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2024.10.18
発酵食や温泉、フルーツパフェを楽しむ♪ 福島&土湯温泉で1泊2日旅
発酵食品は体を健やかに整えてくれるうれしい食品。昔から醸造業が盛んな福島県では、日々の暮らしに発酵食品が根付いています。 こけしで有名な土湯温泉で名湯に浸かって、おいしい発酵食をいただいたり、果樹栽培が盛んな福島市で極上のフルーツパフェを食べて、その近くの飯坂温泉で味噌づくり体験をしたり。おいしい甘酒や乳製品、日本酒はおみやげに。発酵にプラスアルファの旅ができるのが福島の魅力。今回は、体にうれしい福島の1泊2日旅をご紹介します。
「土湯こけし」で知られる土湯温泉でのんびりおさんぽ
荒川大橋の両端には4体の大きなこけしが。たもとには足湯もある
福島県の中央部、中通りエリアに位置する福島市。旅のスタートは開湯1400年以上の歴史を誇る土湯温泉から。温泉街の中心には荒川が流れ、せせらぎも心地いい自然豊かな温泉地です。川沿いに温泉宿やカフェ、みやげもの店、日帰り湯や足湯などが立ち並んでいるので、ぶらりと歩いてみましょう。 土湯といえば有名なのが「土湯こけし」。遠刈田、鳴子とともに三大こけし発祥の地と呼ばれています。「土湯こけし」の特徴は縞柄だそう。ろくろを回転させながら作り、頭頂部に蛇の目模様を描きます。「土湯温泉観光交流センター 湯愛舞台」には土湯をはじめ、約2000体の東北のこけしが並び、こけしの絵付け体験もできますよ。
土湯温泉観光交流センター 湯愛舞台
ツチユオンセンカンコウコウリュウセンターユメブタイ
(左上・右上)「きぼっこちゃん」のグッズ。いちばん人気はこけし (右下)職人が作る伝統の「土湯こけし」 (左下)「湯愛舞台」では、手動でろくろを回すこけしの絵付け体験ができる
温泉街にはこけしをモチーフとしたものもあちこちに。橋のたもとに立つ大きなこけしはフォトスポットにもなっています。方言で木のおもちゃを指す、土湯温泉のマスコットキャラクター「きぼっこちゃん」のグッズも人気ですよ。
土湯温泉の新たなキーワードは「発酵」
足湯「きぼっこの湯」でひと休み
現在、土湯温泉で力をいれているのが「発酵」。温泉宿の食事は発酵食品が多いことや、以前行なったキャンペーンの際に各所で甘酒を提供していたことから、「発酵」をキーワードに美容と健康を追求する「いい醸(かも)つちゆ!」というプロジェクトを2020年に立ち上げました。温泉に浸かり、発酵食を楽しめるというのが土湯温泉の新たな魅力です。
自家製甘酒を生かした体にやさしい発酵料理
彩りも豊かな「おららの発酵ごぜん」1300円
発酵をテーマにしたカフェ「おららのコミセ」も2020年にオープン。温泉熱を利用した地熱バイナリー発電や、その熱水を利用したエビの養殖を行なっている「元気アップつちゆ」が運営しています。店内には釣り堀があり、エビ釣り体験もできるユニークなカフェです。 福島市が「福島フルーツ盆地酒(ぽんちしゅ)特区」に認定されていることから、温泉街の姉妹店「おららの酒BAR・醇醸蔵」で、自社栽培の福島県の酒米「夢の香」で作る「おららのどぶろく」を製造。カフェではどぶろく製造者が作る「おららの甘酒」も味わえます。砂糖不使用でお米の甘みが感じられ、粒感も残る、すっきりと飲みやすい甘酒ですよ。
(左上)土湯の自然が感じられるデザイン (右上)「おららの甘酒」450円 (右下)「エビ釣り体験」は30分1200円 (左下)「おららのどぶろく」770円。購入は「おららの酒BAR・醇醸蔵」で
店長の小島さんが自家製甘酒や県産の麹、味噌、塩麹、酒粕などを上手に組み合わせ、さまざまな発酵料理を考えています。人気メニューは「おららの発酵ごぜん」。おにぎり2個と発酵系のおかずが数種類、甘酒も付く発酵が盛りだくさんのメニューです。サラダのドレッシングにも甘酒や塩麹が入っています。「野菜のこうじ漬け」も甘酒に漬けているので、やさしい甘みのお漬物です。 この日のメインは「粕味噌のサーモングリル」。酒粕と麹味噌、甘酒に漬け、フライパンで焼いたオリジナルメニューで、サクッとやわらかく、旨みも引き出された一品です。少しずついろいろな発酵メニューが味わえるので楽しく、食べ応えもありますよ。
