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2025.06.04
築110年のノスタルジックな古民家カフェ「HAKO TE AKO」を訪ねて、滋賀・近江八幡へ
近江八幡の観光中心部から少し離れた山のふもとに、現在はユースホステルとして旅人を迎える国登録有形文化財の建物がたたずみます。館内に併設されたカフェ「HAKO TE AKO(ハコ テ アコ)」は、窓に映る四季折々の庭の風景と、初めて訪れる人もどこか懐かしさを感じるノスタルジックな空間が魅力。近江牛を使ったハンバーグや、メンチカツ、カレーなど、心づくしのランチと自家製スイーツと一緒にカフェタイムを堪能できます。

二度の移築を経て現在の場所へ

玄関前では信楽焼の大きなたぬきがお出迎え
近江八幡の人気観光地「ラ コリーナ近江八幡」から琵琶湖に向かって2kmほど北に位置する「近江八幡ユースホステル」を目指します。JR近江八幡駅からは、近江鉄道バスの長命寺線で約15分、ユースホステル前の停留所で下りてすぐ。鳥のさえずりが響く森を背に、風格を漂わせる木造建築が目的地です。

中央には、伝統的な和風建築に見られる屋根「唐破風」をのせている
1909(明治42)年、近江八幡の鎮守社・日牟禮八幡宮の近くに旧蒲生郡勧業館として建設。後に近江商人の屋敷が軒を連ねる新町通に移築、公民館として利用されていたことも。今から60年ほど前、公民館の建て替えにともない解体の危機にさらされましたが、当時の市長と現オーナーのお祖父さまの働きかけにより現在地に移築され、時代を超えて守り継がれています。

まねき猫が手招きするカフェスペースへ

カフェ利用時のお会計やユースホステルの受付はこちらへ
玄関で靴を脱ぎ、スリッパに履き替えて館内へ。正面奥と左側がユースホステルの宿泊客のための食堂やロビーです。建物の保全に尽力された方のお孫さんにあたる双子の姉妹が切り盛りするカフェは、玄関を入って右手。宿泊客に限らず誰でも利用できます。

郷土人形のまねき猫もなんだか居心地が良さそう

満席のときは隣室の待合で順番を待って

ロビーでは自家製の焼き菓子も販売

どの席に座るか目移りしそう
元和室を生かしたというカフェスペースには、床の間や透かし彫りを施した欄間も。ひとりでも心地よい窓辺のカウンター席、テーブル席、ゆったりと腰を下ろせるソファ席があり、空いていれば好きな席を選べます。時を経て深みを増した飴色の空間に差し込む淡い光。流れる時間もゆったりと感じられます。

大きな窓が絵画のように庭の景色を切り取る

ゆらぎのあるレトロガラスを通すと、景色の趣も異なる

LPレコードが奏でる懐かしい音色に耳を傾けて

近江牛を使ったランチを満喫

「近江牛合挽ミンチの煮込みハンバーグ」1800円は、自家製パンまたはライスと季節のスープ、サラダが付く
ラストオーダー14時までのランチは、煮込みハンバーグ、和風ハンバーグ、メンチカツ、メンチカツカレーなど、近江牛を使ったメニューが中心。注文を受けてから焼いて近江牛のうまみをしっかり閉じ込めてから、きのこ入り特製デミグラスソースでことこと煮込むハンバーグは、ふっくらとやわらか。

自家製スイーツやドリンクも充実

「自家製ゆずシロップのクリームソーダ」715円
自家製スイーツは、定番人気のティラミスや、濃厚ガトーショコラ、本日のタルトなどのほか、近くの養鶏所から仕入れる生みたて卵を使ったプリンや季節のフルーツの果汁を使ったマカロンなどを盛り合わせた4種盛りセットも。 レトロな空間にお似合いのクリームソーダは、「自家製ゆずシロップのクリームソーダ」をはじめ、定番のメロンのクリームソーダ、オレンジフロートほか全7色のフレーバーがスタンバイ。

「メロンのクリームソーダ」715円
豊かな自然に包まれた非日常の場所で見つける、自分だけの特等席。四季折々の彩りに染まる庭を眺めながら、心ほどける時間を過ごしませんか。

HAKO TE AKO
ハコテアコ
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文:佐藤理菜子 写真:マツダナオキ
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