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2024.03.28
渋谷神宮前にオープン。古き良き喫茶文化を体感できる「喫茶二十世紀」
おしゃれなショップやカフェが集まる表参道や、自然豊かな街並みが続く外苑前エリアから少し離れた場所にある「喫茶二十世紀」。2023年11月にオープンしたこのお店は、古き良き喫茶文化の魅力をそのままに、ナポリタンやクリームソーダ、エチオピアのカファ地方にあるコーヒーの原木から採れる希少なコーヒーが飲めるなど、喫茶店が好きな方には心ときめくメニューがそろいます。インテリアや小物にもこだわった落ち着いた空間でゆっくりと過ごせますよ。
懐かしさとモダンな雰囲気が味わえる喫茶店
台形型のかわいい看板が目印
東京メトロ銀座線「外苑前駅」から徒歩約8分。青山通りから千駄ヶ谷方面に向かって歩いて行くと見える真っ白で小さな建物が「喫茶二十世紀」です。2021年から約2年の歳月をかけ、オープンに向けて準備を進めてきたこのお店をプロデュースするのは、20th Century(トゥエンティース・センチュリー)のメンバー・坂本昌行さん、長野博さん、井ノ原快彦さん。 マスターの吉岡航さんは元音楽ディレクターで、3人とは20年来の旧知の仲。「3人がお店を出店すると決めた時にさまざまな構想がある中、記憶の中に根強く残っているのは子どもの頃に通った喫茶店でした。そんな居心地のよい喫茶店が少しずつ減ってきている現状を寂しく思い、後世まで長く続く喫茶店をやっていきたいと意気投合し、オープンしたのが喫茶二十世紀です。」(吉岡さん)
喫茶店だと気が付かず通り過ぎてしまいそうな小さな入口
入店はオンラインの予約システムで事前にウェブ予約をすることで利用できます。店内へ続く通路にはインテリアのキーポイントになる写真が飾られており、利用する前から懐かしい気持ちに。3台のポケットバイクや自転車が飾ってありユニークな演出にも注目です。
昔懐かしい喫茶店のショーケースに並ぶメニューは全体の一部
名店の喫茶店から譲り受けた家具が並ぶ内装
大テーブルの奥にある黒壁は新宿の劇場「東京グローブ座」の改装前の床をはめ込んでいる
店内のレイアウトは、近未来をイメージしたアーチの形状のカウンター席、少人数でも利用できる座り心地の良いソファ席が並びます。重厚で趣のあるインテリアの数々は、建物の老朽化や高齢による影響でやむを得ず閉店してしまった名店の喫茶店から譲り受け、再活用しています。「事情により無くなったお店もインテリアや小物を置くことで、未来に引き継いでいけたら」(吉岡さん)
大きな窓の外にはアートディレクター森本千絵さんが手掛けたオブジェが展示されている
名店から譲り受けた小物が店内のさりげない場所に点在している
喫茶店ならではの居心地がよい空間をより彩るために音響にもこだわり、JBLのビンテージスピーカーをカスタム。昭和時代の懐かしい曲や時にはマイケルジャクソンの名曲が流れることも。ここでしか聴けないプレイリストの音楽を楽しみながら過ごすことができます。
棚の上にはカスタムしたビンテージスピーカー。棚の左から長野さん、井ノ原さん、坂本さんの小物が飾られている
食べ応えのあるもちもち食感のナポリタン
「喫茶店のナポリタン」(1600円)
お食事から甘いもの、コーヒーと紅茶など30種類以上の豊富なメニューがそろいます。喫茶店の王道メニュー「喫茶店のナポリタン」は、茹でた麺を冷蔵庫で一晩寝かせて翌日味付けして提供。寝かせることでもちもちとした食べ応えのある食感を味わえます。中華鍋で麺を焼き付けて香ばしさをプラスした麺の上には、ウインナー、玉ねぎ、ピーマン、マッシュルームがトッピングされており、具沢山でボリューム満点。まろやかな酸味のトマトソースとの相性がとてもよく、最後まで飽きずにいただける一品です。 最近では、このナポリタンと「メロンクリームソーダ」を合わせるお客さんがとても多いのだそう。ぜひ王道の組み合わせを楽しんでくださいね。