「紅葉漬けガレット」800円。季節限定メニューで桃など季節のフルーツを使ったデザート系のガレットもある(仕入、時期により内容変更あり)
福島の郷土料理「紅葉(こうよう)漬け」は、サーモンを米麹と塩に漬けて発酵させたもの。この伝統の発酵食とガレットを組み合わせた斬新なメニューが「紅葉漬けガレット」です。 サーモンを甘酒と塩麹に漬けるので甘みがあり、まろやかな味わいで食べやすいですよ。上に添えた「源泉湯庵 森山」の温泉たまごとも合います。ガレットのそば粉も地元産のものを使い、福島を感じられる一品です。ぜひ味わってみて。
おららのコミセ
土湯温泉の新名物「おららの温泉納豆」をおみやげに
「おららの温泉納豆」角折194円、丸木箱486円。パッケージも環境に配慮している。要冷蔵
「いい醸つちゆ!」のプロジェクトから誕生し、2024年6月に販売を開始したのが「おららの温泉納豆」。発酵室を温泉熱で温め、発酵にいい状態を保って作った納豆です。県産の大粒の大豆「タチナガハ」を使い、こだわりの特製味噌だれもついています。ふっくらしてやわらかく、大豆の旨みを感じる納豆は、コクがあってまろやかな味噌だれとの相性も抜群です。 「おららの温泉納豆」は、「湯楽座」1階にある地場産のおみやげとユニークなこけしが集まる「こけしなところ」をはじめ、「おららのコミセ」、「道の駅つちゆ」で販売しています。
こけしなところ
福島のフルーツと温泉たまごがコラボした至福のプリン
「湯庵プリン」。左からパッションフルーツ500円、黒豆450円、プレーン400円、桃450円。季節によりプリンが変わる
おみやげを買うなら「おんせんたまごとプリンの専門店 源泉湯庵 森山」もおすすめ。店を手がける温泉宿「ニュー扇屋」の敷地内に湧く自家源泉の温度は、おいしい温泉たまごになるといわれる68度。コクのある黄身が特徴の「地養卵」を使い、少し塩味のある源泉で茹でた温泉たまごは宿の創業以来の人気商品だそう。 その温泉たまごの卵黄のみを使って作る「湯庵プリン」も評判。卵黄、牛乳、生クリームを使い、低温で作るプリンはとろりとして、なめらか。じっくり焼くことでクリーミーな層と軽やかな層の2層ができるそう。いちばん人気はプレーン。濃厚でリッチな味が楽しめます。
(左上)赤のソファが印象的なモダンなカフェ。隣にもカフェスペースがある (左下)温泉たまご1個110円(イートイン)。おみやげは6個入り750円 (右)プリンは常時7種類ほど並ぶ
東日本大震災の風評被害で悲しい思いをした女将の森山さんが、「福島にはおいしい桃やりんご、ぶどうなどがあり、里山で採取されるはちみつもある。果実の恵みをアピールしたい、福島のおいしい恵みを知ってもらいたい」という思いからプリンを作ったといいます。 桃やぶどう、あんず、りんごなど旬の果物をジュレにしたプリンは「果実(みのり)」と名付け、人気がある季節のプリンです。浜通りの富岡町で作られるパッションフルーツを使った珍しいプリンや、宿の板長が二本松市産の黒大豆をふっくら炊き上げた「黒豆プリン」もおすすめ。カフェでは旬の果物を使ったプリンパフェも味わえます。散策の休憩に立ち寄ってみては。
おんせんたまごとプリンの専門店 源泉湯庵 森山
オンセンタマゴトプリンノセンモンテンゲンセンユアンモリヤマ
温泉リトリートが楽しめるホステルにステイ
広々とした大浴場でゆっくり温まって
土湯温泉での宿泊は、温泉と「bikoujiカフェ」が楽しめる「YUMORI ONSEN HOSTEL」へ。閉館した宿をリノベーションした、新しいスタイルの温泉ホステルです。土湯温泉の豊富な湯が注がれている大浴場に身をゆだねれば、心身ともにリラックスできますよ。4つの有料貸切風呂もあり、アルカリ性単純温泉の湯は美肌にもいいそう。 部屋は6タイプ、30室。和室や和洋室のほか、ホステルのため女性専用ドミトリーも用意。シェアキッチンもあるので、友人たちと気軽に料理も楽しめますよ。
