緑に包まれた山の中にある、のどかな牧場へ

ぽかぽかの陽気に包まれてお食事タイム

「森林ノ牧場」は、「田舎での暮らしを作る」ことをめざし、森林の循環や地域活性につながるサステナブルな酪農経営に取り組んでいます。訪れたのは、ちょうど朝の搾乳が終わり放牧がはじまる時間。山の牧草地でむしゃむしゃと青草を食む、元気な牛たちに出会うことができました。

山の斜面にある放牧地でのびのびと過ごす牛たち

代表の山川将弘さんと牛のレラ

ことみ、ひろこ、レラ、モナ、つらら…。よく見ると、1頭1頭みんなに名前が付けられています。それは、代表の山川将弘さんが牛それぞれの個性を大切にしているから。せっかちなタイプがいればのんびり屋もいる。勝手気ままの自由な放牧スタイルで、牛たちはのびのびと育っていきます。

季節ごとに風味が変化するバターは、那須の自然そのままの味

「発酵バター」（各1620円）。イエローのパッケージは有塩、ブルーは食塩不使用

飼育しているのは、日本にたった0.7%しかいないという希少なジャージー牛。濃厚でコクのある生乳がとれるといいます。そのミルクから分離した生クリームを一晩じっくり乳酸菌で発酵させることで、生み出されるのが牧場自慢のクラフトバターです。

芳醇な香りとほどよい酸味が魅力。パンにたっぷり塗って召しあがれ

牛たちの食事によって乳脂肪の成分が変わるため、青草をふんだんに食べる春から秋のバターは真っ黄色で香りが高く、越冬飼料を食べる冬のバターは白っぽくてコクが強いそうです。まさに、那須の自然がもたらす味。クリーミーなのに重くなく、口溶けも爽やかなため、「そのまま食べたくなる」というのも頷けます。

那須のおみやげに、ジャージー牛乳を使った乳製品を

左から「しぼるヨーグルト（砂糖不使用、加糖）」（各750円）、「森林ノ牛乳」（650円）、「カチョカバロチーズ」（1400円）

もちろん、バター以外の乳製品も豊富にそろいます。「森林ノ牛乳」は、濃厚でコクのあるジャージー牛乳本来の甘さとさらりとした後味を持つ、搾りたてに近い風味の牛乳。蓋をあけると牛乳の上においしいクリームが浮かぶのが特徴です。

ネコのきっちゃんも牧場のミルクが大好き

使いやすくて衛生的なチューブタイプの「しぼるヨーグルト」や、コロンとした丸型の形状がキュートな「カチョカバロチーズ」は、そのまま食べても料理に使ってもおいしい。上品な甘さとコクが自慢のアイスも人気商品です。

牧場を見学した後は、併設のカフェでひと休み

乳製品やオリジナルグッズを購入できるストア。併設のカフェでは牧場の乳製品を使ったメニューを味わえる

こだわりの乳製品は牧場内のストアのほか、那須エリアの中心地にあるソフトクリーム屋さん「SOFTCREAM STAND」や、JR黒磯駅に誕生した図書館みるる内のカフェ「モリコーネ」で購入できます。 「多くの人に放牧風景を見てほしい」という山川さんの思いから、牧場は基本的に自由入場制で入場料などもありません。ピクニック気分で訪れるもよし、併設のカフェで乳製品を使ったスイーツを味わうもよし。せわしない日常を忘れ、ここに暮らす牛たちと同じようにリラックスして過ごしませんか。

カフェで1番人気のソフトクリーム450円。濃厚な味わいに驚いて

「ことりっぷマガジン春号　Vol.28」では、「森林ノ牧場」のほかにも那須エリアの素敵なスポットを多数紹介しています。芽吹いたばかりの草花、愛らしい動物たち、心ときめくアートやスイーツ。思わずパチリと写真を撮りたくなる、特別な出会いが待っています。ぜひご覧ください。