆塗りの世界を覗きに

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木々の合間から、茶色い外壁の塔が見えてくる

沖縄の魅力をもっと深く掘り下げるなら、美術館への立ち寄りもおすすめ。1990年に開館した県内初の公立博物館・浦添市美術館は、その建築美が見ごと。建築家・内井昭蔵氏によるテーマは「塔と回廊による構造」。四角形の土台と正八角形の屋根が組み合わされ、整然としながらも強い存在感を放っています。どこかヨーロッパの古都のような雰囲気も。見どころは繊細な仕事が光る琉球漆器の展示。直接漆器に触れることができるコーナーもあり、琉球・沖縄の漆器独特の世界観を体感できる施設です。

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貴重な収蔵品を眺めながら芸術の贅沢を 作品:朱漆山水人物箔絵東道盆(しゅうるしさんすいじんぶつはくえトゥンダーブン)

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浦添市美術館

ウラソエシビジュツカン

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沖縄県浦添市仲間1丁目9-2

clock-icon9:30~17:00(金曜日は19:00まで。入館は閉館の30分前まで)。
pin-icon月曜(ただし祝日は開館)
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「沖縄」で「和菓子」という意外な取り合わせ

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どら焼きは1個160円、豆大福は1個190円。イートインで提供される抹茶とともにいただける

独自の食文化が根付く沖縄では、甘いものと言えば伝統菓子です。そんな概念を覆すように美味しい和の生菓子が買えるお店がオープンしました。洗練された白い外観に引き寄せられて、和菓子屋「羊羊」は地元で人気店に。北中城村にあるベーカリーショップ「プラウマンズランチベーカリー」を営む屋部龍馬さんと、実家が岐阜で和菓子店を営んでいたという「株式会社机」デザイナーの武山忠司さんのお店です。感度の高い沖縄内外のお客がひっきりなしに訪れ、午前中の間に完売してしまうことも珍しくありません。

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色の取り合わせが美しいあんみつは850円

オープン当初からの看板商品は、あんこの甘みを引き立てる塩豆と弾力のある皮のバランスが絶妙の「豆大福」と、ふっくらした手焼きの生地に沖縄県産の砂糖を使った「どら焼き」です。どら焼きの生地には黒糖含めた3種類の砂糖をブレンドし、餡はきび砂糖と三温糖でさらりとした甘みに整えてあります。どら焼き餡の他、大福餡、おはぎ餡、こし餡と、全部で4種類の餡を製造し、お菓子によって使い分けています。

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あんこを使ったお菓子はもちろん、シークワーサーやよもぎなど、沖縄の素材を使った日持ちのする干菓子をお土産に

イートインでいただけるあんみつは上品ないでたち。甘すぎない餡は、つるりとした白玉といただくことで上品な味わいに。クリーミーなアイスクリームに黒蜜の香ばしい甘みが混じり合い、赤えんどう豆の塩見が大人好みのエッセンスに。食べるのがもったいないような、癒しのデザートに出会うことができました。

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羊羊 YOYO AN FACTORY

ヨウヨウアンファクトリー

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沖縄県中頭郡北中城村字喜舎場366

clock-icon10:00〜16:00(イートインラストオーダー 15:00)
pin-icon無休
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素朴でかわいい琉球石灰岩の手彫りシーサーをおみやげに

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ゴツゴツとした質感と丸みある形、とぼけたような表情が特徴的

沖縄の人気店の軒先にたびたび飾られているのが、スタジオde-jinの琉球石灰岩を使った手彫りのシーサーです。ころんとした丸くて愛らしいシーサーたちを生み出しているのは、作家の若山大地さん。沖縄県立芸術大学で彫刻を学んだあと同じ大学出身の友人に石獅子の存在を教えてもらい、石獅子の歴史を辿りながら制作を始めたのだとか。

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どちらも温もりを感じる色

若山さんがモデルにするのは古来から人々の暮らしを守ってきた“村落シーサー”。「沖縄の庶民が、家族や集落の人のための幸せや繁栄を願い作っていた」ことがシーサーの何よりの魅力だと言います。どれひとつとして同じものがなく、肩の力を抜いてくれる素朴でほっこりした表情が、持ち主の心を解きほぐします。現在使用している石灰岩は2種類だそうで、白(右)が勝連(かつれん)で採れる“勝連トラバーチン”、茶色(左)港川で採れる“粟石”(あわいし)。ともにインテリアになじむ淡い色合いで、現代の人々の暮らしにもすんなりと溶け込んでくれそうです。

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制作途中のシーサー。これからどんな表情になるのかが楽しみになる

お店に併設されている工房を特別に見学させてもらいました。言うならばシーサー誕生の部屋。若山さんの作品を家や店に置きたいと、今日も次から次へと制作依頼が舞い込みます。

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おにぎりやかまぼこなど、ユニークなモチーフの琉球石灰岩オブジェも

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スタジオde-jin

スタジオデージン

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沖縄県那覇市首里汀良町1-2 1F

clock-icon日曜(不定休)
pin-icon10:00~18:00
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琉球ならではの食文化、ゆし豆腐でゆったり身体にやさしいごはん

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あおさとかつおぶしのトッピング海の香りを添えて。

「とうふ屋Beans」で提供されるのは、とろけるように柔らかいおぼろ豆腐の食感に似た“ゆし豆腐”。その日の朝に仕込んだ新鮮なとうふは、クセがなくまろやかな舌触りでいくらでも食べられてしまいます。

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その日作られた新鮮な豆腐だけを提供。自家製ゆし豆腐定食は600円。副菜にもふんだんに豆腐が使われている

スタンダードなメニューが食べたいなら、彩り豊かな5種の小鉢がつく「自家製ゆし豆腐定食」のオーダーを。だし汁のあっさりした塩味が身体に染み入り口の中に運ぶたび、舌の上でとろけていきます。素材は豆乳とにがりのみのというシンプルなもの。豆腐が固まる直前のほろほろした状態で仕上げることで、ふんわりとしてやわらかい食べ応えになるのです。

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チーズとトマトのコラボレーションをお試しを。トマトチーズゆし豆腐600円

昔ながらのシンプルなゆし豆腐だけでなく、味の変化が楽しいアレンジメニューも豊富。トマトチーズゆし豆腐は、ランチタイムにやってくる地元の大学生や近所の人々にも人気。酸味のあるトマトソースにとろりとしたモッツァレラチーズは相性抜群で、ほのかな甘みと苦みを添えるバジルの香りもアクセントになっています。

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とうふ家 Beans

とうふや ビーンズ

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沖縄県那覇市首里当蔵町2丁目15-24

clock-icon11:00〜18:00(売り切れ次第終了)
pin-icon木曜日

今と昔が交差する沖縄の旅。時間軸が巻き戻し琉球王国を眺めてみたら、歴史が教えてくれた新しい発見がありました。この場所の人々の温もりと、豊かな暮らしを肌で感じてみませんか?

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