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2021.06.16
松本の朝は「栞日」のモーニングからスタート。1度食べたら忘れられない絶品トーストを味わってみませんか?
国宝・松本城があり、古くから城下町として栄えた長野県松本市。民藝やクラフトの街としても知られ、雑貨ショップめぐりも楽しい人気のエリアです。そんな松本を旅するならぜひ訪れてほしいのが、カフェを併設したリトルプレス専門書店の「栞日」。早朝のカフェでゆっくりと絶品トーストを味わえば、ステキな1日が始められそうですよ。
地元の人も観光客も。本を見ながらくつろげるカフェ
外観は古い電気屋さんのまま
JR松本駅から歩いて約10分、あがたの森通り沿いに「高橋ラジオ商会」の看板を見つけたら、そこが「栞日」です。もと電気屋さんだった建物の中は、古材を用いてリノベーションされた温かみのある空間。入口の近くに鎮座するドイツ製の大きな活版印刷機が出迎えてくれます。
入り口正面のカウンターで注文して、1階か2階の席へ
2階建ての店内はブックショップ兼カフェになっています。一般の書店ではあまり見ることのない個性的なリトルプレスやアートブック、絵本など、約1500冊あるという本や雑誌は、店主の菊地さんが独自にセレクト。取り次ぎを介さずに、版元や著者本人と直接取引して揃えているものがほとんどです。
2階は壁一面が本棚になっている
2階に上がると、天井まで届く壁一面の本棚が目に飛び込んできます。本棚の前は、ヴィンテージのテーブルやソファが置かれたカフェスペースになっていて、コーヒーを飲みながら気になる本を手に取ることができます。 バラエティに富んだ本のラインナップの中には、各地で作られている手作りの地方誌も。まだ訪れたことのない地域の雑誌を眺めていると、旅したい気持ちがふつふつと湧いてきます。 また、2階には雑貨コーナーもあって、ノートやポストカードなどのほか、ドリッパーやキャニスターなど、お店でも使用しているコーヒーまわりの道具も販売しています。
シンプルだけど、たまらなくおいしいトースト
アップルシナモントースト500円、カフェオレ550円。ドリンクはトーストと一緒にオーダーすると朝なら300円引き、11:00以降は100円引きに
「地元の人や観光客に朝の松本を楽しんでほしい」と、お店は朝7時からオープンしています。ちょっと早起きして、散歩がてら栞日まで歩いてきたら、ぜひ味わってほしいのがこちらの絶品トーストです。 京都・金網つじの焼き網を使い、直火でじっくりと焼くトーストは外はカリッとして香ばしく、中はしっとり。噛むごとに発酵バターやジャムがジュワッと口に広がります。食パンやハチミツ、りんごジャムはすべて地元産。加えて、木製のパン皿も市内に工房を構える大久保ハウス木工舎の作品です。 トーストは、シンプルな「バタートースト」(350円)や自家製のあんこを塗った「あんバタートースト」(500円)など全7種類。フードはほかにキーマカレーやチーズケーキなどの焼き菓子があり、朝7時のオープンから閉店時間まで注文可能です。
素朴な焼き菓子や地元の加工品はおみやげにも
(左上)トーストは直火で1枚ずつじっくり焼き上げる(左下)プレーンドーナツ150円、プレーンスコーン300円など(右上)コーヒー豆は100gで770円(右下)トーストに使われているハチミツ1640円〜やりんごジャム594円も購入できる
栞日は焼き菓子の種類も豊富です。レジ横のショーケースにはおいしそうなドーナツやスコーン、クッキーやガレットなどの焼き菓子がずらり。なかでも人気のシナモンドーナツは、カリっとした食感と甘さを抑えた素朴な味わいがクセになります。 レジ横のカウンターでは、焼き菓子のほかお店で使用しているジャムなどの加工品やコーヒー豆なども販売。カフェでも飲める香り高いコーヒーは、京都・オオヤコーヒ焙煎所の豆を使用した深煎りと浅煎りの2種類を提供しています。
(左)1階に置かれたドイツ・ハイデルベルク社製の活版印刷機(右)地元の詩人ウチダゴウさんの作品も
お店の斜め向かいに「菊の湯」という昔ながらの銭湯があるのですが、ここも栞日が運営しています。閉業が予定されていた銭湯の経営を引き継ぎ、リノベーションをして2020年秋にリニューアルオープンしました。 地元の人や登山客にも親しまれてきたという「菊の湯」でのんびりと旅の疲れを癒すのも、松本でのいい思い出になりそうですね。
栞日
シオリビ
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小野澤啓子 写真:清水ちえみ
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