国宝寺院をめぐりながら、地元のクラフトやおいしいものに触れる富山・高岡の旅
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国宝寺院をめぐりながら、地元のクラフトやおいしいものに触れる富山・高岡の旅

富山県第二の都市、高岡(たかおか)市。銅器製造で国内シェア90%を占めることから鋳物の町としても知られ、ものづくりを中心に栄えてきた歴史ある町です。古くは鍋や農具など日用品を主体に生産していましたが、次第に梵鐘や大仏などの仏具生産に転換していった経緯があり、寺社仏閣は高岡クラフトに大きな影響をもたらしたとも言われています。 そんな地元のものづくりの原点とも言える寺院をめぐりながら、魅力あふれる食や工芸に触れる旅にでかけてみませんか。2022年には新たな国宝寺院が誕生し、二つの国宝建造物を持つ北陸唯一の市となった、今注目の高岡をご案内します。

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美しい佇まいの「瑞龍寺」で静かな朝を迎える

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総重量47トンにも及ぶ凛々しい鉛瓦の屋根をもつ仏殿

1997年に高岡で初めて国宝に指定された「瑞龍寺(ずいりゅうじ)」。加賀前田家2代当主前田利長を弔うため建立された曹洞宗寺院で、回廊で結ばれた特徴的な伽藍が荘厳な空気を醸し出しています。総門・山門・仏殿・法堂を一直線に配し、左右に広がるのは丁寧に手入れをされた白砂利や芝生。参道と並行にのびる砂紋の美しさは圧巻です。 3代・利常が、利長の33回忌に合わせて行った瑞龍寺の建立。その棟梁に任命されたのが、前田家お抱え大工だった名匠・山上善右衛門嘉広でした。典型的な禅宗寺院建築は現代においても貴重な存在です。

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(左上)銅板葺き屋根が印象的 な法堂(左下)複雑な組物に圧倒される仏殿天井(右上)光が差し込む長い回廊(右下)金沢でのみ産出される戸室石を全面に配した参道

旅の予定が日曜日ならば、毎週開催される瑞龍寺の早朝坐禅会に参加していつもより少し早く一日を始めてみては。日の出前の空を見上げながら参道を通ると、しっとりとした朝の空気に背筋が伸びるはず。坐禅を終えると外も白んでくる頃。朝の静かな高岡をぶらり歩きながら、日中とは違う様子の町を散策してみましょう。

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鋳物メーカー「能作」本社で高岡クラフトを体験

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約2500枚の木型を収納する「見せる倉庫」が来館者を迎えるエントランス。床には真鍮製の日本地図が

1916年に創業した鋳物メーカー「能作(のうさく)」の本社では、工場見学ができる他、ギャラリーやカフェ、ショップも併設するなど鋳物を様々な視点から楽しめるコンテンツがいっぱいです。中でもおすすめは、型からつくる鋳物の製作体験。ぐい吞やトレー、子どもでも簡単に製作できる箸置きなど8種類から選ぶことができ、粒子の細かい砂を押し固めて鋳型をつくる生型鋳造法という手法で自分だけの錫100%製小物をつくることができます。

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(左上)溶かした錫を型に流し込む(左下)体験で作れるアイテム例(右上)口当たりをよくするためヤスリで削る作業(右下)2つの木枠を重ねて鋳型を作る

体験をした後に工場で働く職人の姿をみれば、その大変さや技術の高さをより一層感じられますよ。工場に漂う独特の香りは、鋳物が製品になる前の金属本来のもの。 ショップやギャラリーで商品を見て手に取ること、カフェで錫の器を使って食を楽しむことなど、五感で高岡の文化を体感でき、まるで鋳物のテーマパークのよう。洗練された表現で魅力を発信し次世代に伝統文化をつなげたい、そんな「能作」の想いが感じられます。

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(左)館内のカフェ「IMONO KITCHEN」で味わえる能作の人気商品「KAGO」をイメージしたアップルパイ1500円(2023年4月より価格改定予定)。器は全て錫製(右上)職人の技を目の前で感じられる工場見学(右下)素材の質感や職人の手仕事、錫製品の音色などを体感できるギャラリー

能作

ノウサク

clock-icon10:00~18:00
pin-iconなし(工場見学は日曜、祝日休業。土曜は月により変動)
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小さなコンテナ村の「おべんとうカフェ にじのこや」で彩り豊かなお弁当をいただく

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(左)「勝興寺の七不思議弁当」900円(右上)「ふしき坂ノ上ヴィレッヂ」には同店の他、ガラス工房や駄菓子店が出店(右下)愛らしい店舗サイン

近年注目の富山湾に面した伏木(ふしき)エリア。観光名所である勝興寺の参道を歩くと、ふいにコンテナが集まった村「ふしき坂ノ上ヴィレッヂ」が現れます。その一番奥が、村の代表でもある牧野友香さんの店「おべんとうカフェ にじのこや」です。 お弁当は作り置きをせず、注文が入ってから作るスタイル。黒板には選べるメインメニューやドリンクの名がずらりと並びます。勝興寺の逸話にちなみ7種類のおかずが入った「勝興寺の七不思議弁当」は、富山の版画作家・西藤博之さんの題字をプリントしたパッケージもインパクト大。地元の商店や直売所で購入した食材でつくる彩り豊かなお弁当は、食べる前から心躍ります。

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(左上)厨房に続く小さな小窓でやりとりをする牧野さん(左下)付き合いのある菓子店の委託販売も(右)自家製シロップでつくる「いちごソーダ」300円

元々この場所も「地元でおもしろいことがしたい」と始め、今では店の運営やヴィレッジの管理だけでなく、イベントの開催といった地域のつながりを意識した活動をしている牧野さん。今日もコンテナヴィレッジの東屋やコミュニティスペースには人が集い、牧野さんのつくる地元愛たっぷりのお弁当に舌鼓を打っています。

