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2024.08.09
“のくとまる”風景を求めて♪ 雄大な山岳風景に出会う岐阜・奥飛騨へ
3000m級の山々が連なる中部山岳国立公園。その麓にあたる奥飛騨で北アルプスの絶景を望み、奥飛騨温泉郷の個性豊かな湯に身をまかせ、地元グルメなどの素朴な魅力に触れる。そんな、まさに飛騨地方の言葉で温まるという意味の「のくとまる」ひと時を過ごしてみませんか。
北アルプス一帯を占める、日本で最初の国立公園のひとつ・中部山岳国立公園
圧倒的な大パノラマを望む「新穂高ロープウェイ」
平湯温泉を日帰りで楽しめる「平湯民俗館・平湯の湯」
飛騨山椒とスイーツのコラボが楽しめる「食堂カフェ よつば」
福地温泉で話題の「古民家カフェ 木花木花」は地元素材たっぷりのランチが人気
北アルプス一帯を占める、日本で最初の国立公園のひとつ・中部山岳国立公園
奥飛騨随一の絶景スポットでもある北アルプス大橋からは、笠ヶ岳など北アルプスの山々を望む
岐阜、長野、富山、新潟の4県にまたがる北アルプス一帯を占める中部山岳国立公園。その南部にあたる岐阜県高山市の奥飛騨温泉郷は、槍・穂高連峰や乗鞍岳などの登山起点として、また上高地も程近いことから、登山家にも人気のエリアです。 多くの登山家が憧れる槍ヶ岳をはじめ、奥穂高岳、笠ヶ岳などの名峰や、南に位置する乗鞍岳や五色ヶ原の森などの大切に保全されてきた自然と、そこに根付く奥飛騨ならではの特産や湯量豊富な温泉など、日常生活を離れ、心身ともに開放できる旅を楽しむことができます。
圧倒的な大パノラマを望む「新穂高ロープウェイ」
日本唯一の2階建てゴンドラで、西穂高口駅まで約14分の空の旅
本来なら登山ののちに見られる北アルプスの絶景を気軽に楽しめるのが、新穂高ロープウェイ。2本のロープウェイを乗り継ぎ、標高2156mの西穂高口駅に降り立つと目の前に広がるのは、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に2つ星で掲載されている大パノラマ。西穂高岳、槍ヶ岳、笠ヶ岳など北アルプスを代表する山々が望めます。
渓谷にブーメラン型に張り出す槍の回廊
山頂にある頂の森には、張り出すように設置された展望デッキ「槍の回廊」や、標高2000m超の原生林に囲まれた「森のテラス」などが整備され、地殻変動や浸食により形成された複雑な地形や、足元で可憐に咲く高山植物、緑豊かな木々などを眺めながら快適に過ごすことができます。 2024年秋には散策路や展望スペースなどの新施設もオープン予定です。
好きなパン2個+ドリンクorスープをセットにすると、合計金額から100円お得
ロープウェイを乗り継ぐ途中駅も施設が充実しています。 第2ロープウェイ乗り場のあるしらかば平駅の2階には、焼きたてパンが味わえるベーカリーショップがあり、併設されたビューラウンジでは大きな窓から周囲の山々の風景を眺めながらの食事が楽しめます。ゴンドラ食パンや朴葉味噌パン、プリンなど、ここならではのメニューがそろいます。 乗換駅のある鍋平高原は標高1305m。ここには全長2.3kmの自然散策路もあり、森林浴気分でネイチャートレイルを楽しむこともできます。
鍋平高原から望めるすばらしい風景
新穂高ロープウェイ
シンホタカロープウェイ
平湯温泉を日帰りで楽しめる「平湯民俗館・平湯の湯」
約250年前の合掌造り「旧高桑家」の建物を移築
