203
2022.02.20
京都・伏見の桃源郷、春の訪れを告げる「城南宮」のしだれ梅と椿にうっとり
春の足音が聞こえる季節になりました。春の花のトップバッターといえば梅。数ある梅の名所のなかでも、京都らしい「雅」を感じられるのが伏見の「城南宮」です。2月下旬から3月中旬には150本のしだれ梅と400本の椿が咲き揃い、夢のような世界が広がります。また、それと前後する時期には「しだれ梅と椿まつり」も開催。さっそく、城南宮の春色に包まれた庭園を訪れてみましょう。
平安京の南に国と都の守護神として創建

朱色の城南鳥居をくぐって境内へ
城南宮へは京都駅八条口からバスで約30分の城南宮で下車。北へ向かい、すぐ右手の石の鳥居をくぐり参道に沿って進むと、朱色の鳥居が迎えてくれます。 バスは1時間に1本と本数が少ないので、地下鉄を利用して竹田駅から約20分歩く方法もあります。京都の中心から少し離れていますが、平安時代に、都の南で国と都を守護するために創建されたという歴史を知れば納得ですね。
歴史の舞台としても知られる社

現代では交通安全や車のお祓いを祈願する人が多い
城南宮は、古くから「方除(ほうよけ)」の御利益で信仰を集めています。知らずに悪い方向へ行ったり、家の間取りが良くなかったり、そのような心配がないようにと願いを聞き入れ、守ってくださる神様です。 また、歴史上の事件が起こった地としても注目しましょう。今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、小栗旬さん演じる北条義時を快く思わない後鳥羽上皇が「義時を討て!」と兵を挙げた事件、つまり「承久の乱」勃発の地でもあるんです。
春色に染まる「源氏物語 花の庭」へ♪
古典椿の一種「有楽」
社殿を取り囲むように広がる神苑は5つの庭からなり、80種以上の源氏物語に登場する植物が植栽保存されることから「源氏物語 花の庭」とも呼ばれます。 城南鳥居の左手にある神苑の入口から庭に足を踏み入れると細い小径。その両脇には、江戸時代に品種改良されたという古典椿の数々。 花の姿もさることながら、「光源氏」「乙女椿」などのネーミングも素敵です。「有楽(うらく)」は、ハッとするようなピンクが目をひきますね。
「春の山」のしだれ梅と椿まつり

梅林の落ち椿は、早春の城南宮を代表する風景
椿の小径を抜けると広がるのが「春の山」。この辺りは、平安時代後期に営まれた鳥羽離宮の遺構と伝わる由緒ある場所だそう。濃淡さまざまなしだれ梅が枝いっぱいに花を付けています。 とくに見逃せないのは、しだれ梅と苔にぽつりぽつりと落ちる椿の競演。梅の薄紅色、苔の緑、椿の赤のコンビネーションにうっとりします。
梅の小枝でさえずるメジロ
さらに、春爛漫の梅にはかわいらしいお客さんも。ウグイス・・・ではなくメジロです。花の蜜を求めて城南宮にやってきます。はらりはらりと優雅に揺れる梅の枝に目を凝らして、ぜひことりを見つけてくださいね。 「春の山」を後にしたら、苔の美しい「平安の庭」、本格的な春にはツツジや藤で彩られる「室町の庭」、広々とした芝生が広がる「桃山の庭」、枯山水の「城南離宮の庭」をめぐってみましょう。
しだれ梅にちなんだ御朱印帳も

「朱印帳(朱印帳と栞のセット)」(各1500円)
しだれ梅と椿まつり期間には、「願いが花咲きますように」との思いを込めて、梅と椿の押印があしらわれた期間限定の御朱印も授与されます。 また、友禅和紙を使った御朱印帳はクリーム色とピンク色の2種類。しだれ梅がはんなりと表紙を飾る京都らしいデザインが素敵です。 四季を通じて華やぎを見せる城南宮の神苑。なかでも、春の息吹を感じられるしだれ梅の美しさは格別です。春の京都でわざわざ訪れたい庭園のひとつですね。
【しだれ梅と椿まつり】
期 間:2022年2月18日(金)~3月22日(火)
拝観料:800円
城南宮
ジョウナングウ
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。
戸塚 江里子
の人気記事
















