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新たな国宝に指定された「勝興寺」で華やかな和のしつらえを観覧

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特別公開エリアである本堂内陣の彩色画

2022年12月、富山県2件目の国宝の指定を受けた「勝興寺(しょうこうじ)」。それまで富山唯一の国宝であった「瑞龍寺」に次いでの指定となり、そのどちらもが高岡市内にあるということで、複数の国宝を持つ北陸唯一の市としても話題となりました。 「瑞龍寺」が藩主の菩提寺として高尚な存在であるとすれば、「勝興寺」は民衆のための寺としてつくられており、七不思議を謳うような親しみやすさや巨大ロウソクが鎮座するほどの壮大さがあります。地元では地名から由来する「ふるこはん」の愛称で知られ、現在では約3万平米もの広大な境内を活かしイベントを開催することもあるほど地域に密着した寺院です。

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(左上)奥に進むにつれて豪華になっていく極楽浄土を表した本堂天井(左下)宮大工の遊び心がユニークな埋木の補修跡(右上)壁一面を金箔で仕上げ「金の間」と呼ばれた住職 の居間である奥書院(右下)修理の過程で重ね貼られた壁紙の初期の柄が発見され、現代で手に入る類似の顔料・緑青で色を再現

2021年、23年間に及ぶ「平成の大修理」が完了。院内では修理の様子や内容が展示されているため、そちらと合わせて見て回ることがおすすめです。華やかな造りの中にある宮大工の技術の高さや緻密な再現手法について深く知ることができ、拝観をより楽しむことができますよ。

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(左上)内部とは対照的な落ち着いた本堂外観(左下)飾り金具に使われる天皇家の菊紋(右)寄付を競い合って大きくなったという逸話がある名物の大蝋燭

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家族で営む癒しカフェ「SUNNY COFFEE」で一息

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綿帽子をかぶったような可愛らしい「サニープリン」350円と果肉も楽しめる「レモンエイド」550円

2022年、伏木エリアにオープンした、白を基調とするモダンなカフェ「SUNNY COFFEE(サニーコーヒー)」。30年ほど前に現在の店主である酢谷さんが家族と営んでいた「軽食喫茶サニー」の新たな形としてつくった同店では、当時の味を再現した自家焙煎珈琲が楽しめます。この味を求めて珈琲好きな常連客も増えているそう。 店内で味わえるデザートやテイクアウトも可能な焼き菓子といったスイーツ類は店主の長男が担当。丁寧に作られたパウンドケーキやクッキーなどは手土産にも喜ばれそうです。持ち帰り用の容器には旧サニーの可愛らしいロゴがあしらわれていますよ。

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(左上)次男が友人に頼んでつくってもらったコーヒースタンドをみて旧店舗のサインの可愛らしさに気づいたとか(左下)レジ横にはたくさんの種類の焼き菓子が並ぶ(右)光が差し込む店内

旧サニーのことがずっと心残りだったという酢谷さん。定年を前にしてこの店を始めようと決心したのは、家族の後押しがあったからだとか。店には、インテリアを担当したという長女と共に立ちます。二人が醸し出す家族ならではの温かな雰囲気が、店内の居心地の良さにもつながっているようです。スローな空気が漂う伏木で、街めぐりの休憩に立ち寄ってみては。

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(左)旧店舗のサインが入ったテイクアウト容器(右上)ウッド調のインテリアが空間に溶け込む(右下)以前はタバコ屋さんだったという店舗を改装

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「モメンタムファクトリー・Orii」のショールームで新しいクラフトアイテムをチェック

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(左)「ORII FABRICS」を使ったワンピース(右上、右下)ひとつひとつ表情の違う製品。在庫を見比べて購入していくファンも

高岡銅器の着色を長年手掛けている「モメンタムファクトリー・Orii(オリイ)」。独自の技術を活かした建材や表札などはもちろん、着色を柄として転写したファブリック生地「ORII FABRICS」によるファッション商品など幅広い展開をみせている今注目の企業です。2021年には本社工場横に新しいショールームを開設。同社の商品が一堂に会する唯一の場所であることや、銅器着色の特性上まったく同じ柄はひとつとないことから、遠方から実物を見に訪れるファンも多いといいます。

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(左上)シリーズ「m」のアクセサリー(左下)隣接する工場とショールーム(右上)男女問わず若い世代が多く働く現場(右下)着色体験で作ることができるコースターの銅板

通称“オリイブルー”と呼ばれる独特の青が印象的な扉を開けると、アクセサリーや時計、アートパネルなどがずらり。独自の開発商品はもちろん、様々な企業とのコラボ商品も展示販売しています。ものづくりの町・高岡ならではの旅の思い出としてお気に入りを探してみては。工場では休日限定で着色体験を行っているため、高岡クラフトが体験できる場所として旅の予定に組み込むことも可能です。気になる方は事前に問い合わせを。

モメンタムファクトリー・Orii

モメンタムファクトリーオリイ

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富山県の西部に位置し、クラフト文化が息づく高岡エリア。そのものづくり精神が根付いているからこそ、歴史を重んじながら新たなことに挑戦する、発展が目覚ましい地域でもあるのかもしれません。まだまだ知られざる魅力がいっぱいの富山県高岡市。少し足をのばして、ものづくりの町へ出かけてみませんか?

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高岡市観光ポータルサイト「たかおか道しるべ」

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400年の歴史が息づく高岡市の観光スポット、イベント情報などを紹介しています。 歴史文化・ものづくりのまち高岡へ、ぜひ一度お越しください!

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