奥飛騨温泉郷の玄関口であり、最も大きく歴史も古い平湯温泉に、ノスタルジックな気分に浸れる散策スポットがあります。富山県利賀村の合掌造りや高山市文化財「旧豊坂家」を移築し、昔ながらの風景が広がる平湯民俗館です。 敷地内にある日帰り湯「平湯の湯」は茶褐色の濁り湯が特徴的。平湯温泉の外湯としても人気です。敷地内は見学自由で、無料休憩所や食事処もあり、湯あがりもゆったりと過ごすことができます。
入浴料は寸志(300円程度)
静かでゆったりと時間が流れる平湯神社
平湯民俗館の入り口横にある鳥居は平湯神社のもの。平湯温泉の開湯には、戦国時代に武田信玄の軍が飛騨に攻め入った際、疲弊した兵の前に現れた白猿に導かれ温泉に浸かったところ、すっかり元気を取り戻したという「白猿伝説」があります。その白猿も祀っているという平湯神社は、平湯温泉の歴史と発展に深く関わる場所でもあるのです。
緑に囲まれた平湯足湯公園
平湯神社のほど近く、平湯バスターミナルからも徒歩3分ほどのところには立派な屋根のある足湯もあります。無料でいつでも利用可能。散策の途中やバスのちょっとした待ち時間に、気軽に利用することができます。
平湯民俗館 平湯の湯
ヒラユミンゾクカンヒラユノユ
飛騨山椒とスイーツのコラボが楽しめる「食堂カフェ よつば」
1房ずつていねいに手摘みされた山椒の実
奥飛騨温泉郷で特産品としてよく目にする飛騨山椒。 古くから自生していた香りの強い品種で、高度800m程度、上下100m、半径5kmの限られた範囲内で栽培された山椒のみが、その特徴である豊かな香りと、辛味・しびれのバランスが良い風味を保っているといわれています。 そんな飛騨山椒は、うなぎ料理などのアクセントとしてよく知られていますが、実はスイーツとの相性もよいとか。
観光客、地元客ともに使い勝手の良いお店
国道417号沿いに店を構える食堂カフェ よつばでは、飛騨山椒を使ったスイーツがいただけます。山小屋風の店内には、店主自らが作った飛騨の家具が並び、ぬくもりあるシックな雰囲気。のどかな風景を望むテラス席もあります。 飛騨山椒を使用した自家製ケーキは日によって変化しますが、おすすめはチョコテリーヌケーキ。濃厚なチョコテリーヌのコクを引き立てるように、ふわりと山椒が香り、後味もすっきり。意外なマッチングに驚きます。 また食事メニューもそろい、飛騨牛ステーキ丼や飛騨牛丼など、地元グルメも楽しめます。
奥ひだ山椒入りのチョコテリーヌ450円。ハンドドリップのコーヒーと一緒に
食堂カフェ よつば
ショクドウカフェヨツバ
福地温泉で話題の「古民家カフェ 木花木花」は地元素材たっぷりのランチが人気
地元特産品のほか民芸品や定番みやげなどもそろう
福地温泉は、風情ある古民家の宿が並ぶ、落ち着いた温泉街です。 小さいながらその雰囲気に魅せられたリピーター客も多いそう。 毎朝開催される福地温泉朝市は、新鮮野菜や山菜、山椒、朴葉味噌などの特産品が充実しており、奥飛騨ならではのおみやげ探しにはぴったりです。 また、福地温泉のシンボル的な存在でもある舎湯は、福地温泉宿泊者専用の無料足湯。築300年の古民家を移築した建物の中にあり、天候などを気にせずゆったり過ごせます。 静かな雰囲気の温泉街だからこそ、宿泊してじっくりと温泉を満喫できるエリアです。
大きな窓から周囲の山々を望む舎湯
かつての旅館の看板をそのまま残し、落ち着いた福地温泉になじむ店構え