(左上)おしゃれなパウチ入りの「美糀フローズン甘酒」 (右上)「美糀サンドスープセット」1000円 (右下)カフェで味わえる甘酒のデザートドリンク「ice de bikouji」各600円 (左下)自由に利用できるラウンジ
温泉と合わせて利用したいのが、発酵食で体の内側からもきれいに、健康的になってもらうことをコンセプトにした「bikoujiカフェ」。メインは砂糖を加えずに、県内の老舗糀店の米糀のみで手作りした「美糀フローズン甘酒」です。プレーンのほか、県内産の季節のフルーツを加えた甘酒もあります。やさしい味わいで、シャーベットのようにデザート感覚で楽しめますよ。 カフェでは米糀を使ったオリジナルのチキンサンド「美糀サンド」や、味噌糀ポークやチキンのライスプレートが味わえる「美糀ライス」なども用意。ランチの利用もOKです。
YUMORI ONSEN HOSTEL
ユモリオンセンホステル
果樹園が作るジューシーなフルーツパフェにうっとり
「まるせい桃パフェ」800円。7月中旬から9月中旬ごろまで品種を変えて提供。写真の品種は甘みの強い「ゆうぞら」
2日目は福島市飯坂方面へ。福島市西部には「フルーツライン」や「ピーチライン」と呼ばれる道路があり、果樹栽培が盛んな地域。その「ピーチライン」沿いにあるのが「まるせい果樹園」です。果樹園直営の「森のガーデン」は、季節のフルーツが丸ごと乗ったパフェが人気で、連日行列ができるほど。 フルーツは安全管理が行き届いた広い農園で、有機質肥料をたっぷり使って栽培。甘くなるよう袋がけしない栽培もしながら、木でぎりぎりまで熟させ、追熟でさらに甘くしたフルーツを使っています。桃や梨はパフェに1個半以上も贅沢に使い、丸ごと美しく乗せたフルーツの下にも角切りや手作りのコンポートが。バニラアイスやフレークも入った王道のパフェで、甘くてジューシーなフルーツにうっとりしてしまいます。
「まるせい梨パフェ」700円。8月下旬から10月初旬ごろの提供。写真はみずみずしい「幸水」
パフェは6月のさくらんぼから始まり、桃、梨、ぶどう、りんご、柿、ラ・フランスと、12月上旬まで豪華なフルーツリレーが続きます。 10月中旬ごろからはりんごが登場。品種も多く、2種類のりんごが一緒に楽しめます。バラの形の装飾や切り方も工夫しているので注目をしてみて。10月上旬からは種なしの柿パフェも。甘くてとろけるような味わいで、スタッフもイチオシする隠れ人気パフェですよ。
(左上)果樹園を見ながら味わえるテラス席 (右上)園内では果物狩りもできる (右下)「果塩」各600円~ (左下)「かずちゃん直売所」でフルーツをおみやげに
敷地内の直売所では新鮮なフルーツやジュースを販売。注目の新商品「果塩(かしお)」は、桃やりんごなどの果樹園のフルーツと山形の天然塩「さかたの塩」がコラボしたまろやかで甘い塩です。ぶどうはほんのり甘い香りがして、色味も巨峰色に。お米の味を引き立てる、塩むすびがいちばんおいしいとか。試してみてはいかがでしょうか。
まるせい果樹園 農家カフェ 森のガーデン
マルセイカジュエンノウカカフェモリノガーデン
老舗の味噌屋さんで味噌づくりに挑戦
人気の「生あまざけ」500ml 540円。要冷蔵
発酵食品として代表的なのが味噌と醤油。福島県にもたくさんの製造販売会社があります。福島市の飯坂温泉街にあるのが、1889(明治22)年創業の味噌・醤油の製造元「丸滝」。江戸時代から大正時代にかけての建物に歴史を感じます。 人気なのが「生あまざけ」。地元の契約農家の米と自家製糀で作る甘酒は、キレのいい甘さになるような糀を使い、飲みやすいほどよい甘さにしています。こうじ菌によって甘さが違うのだとか。「塩糀 練り 三五八(さごはち)」は、塩分控えめの塩糀。塩糀と無糖ヨーグルトを混ぜて魚や肉を漬けておくと、柔らかくなるのでおすすめです。魚は臭みが抜け、豚肉の脂身は甘くなり、鶏肉はカレー粉を加えるとタンドリーチキンにもなるそう。
(左上)醤油や味噌が並ぶ店内 (右上)「塩糀 練り 三五八」540円 (右下)飯坂温泉の源泉で茹でる名物「ラヂウム玉子」 (左下)「本気の卵かけ醤油」378円はだしの入った甘めの醤油
