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2024.03.30
ケーキの焼きあがりが開店時間♪鎌倉の小町通りでセピア色の光を放つ「カフェ・ロマーノ」
農家から直接仕入れる果物を贅沢に使ったホームメイドケーキでのんびり過ごす「カフェ・ロマーノ」。小町通りにあるとは思えないほど落ちつきのある静かな佇まいは、散策の途中に立ち寄って一息入れるのにおすすめです。鎌倉に看板を掲げてまもなく30年を迎えるとっておきのカフェをご紹介します。
ほんのりと灯りがともる隠れ家のようなカフェ
鎌倉駅から徒歩約5分
ビルの細い階段を登った先にある「カフェ・ロマーノ」。イギリスのパブを思わせるようなドアを開けると落ち着いた照明のクラシカルなカウンターがあり、ネルドリップで淹れるコーヒーや、イタリア製のマシンで抽出したエスプレッソにアートを描いたカフェラテなどを丁寧に仕上げていきます。
カウンターの奥の棚にはリチャードジノリやウェッジウッドなどのカップが並ぶ
以前イギリスに住んでいた頃に紅茶やコーヒーの文化に影響を受けたという店主が開いたカフェです。その後はイタリアのカフェ文化にも興味を持ちミラノなどの主要都市に勉強に出かけ、本場のエスプレッソやティラミスなど様々なスイーツを味わったのだそう。そこで得た経験と細やかな心配りから美味しい一杯を生み出します。
ミルクとコーヒーで2層になった「ラテグラッセ」(850円)
例えば2層からなる冷たい「ラテグラッセ」には、アイスピックで砕いたかちわり氷を浮かべます。ゆるやかに溶けるかち割り氷がミルクとネルドリップで濃く淹れたコーヒーをうまく仲介して、両者がまろやかに混ざり合っていくのだとか。
お母さんの味を目指したホームメイドケーキ
窓の向こうは賑やかな小町通り
店名の「ロマーノ」は、イタリアの古代ローマの広場「フォロ・ロマーノ」に由来しているのだとか。映画『ローマの休日』でオードリ・ヘップバーン演じるアン王女が、新聞記者と出会った場所です。ここでは店主のこだわりの詰まったコーヒーやケーキに出会えます。
シンプルな店内に掛かる『最後の晩餐』
自慢のケーキは厳選した素材を使ってお店で手作りします。そのため開店時間はケーキの焼きあがる12時頃。お母さんが子供につくる優しい味わいのケーキをイメージしたホームメイドです。定番のチーズケーキやガトーショコラのほか季節の果物をふんだんに使うのも特徴で、20年以上付き合いのある長野県小布施の農家から直接買いつけます。ブルーベリーやサクランボ、桃、栗、苺など1年を通して季節感と一緒に味わえますよ。
サクサクとした優しい口あたりのパイ生地にクリームをたっぷり
「カフェラテ」(800円)「苺のミルフィーユ」(1500円)※苺が収穫される4月下旬ごろまでの提供
ボリュームたっぷりの「苺のミルフィーユ」。大きなパイ生地の間にカスタードクリームと濃厚な生クリーム、苺をはさみ、上のパイ生地にはあっさりたした生クリームと苺を惜しみなくトッピングします。パイを直接手に取って、スプーンでクリームをつけながらほおばるのがおすすめです。
オーダーごとに仕上げるできたての美味しさ
しぼりたての3種類のクリームと苺の美味しさを引き立てるのがパイ生地です。自家製のパイ生地は織り込むたびに冷蔵庫で24時間寝かせ、それを3回繰り返し、焼くのは4日目になってから。こうしてじっくりと時間をかけたパイ生地は驚くほどに軽くてサクサク、やさしい口当たりに思わず笑顔になります。
古都でのんびり過ごすおやつの時間
バニラアイスクリームたっぷりの「りんごのタルト」(1300円)「巨峰の紅茶」(850円)
煮詰めたリンゴをタルト生地にのせて焼く「リンゴのケーキ」も、9月の秋映にはじまりその後はフジなど旬を迎えた品種を使います。品種ごとにシャキシャキとした歯ごたえやそれぞれの甘みの違いを味わうのも楽しいところ。
ポットサービスの紅茶
紅茶はブラックティー、ハーブティー、フレーバーティーから選びます。どの紅茶にもほんの少しグラニュー糖を入れて甘くするのがロマーノ流です。 居心地のいいカフェで、のんびりとしたひと時を過ごしてくださいね。
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Writer
高橋茉弓
おやつの時間を何よりも大切にするライター&カメラマン。波の音とカフェがあればそれで幸せ。
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