そんな福地温泉にほれ込んで、都市部から移住してきた女性シェフが腕を振るうお店が、舎湯のすぐ向かいにある古民家カフェ 木花木花です。 元旅館だった古民家を改装し、地元素材をアレンジしたランチやデザートを提供しています。高山ブランド豚のプレジャーポークを使った無添加ソーセージなどが乗る飛騨プレミアムワンプレートは、旬の素材が楽しめるおすすめの一品。また、福地温泉の湯を使って豆を洗った温泉湯洗い高地栽培コーヒーや、アイスコーヒー用の豆で抽出したコーヒーを使用した自家製コーヒーゼリーなど、デザートやドリンクも洗練された味わいのメニューがそろい、店内のくつろげる雰囲気もあって、つい長居してしまいます。
囲炉裏とオープンキッチンのカウンターが調和した店内
飛騨プレミアムワンプレート1500円は1日5食限定
古民家カフェ 木花木花
コミンカカフェモッカモッカ
「槍見館」で新穂高温泉の湯を、槍ヶ岳の絶景とともに心ゆくまで
和モダンタイプの客室など全15室
奥飛騨には、平湯・福地・新平湯・栃尾・新穂高の5つの温泉地が点在し、奥飛騨温泉郷として知られています。源泉の数は100を超え、単純泉や硫黄泉など泉質も様々あり、露天風呂の数は日本有数と言われています。 その中の新穂高温泉エリアにあり、「日本秘湯を守る会」の会員宿でもある槍見館は、開放感たっぷりの露天風呂で湯浴みが楽しめる宿です。自家源泉と共同源泉、2本の源泉を持ち、湯量も豊富。槍ヶ岳を望む川沿いの露天風呂「槍見の湯」や満天の星が見える「まんてんの湯」、趣向を凝らした貸切風呂など、館内には9つの温泉があり、源泉かけ流しの湯をたっぷり楽しめます。建物は築200年ほどの古民家を移築したもので、重厚感があり風情豊か。露天風呂付きの土蔵造りの離れなどもあり、客室からの眺めもすてきです。
川音を聞きながらの入浴が楽しめる混浴露天風呂「槍見の湯」
空いていればいつでも利用可能な貸切風呂は全部で4つ
内湯ながら眺望抜群の大浴場
槍見の湯 槍見館
ヤリミノユヤリミカン
奥飛騨温泉郷の露天風呂の数は日本一
温泉宿ごとに個性あふれる風呂がそろう
北アルプスや清流を眺めながら湯浴みが楽しめる奥飛騨温泉郷には、ほかにも各施設自慢の露天風呂は多数あり、それぞれ開放感たっぷり。せっかく奥飛騨を訪れるなら、温泉旅館で奥飛騨自慢の湯と郷土料理を一晩ゆったり楽しみましょう。
奥飛騨温泉郷観光協会
オクヒダオンセンゴウカンコウキョウカイ
奥飛騨には大自然の恵みを身近に、気軽に体感できるスポットがたくさんあります
平湯大滝は日本の滝百選にも選ばれた飛騨三大名瀑のひとつ
乗鞍岳を源流とする平湯大滝は幅6m、落差64mの奥飛騨を代表する名瀑。豪快に滝が流れ落ちるさまは圧巻で、周囲を包み込むようにせり上がる岩壁が、より一層迫力を増しています。冬になると結氷し、毎年2月には幻想的にライトアップされる結氷まつりが開催されます。
平湯大滝
ヒラユオオタキ
苔むした岩の間を白く流れる布引滝
トレッキングなどの体験で自然と触れ合いたいなら、乗鞍山麓 五色ヶ原の森案内センターへ。ガイド同伴のみ入山が可能な山域で、森の案内人(認定ガイド)付きのトレッキングツアーを開催しています。たっぷり1日楽しめるコースから、初心者向けの3時間程度のコースまで、距離や時間、難易度に合わせて選べるコースがそろっています。貴重な自然環境が残る五色ヶ原の森で、知識と経験が豊富なガイドとともに、安全なトレッキングに挑戦してみては。参加には事前予約が必要なので、まずは問い合わせをしてみましょう。
乗鞍山麓 五色ヶ原の森案内センター
ノリクラサンロクゴシキガハラノモリアンナイセンター
奥飛騨みやげもそろう、奥飛騨温泉郷の玄関口「平湯バスターミナル」
国内外の観光客が行き交う、奥飛騨の交通の要所
