
90
2023.12.20
京都よりみちこみち 錦小路通【前編】
「京の台所」と親しまれる錦市場。いつも活気があふれ、小路の両側には長年にわたり京都の食を支えてきた約130の店が所狭しと並びます。お正月を前に、ひときわ賑わう錦市場で京都ならではの味を探してみませんか。

今も湧き出る「錦の水」が育んだ、錦市場400年の歴史

「錦の水」は地下約35mより汲み上げられ、年間を通して17~18℃の水温を保つ。花手水も美しい
390mにもおよぶ長い市場めぐりのスタートは、錦天満宮からがおすすめです。境内には、市場の発展を支えた「錦の水」が尽きることなく湧き、同じ水脈の水を地下水として汲み上げ、使っているお店も多いそう。そして、ふと上を見上げると、天井には錦色のカラフルなアーケードと伊藤若冲のビビッドな絵画が。 通りに目をやると、鮮魚や京野菜、京漬物をはじめ、湯葉、生麩など京都ならではの食材にも出会えます。最近は市場内にもイートインのできる飲食店やカフェが増えてきました。

地域を温かく見護り親しまれる「錦の天神さん」

京都きっての繁華街である新京極通と錦小路通の交差する地にたたずむ「錦天満宮」。主祭神は、学問の神様である菅原道真公。もとは生家の菅原院に創建され、豊臣秀吉の都市計画により約400年前にこの地に移転、現在に至ります。 錦市場をはじめ商店街の移り変わりを見護ってきた「錦の天神さん」として、多くの人々から厚い信仰が寄せられ、親しまれています。

立派な唐破風屋根のついた本殿。境内には四季折々の花が咲き、2~3月にかけては梅も満開に。こんこんと湧き続けるご神水の「錦の水」や、エンジニアでもあった宮司さん設計のハイテクみくじも見どころです。

願いごとをしたためた紙を中に入れて木に奉納する「大願梅」500円
錦天満宮
ニシキテンマングウ

ごはんが劇的においしくなる珍味屋さんのふりかけ

料理のレシピはインスタグラムで公開
長年にわたり酒の肴になるような珍味や海産物などを商ってきた「櫂」。その店頭には、色とりどりのふりかけが並びます。白ごまとかつを節を醤油で味付けした「ごまかつお」を基本に、ゆず胡椒、ガーリックなど8種類が揃い、試食もOK。サラダのトッピングや、麺類の薬味などにも使えるよう、あえて海苔や卵などの具材は入れずにシンプルな味を守っています。 どれにするか迷ったらスタッフに相談を。おすすめの食べ方を教えてくれますよ。

映画『きのう何食べた?』で一躍有名になった「たこたまご」 250~500円(サイズにより異なる)

日々の暮らしで使いたい作家ものの器や道具

「川端滝三郎商店」は今から約110年前、生活用品の問屋として創業したカワタキが営むキッチンショップ。京都やその近郊で活動する作家さんと会い、その仕事を応援したい、もっと多くの人に見てほしいと感じた品々をメインに扱っています。器やカトラリーにシックな色合いのものが多いのは、長く使えるよう柄物は控えているからだそう。シンプルな色と形で、日常使いしやすいものが揃っていますよ。

入口にある作家ごとの代表作が並ぶ棚。ここでチェックして店内へ

信楽焼や丹波焼などの器を使ったテーブルセッティング例
川端滝三郎商店
かわばたたきざぶろうしょうてん
ことりっぷ編集部おすすめ
このエリアのホテル
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。
戸塚江里子 写真:小川康貴 編集:ことりっぷ編集部
の人気記事