「丸滝」では一年を通して味噌づくり体験ができます。教えるのはみそ製造技能士1級をもつ5代目の堀切知之さん。味噌の説明と大豆を自分でつぶし、糀と塩を混ぜるところまでが体験で、30分から1時間ほど。5kg分を仕込みます。あとは持ち帰り、教えてもらった方法で手入れをして、味噌を育てていきます。 常温の保管でだいたい半年ほどで、真夏は早ければ3か月ほどで食べられるとか。手入れをするうちに愛着もわいてきて、発酵が身近に感じられる体験です。自分で発酵させたおいしい味噌で味噌汁を毎日作れば、自然と発酵食を取り続けることができますよ。
丸滝
マルタキ
福島駅そばのアンテナショップで福島産おみやげを
広い物産館の店内。商品は7000~8000品もそろうとか
旅の最後は福島のおみやげ探しに。JR福島駅西口から徒歩3分の「コラッセふくしま」の1階には福島県のアンテナショップ「福島県観光物産館」があります。県内60蔵以上の酒蔵の日本酒やワイン、クラフトビールなどのお酒をはじめ、お菓子や加工品、赤べこなどの工芸品、旬のフルーツや人気店のお弁当なども販売しています。市町村ごとやテーマを設けたフェアも随時開催し、普段置かれていない商品に出会えることも。 「ふくしまラウンジ」では、県内の人気ラーメン店など飲食店が期間限定で出店し、コンテストで入賞したお酒や話題のお酒が飲み比べできる「ふくしまの酒 プレミアムコース」、「べこの乳ソフトクリーム」なども味わえますよ。
(左上)「ふくしまの酒 飲みくらべ プレミアムコース3銘柄」1000円 (右上)「桃笑」6枚入り1350円 (右下)「岩瀬牧場 生ヨーグルト」937円、「金子牧場 しぼりたてチーズ」460円、「金子牧場 ゴールデンヨーグルト」340円 (左下)福島ならではの糀の一夜漬けの素「三五八」は種類も豊富
おすすめの発酵食品はヨーグルトとチーズ。ブラウンスイス牛の生乳で作る、生クリームのように軽やかな須賀川市「岩瀬牧場」のチューブ入り「生ヨーグルト」や、ジャージー牛のミルク感と旨みのある下郷町「金子牧場」のさけるチーズ「しぼりたてチーズ」など、ぜひお試しを。 人気上昇中のおみやげは、郡山市のパティスリー「フルラージュ」が手がける「桃笑(ももさく)®」。県産の小麦粉で作った生地に、県産の桃のセミドライフルーツとホワイトチョコレートを入れたサブレ。桃の香りがふわっと広がって、やわらかくしっとりした食感でおいしいですよ。
福島県観光物産館
フクシマケンカンコウブッサンカン
ひと足のばして、浜通りで味わう発酵メニュー
「蔵醍醐 クリームチーズのみそ漬」648円。残った味噌はスティック野菜につけてもおいしい
福島駅から海側の浜通りに、ひと足のばすのもおすすめです。南相馬市にある「みそ漬処 香の蔵」までは、福島駅から車で1時間10分ほど。漬物製造会社の直営店で、「クリームチーズのみそ漬」で知られるみそ漬けをメインに販売。店内には70種類以上の商品が並んでいます。 「蔵醍醐」シリーズは「クリームチーズのみそ漬」を筆頭に、さまざまな味わいが楽しめる人気のみそ漬けです。厳選したオーストラリア産のクリームチーズを、県産の米味噌、仙台味噌、京都の西京味噌をブレンドした味噌に1か月ほど漬けておくそう。チーズはクリーミーで、濃厚な味噌のバランスも絶妙。味噌なので和の日本酒やごはんとも合いますよ。
(左上)人気の「あん肝のみそ漬」1188円 (右上)「クリームチーズのわさび粕漬」648円 (右下)たくさんの漬物が並ぶ店内。隣には相馬野馬追の「甲冑館」も併設 (左下)鰹節の旨みを感じる「鰹出汁クリームチーズのみそ漬」702円
「蔵醍醐」シリーズは10種類以上。「クリームチーズのみそ漬」に次ぐ人気なのが「あん肝のみそ漬」です。海のフォアグラと呼ばれるあん肝をみそ漬けにし、クセもない濃厚な味わいで、お酒にぴったり。黒胡椒や鰹出汁などのみそ漬もあります。 新商品の「クリームチーズのわさび粕漬」は、わさびを加えた酒粕と福島県産の味噌などをブレンドしてクリームチーズを漬け込んだもの。発酵食品をかけ合わせ、わさびがアクセントになった注目の一品です。好みの味わいをゆっくり探しましょう。