奥飛騨温泉郷の玄関口であり、各温泉地や上高地などへのアクセスの起点となる平湯バスターミナル。新宿・松本方面からの高速バスの発着もあり、多くの観光客でにぎわっています。 併設の「アルプス街道平湯」には、奥飛騨の特産みやげが豊富にそろうおみやげ売り場や、飛騨牛なども味わえるレストラン、飛騨高原牛乳のソフトクリームなど気軽におやつが楽しめるテイクアウトコーナー、無料の足湯もあり、バスの待ち時間も飽きることなく過ごせます。 特におみやげを販売する「アルプラザ」は、飛騨の定番からちょっと変わった逸品まで多彩なおみやげがそろいます。
(左上)すくなカボチャのスイートポテトはお店のスタッフイチ押し (右上)幅広い料理に使える山椒粉や山椒七味 (左下)すりおろしたままの食感が残るジュースや飲みやすい飛騨りんごのお酒 (右下)トマトの味をストレートに感じるジュースやトマトなどの野菜をたっぷり使用した甘口の中濃ソースも人気
あまり耳にしたことのない「すくなカボチャ」は標高500~900mの盆地で栽培され、ほくほくとした食感と上品な甘みが特徴の飛騨地方の特産品。ブッセやスイートポテトとして、風味を生かした商品が人気です。 料理をワンランクアップさせる万能スパイスの飛騨山椒、高糖度としまった食感が特徴の飛騨トマト、甘みの強い飛騨りんごなど、奥飛騨の自然環境が生んだ素材を最大限に生かした商品が並んでいるので、おみやげ選びの時間もしっかり確保しておくのが安心です。
アルプス街道平湯
アルプスカイドウヒラユ
奥飛騨の旅をサポートする「中部山岳国立公園奥飛驒ビジターセンター」
平湯温泉観光案内所もビジターセンター内に入る
平湯バスターミナルのすぐ隣に、2024年7月にリニューアルオープンした「中部山岳国立公園奥飛驒ビジターセンター」は、奥飛騨周辺の自然、観光、文化などの情報発信基地です。天候や交通情報を含めた旅の相談にも対応し、自然体験プログラムも受け付けているので、奥飛騨に到着したらまずはここで旅の情報収集をするのが、奥飛騨を楽しむコツです。
中部山岳国立公園奥飛飛驒ビジターセンター
チュウブサンガクコクリツコウエンオクヒダビジターセンター
親が娘を思う気持ちを込めたお守り、さるぼぼも飛騨の定番みやげ
奥飛騨温泉郷が長く登山者たちに愛されてきたのも、北アルプスを望む絶景と泉質自慢の温泉が同時に楽しめるとあれば納得です。大自然に囲まれながら、山の恵をいただく。奥飛騨には、そんな贅沢で、心も体も“のくとまる”癒やし体験が待っています。
【アンケート&プレゼント】抽選で6名様に奥飛騨の5000円相当のおやつや食材プレゼント♪
ちょこっと山椒入り味噌煎餅など全6種の奥飛騨の味をお届けします♪
アンケートにお答えいただいた方の中から抽選で、ペパーミントグリーンのレトロなパッケージもすてきな「飛騨七味」や野菜をたっぷり使ったフルーティーで甘口の中濃タイプのソース「飛騨清見ソース」のほかに、おやつでいただきたい「すくなかぼちゃブッセ」など全6品を詰め合わせたセットを6名様にお届けします。みなさまのご応募をお待ちしております♪ 賞品:5000円相当の奥飛騨の食材やおやつ全6品の詰め合わせ 応募期間:~2024年8月25日(日)まで 賞品の発送:9月中旬 ※当選者の発表は、賞品の発送をもって代えさせていただきます。 ※商品は、変更になる場合があります。
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文:鷲巣友夏、写真:清水ちえみ
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