「メロンクリームソーダ」(900円)
出汁がたっぷりしみ込んだあつ焼きのたまごサンド
「あつ焼きのたまごサンド」(1500円)
トーストやサンドイッチを始めとするパンメニューのラインナップも豊富。店長の増本健一さんがおすすめする「あつ焼きのたまごサンド」は、からしバターをぬったパンに出汁がたっぷりしみ込んだ厚焼きたまごを挟んだ関西風のサンドイッチです。 パンは提供前にスチームしているので驚くほどふわふわ。一口食べた瞬間、ほんのり甘さが感じられるパンと出汁がじゅわっとあふれるたまごのやさしい味わいに癒されます。
希釈したブレンドコーヒーで味わうアフォガート
「喫茶二十世紀のアフォガート」(850円)
ボリュームが多い食事メニューを食べた後、食後に少しだけ甘いものが食べたい時には「喫茶二十世紀のアフォガート」を選んでみて。無添加のバニラアイスクリームに3倍希釈した二十世紀ブレンドをかけたデザートです。 一般的なアフォガートは熱々のエスプレッソをかけるところを、常温のリキッドコーヒーで味わうのが喫茶二十世紀流。ほろ苦いコーヒーとコクのある甘さのバニラアイスクリームのバランスが絶妙ですよ。
バニラアイスクリームにかけるコーヒーは別添えて提供される
エチオピアの希少なコーヒーが飲める
「エチオピア MOTHER TREE(Hot)」(1000円)
落ち着いた空間で流れる音楽を聴きながら、ゆっくりとコーヒーが楽しめるのも喫茶店の魅力のひとつ。喫茶二十世紀では「二十世紀ブレンド」、「メロディー」、「エチオピア MOTHER TREE(マザーツリー)」3種類のコーヒーが味わえます。 「MOTHER TREE」は、コーヒーの発祥の地エチオピアのカファ地方にあるアラビカ種の原木の呼び名。そのカファ地方とその周辺地域の自然の中で自生した野生の木から収穫した希少なフォレストコーヒーです。丸みを帯びた口当たりにしっかりとしたコクと酸味が合わさって立体的な味わい。淹れたてはもちろん、温度が下がっても美味しく飲むことができますよ。
日本で初めて「MOTHER TREE」が上陸した時にコーヒー豆が入っていた麻袋
自宅でお店のコーヒーの味を楽しめる
左から「二十世紀ブレンド 200g」(4000円)「メロディ 200g」(5500円)「MOTHER TREE 200g」(6300円)「リキッドコーヒー二十世紀ブレンド」(2500円)
店内で飲んで気に入ったコーヒーがあれば、自宅でもいれられるコーヒー豆やドリップパックを販売をしているので購入してみてはいかが。コーヒー豆は、静岡県沼津市にあるチモトコーヒーで焙煎をしています。 店内でいただける「喫茶二十世紀のアフォガート」に使用しているリキッドコーヒー3倍希釈も販売をしています。アイスクリームにかけるほか、ミルクに入れるだけで簡単にミルクコーヒーを作ることができますよ。
ホットドリンクにはパンの耳で作ったラスクが付いてくる
「喫茶二十世紀」は、コーヒーから食事、インテリアや音響までこだわっており、店内に入った瞬間から昭和時代にタイムスリップしたような気分を味わえます。完全予約制なので、事前にウェブサイトから予約をしてぜひ足を運んでみてくださいね。
席の予約はこちら
喫茶二十世紀
キッサニジュッセイキ
https://kissa-20.com/
毎月1日、日付の変わった0時に翌月1か月分の予約枠を解放。電話での受付不可。
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南森エレナ
Writer
スイーツコンシェルジュ 南森エレナ
テレビ局や大手旅行会社などの勤務を経て雑誌やwebで執筆するライター。カフェめぐりと旅行が趣味
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