みそ漬処 香の蔵
ミソヅケドコロコウノクラ
毎年少しずつ変化をしていく「はなうたホップス」2420円
同じく南相馬市にあるのが2021年にオープンした、クラフトサケブリュワリー協会が定義する新ジャンルのお酒「クラフトサケ」を製造する「haccoba -Craft Sake Brewery-」。東北に伝わるどぶろく製法「花酛(はなもと)」をベースに、日本酒を発酵させる際にビールの原料であるホップを加えるクラフトビールの醸造スタイルで、新しいお酒造りをスタートさせました。 そのスタイルで醸造する「はなうたホップス」は、酒蔵を代表する定番酒。お米の甘みとホップの爽やかな柑橘系の香りが楽しめるお酒です。飲んだら、はなうたを歌いたくなるかも。「水を編む」シリーズは地元の米農家の魅力を伝えたいという思いを込めた地酒で、ホップも日本在来の唐花草のみを副原料として使って醸しています。
(左上)自由な発想で造られているお酒 (右上)住宅街の一角にある民家をリノベーション (右下)おしゃれな雰囲気のパブ (左下)要予約でお酒と料理が味わえる
日本家屋をリノベーションしたブリュワリーにはパブも併設しています。金・土・日曜の営業で予約制。醸造所を眺めながら「haccoba」のお酒と合うコース料理が味わえますよ。 2024年2月にはJR小高駅に「haccoba小高駅舎醸造所&PUBLIC MARKET」がオープン。駅舎に醸造所とパブリックマーケットが併設されています。「haccoba」のお酒やオリジナルグッズ、小高や県内などのおしゃれな雑貨や食品を販売しています。お酒の試飲もできるそう。こちらも合わせて立ち寄ってみては。
haccoba -Craft Sake Brewery-
ハッコウバクラフトサケブルワリー
「吟麹 赤いラベルの「磐城壽ゆい」は「SakeKuraゆい」のオリジナル
「道の駅なみえ」内の「なみえの技・なりわい館」にある「SakeKuraゆい」は、酒蔵「鈴木酒造店」の日本酒を扱う専門ショップ。「鈴木酒造店」は日本でいちばん海に近い酒蔵でしたが、東日本大震災で被災。山形県長井市に移りましたが、道の駅のオープンにともない、ショップの横に浪江蔵を復活させました。 ショップでは代表銘柄「磐城壽(いわきことぶき)」などの日本酒や酒粕、甘酒、おつまみなどを販売しています。人気商品は「吟麹 甘酒」。福島県産の酒造好適米「夢の香」を使い、磐城壽の吟醸酒と同じように五割五分まで磨いているため米粒がなく、食感もなめらか。米麹だけの甘さで、濃厚な味わいの甘酒ですよ。
オリジナルの「磐城壽」の枡と純米酒のカップ酒に入れた「甘酒プリンソフト」880円
店内はカフェも併設。「吟麹 甘酒」を使ったスイーツやドリンクが味わえます。名物の「甘酒プリンソフト」は甘酒で甘みをつけ、生クリームをたっぷり使ったなめらかなプリンの上に、ミルクと甘酒で作った濃厚なソフトクリームをトッピング。「吟麹 甘酒」のおいしさが存分に味わえるスイーツです。添えられた恋みくじも楽しんで。 ほかには「甘酒ソフト」や、フルーツとあわせた季節限定の甘酒ドリンクもあります。ノンアルコールなので、ドライバーやお酒が苦手な人にもおすすめです。
道の駅なみえ なみえの技・なりわい館 SakeKuraゆい
ミチノエキナミエナミエノワザナリワイカンサケクラユイ
まだまだ福島県には発酵食品がたくさんあります。おいしい発酵食品をいただきながら元気になれる、福島の自然の恵みを楽しむ旅にでかけてみませんか。
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文:細江まゆみ 写真:加藤熊三
ふくしま発酵ツーリズム
福島では伝統的に味噌・醤油・日本酒などの醸造業が盛んで、各地域それぞれの食文化を形成してきました。福島の発酵食品の伝統と魅力を感じられるスポットを紹介しています。
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