『崖の上のポニョ』の舞台・広島県鞆の浦で、ノスタルジックなお店巡り

広島県福山駅からバスでのんびり30分、かつて「潮待ちの港」として栄えた風情ある町並みが残る鞆の浦（とものうら）を訪ねました。こちらは、スタジオジブリの作品『崖の上のポニョ』の舞台にもなり、宮崎駿監督が２カ月もの間滞在したことでも有名です。潮の香りが漂い小さな漁船が並ぶ入り江周辺や、歴史的建造物が連なる通りを歩いているとまるでタイムスリップしたような感覚になりますよ。

見渡す限りの水平線と窯焼きピザを「ナッティ」で楽しんで

小エビやマダコなど地元で獲れた新鮮な食材を惜しげもなく使う瀬戸内魚貝のジェノベーゼ1200円。プラス500円でサラダドリンクセットにも

鞆の浦の中心部から車で10 分の小室浜海水浴場にある、窯焼きピザが評判のカフェ。「旬の食材を使った料理と、ここにしかない空間を楽しんでもらいたい」との店主・田中幸治さんの思いで、福山市神辺町から2015年1月に移転しました。地元の朝市で仕入れる魚貝と野菜を使用したボリュームのあるピザは、わざわざ足を運びたくなるおいしさです。

ピザは高温の窯で手際よく焼き上げられる

○Beach Cafe KITCHEN NATTY（ビーチカフェキッチンナッティ） [住所]広島県福山市鞆町後地2693-2小室浜海水浴場 [TEL] 084-982-3710 [時間]11:30 ～18:00 [休]月・火曜（夏季は不定休）

歴史的な建物をリノベした鞆の浦のシンボル「御舟宿いろは」

宿泊客しか入れない2階には宮崎監督のスケッチ画を再現したステンドグラスが

1867（慶応3）年のいろは丸事件で坂本龍馬と紀州藩が談判した旧町役人・魚屋萬蔵宅を改築した旅館＆喫茶。NPO団体によるプロジェクトで再生を遂げ、修復中、鞆の浦に滞在していた宮崎駿監督が訪れ、スケッチ画を描き残すなどの交流があったとか。喫茶室では若き料理長による地元食材を使った自慢のメニューや自家焙煎コーヒーが味わえます。

喫茶スペースでいただける鯛いろは漬け御膳（1400円）は、始めに鯛をごはんにのせ、〆に出汁をかけて鯛茶漬けで召し上がれ

宿泊は最大3組限定と、少し特別感がある

御舟宿いろは [住所]広島県福山市鞆町鞆670 [TEL] 084-982-1920 [時間]11:00 ～16:00（食事は11:00 ～15:00）、宿泊はIN15:00 OUT10:00 [休]火曜 [料金]1泊朝食付10260円～、1泊2食付18900円～ [URL]http://www.vesta.dti.ne.jp/npo-tomo/iroha/index.html

生薬香るみたらし団子が味わえる「カヤッカーズカフェ」

.保命酒入りみたらし団子（300 円）。丁寧に特製ダレを付けてくれる

国の重要文化財に指定されている太田家住宅。その前の通りにある、オリジナルのみたらし団子が有名なカフェ。こんがりと焼いた大きな団子は、伝統の薬味酒「保命酒」をブレンドした特製甘ダレで味つけ。和ハーブの香りがよく、食べると体を温める効果もあるのだとか。気さくな店主・村上泰弘さんとの会話も楽しく、地元の歴史など、鞆の浦の情報をいろいろと教えてくれますよ。