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2025.04.16
鎌倉の静かな海辺で味わう癒しの薬膳料理♪材木座「トトのエ」
材木座海岸に近い住宅街にたたずむ薬膳料理の店「トトのエ」は、心と体を整える特別なひとときを提供してくれる場所。温もりを感じる落ち着いた空間が広がり、日常の喧騒を忘れさせてくれます。旬の食材をふんだんに使用した薬膳料理が中心で季節にあわせた一皿一皿は、食べるだけで元気がでてきそうな味わいです。自分の心と体に向き合うひと時を過ごしてはいかがでしょうか。

住宅街の路地に佇む癒しの薬膳料理の店

京急バス「光明寺」停留所から徒歩約1分
静かな住宅街の路地に控えめに暖簾を掲げる「トトのエ」。国際中医薬膳管理師である店主の端山彩香さんが、薬膳学に基づいた体に良い料理や飲み物をメインにご主人と営むお店です。はじめての人にとっては難しいと思われがちな薬膳を、シンプルにわかりやすくメニューにしていて、薬膳茶や茶菓、お酒もラインナップしています。

店主のこだわりが光るインテリアと居心良い空間

店主の端山彩香さん
お店の中央には松の木のカウンターがあり、端山さんに薬膳の効能などを聞きながら、料理を待つのも楽しい時間です。自然な風合いを生かしたカウンターは、奥行きがあって落ち着く作りです。イスに座ったときに、しっくりと馴染むように高さを調整したのだとか。

落ち着きのある店内
端山さんは以前、パリでインテリアを学び、帰国後はデザイナーとしても活躍していたそう。そのセンスは店内のいたるところに感じられ、カラフルな椅子や小物使いが空間をさりげなく彩ります。紫やオレンジの椅子は差し色として調和し、お手本にしたくなるセンスが全体の雰囲気を一層引き立てています。

20種類以上の茶葉からブレンドする薬膳茶

カウンターに並ぶ薬膳
カウンターには、薬膳の茶葉が20種類以上並びます。葉や種、花など、その形状も色も様々。この茶葉を使って作られるオリジナルブレンド茶は、全10種類、「美肌茶」「気巡茶」など体調や目的に合わせて選びます。

「薬膳茶」(880円)
たとえば「明目茶(メイモクチャ)」は疲れた目を癒すようにと、決明子(ケツメイシ)や菊花(キクカ)、枸杞子(クコシ)がブレンドされています。香りがやさしく、癖のない味わいで初心者にもおすすめです。オリジナル薬膳茶を作るワークショップも開催されており、体質に合わせた特別なお茶を作る体験が人気です。

食材選びから伝わる薬膳の哲学

「トトのエ 一汁三菜薬膳御膳」(1980円)蒸篭蒸し盛り合わせ・季節のお惣菜・トトノエ粥(ハーフサイズ)・薬膳スープ
本格的な薬膳料理から、生薬を使わない家庭的な料理も揃うのが魅力です。これは、薬膳は特別な時のものというよりは、生活に取り入れてもらいたいという思いからなのだとか。 生薬を贅沢に使った「トトのエ 一汁三菜薬膳御膳」では、スープ鶏と生薬を長時間かけて煮出したスープを塩のみで仕立てた薬膳スープや、トトノエ粥をセットにしていて、薬膳の奥深さを感じます。

蒸篭蒸し
蒸篭蒸しの籠を開けると、湯気の中から焼売・海老団子・季節の野菜が現れます。地元の鎌倉野菜をふんだんに使ったビタミンカラーが印象的に目に映ります。

スイーツにも薬膳の多彩なトッピング

「豆花(トウファ)」(880円)
スイーツは台湾カステラやキャロットケーキなど、素材を厳選したこだわりのスイーツ。なかでも無調整豆乳でつくる「豆花」は、フルフルとしていて、黒糖ゼリー、ハトムギ、白玉団子、緑豆、小豆といったトッピングが賑やか。このトッピングにも薬膳の考えが反映され、特に白玉団子は胃腸を整える効果が期待できるのだとか。 「トトのエ」ではランチタイムといった時間の区切りがなく、いつでも御膳やスイーツが楽しめます。カウンターに座りながら薬膳について話を聞き、食事を楽しむ時間は、心と体を癒す特別なひととき。鎌倉の海辺を散策した後、ふらりと立ち寄りたい隠れ家のようなお店です。
トトのエ
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文:高橋茉弓 写真:依田佳子
Writer
高橋茉弓

おやつの時間を何よりも大切にするライター&カメラマン。波の音とカフェがあればそれで幸せ。
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