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2025.06.24
老舗の梅干し専門店が手がける「Ume Sonare oarai」で梅シロップ&梅酒づくり♪
6月は梅の実の収穫時期で、とくに梅を身近に感じられる季節。茨城県大洗町にある梅干し専門店「吉田屋」がプロデュースする体感パーク「Ume Sonare oarai」では、オリジナルの梅シロップ&梅酒づくりを体験することができます。梅、砂糖、お酒の種類は選択肢があり選べるので、自分好みの味をつくることができますよ。 体験のあとは近くにある梅専門カフェ「ume cafe WAON」へ。9種類の梅干しから選べる「梅干しおにぎりプレート」など、梅専門店ならではの楽しみがあります。梅三昧のショートトリップにでかけてみては。
老舗梅干し専門店「吉田屋」が手がける梅体感パーク

白いのれんも素敵な「Ume Sonare oarai」のエントランス
茨城県大洗町にある「吉田屋」は、1830(天保元)年創業の老舗梅干し専門店。8代目の大山壮郎さんが、もともと倉庫があった場所に2023年にオープンしたのは、梅に関する体験が楽しめる体感パーク「Ume Sonare oarai」です。白を基調とした建物はスタイリッシュで、館内では梅シロップや梅酒づくりの体験ができます。

白をベースにした広々とした体験スペース
大山さんは梅の新たな可能性を広げようと、2014年に全国的にもめずらしい梅専門カフェ「ume cafe WAON」をオープンし、梅の食べ方や楽しみ方を提案。コロナ禍ではおうち時間の過ごし方として、梅シロップづくりをオンラインでレクチャーすると多くの反響があり、これをきっかけに「人と梅がつながる場所」をテーマに、新たな場所を提供することを決めたのだそうです。
125通りから選べる♪ 自分好みの梅酒と梅シロップづくりを体験

自分好みの梅酒と梅シロップが作れる。梅は冷凍してあるため、通年で体験できる
こちらで体験できるのは梅酒と梅シロップづくり。体験は1年を通して可能で、時間は約45分です。 体験は、まずは「吉田屋」が行っている梅プロジェクトをはじめ、選べる梅や砂糖、お酒の説明のレクチャーから。「Ume Sonare oarai」の体験でいちばんの魅力が、5種類の梅と5種類の砂糖、梅酒はお酒を5種類から選べること。梅酒ならなんと125通りの味わいから自分好みのものをイメージして、材料を選ぶことができます。選ぶ材料により、基本料金にプラスになりますが、梅干し専門店ならではのラインナップです。
梅をよく知る店ならではの茨城県産の珍しい梅が原料

赤い色が特徴の「露茜」。漬ける前にヘタを取る
梅は茨城県千代田産の青梅、完熟梅、露茜(つゆあかね)、自家栽培の無農薬青梅の4種が基本。さらに季節限定の希少な梅があります。今回の体験で梅シロップに選んだのが人気の「露茜」。赤色の実はシロップも鮮やかな赤色に染めていきます。スモモをかけあわせてできた品種で、フルーティーな味わいになるそうです。

黄色く熟した「完熟梅」。選んだ花見糖を半分入れて梅を入れ、さらに花見糖を入れる
梅酒はこちらも人気の品種「加賀地蔵」の「完熟梅」に。通常は樹上で完熟させて梅干しにしてしまうので、なかなか完熟梅で梅酒を作ることはできないとか。甘い桃のような香り豊かな梅酒になります。
地元の地酒を使った梅酒も作れるのが魅力

最後に「月の井 日本酒原酒」450ml(Lサイズ)を注ぐ
砂糖はてんさいグラニュー糖をはじめ、コクが出る花見糖、黒糖、和三盆、オーガニックシュガーから選べます。てんさいグラニュー糖は、「露茜」の赤色をきれいに出してくれるそう。お酒も茨城県産の焼酎のほか、大洗町の老舗酒蔵「月の井酒造店」の日本酒で造ることができます。辛口の原酒は、コクが強くさっぱりとした梅酒に仕上がります。
家で梅仕事をしながら完成を心待ちに♪

左が梅酒(完熟梅+花見糖+月の井原酒)、右が梅シロップ(露茜+てんさいグラニュー糖)。どちらもLサイズ
材料選びが終わったら、Lサイズを作るため梅を計量して約300gにします。梅のヘタを取る梅仕事も体験。保存容器に梅と砂糖を入れます。梅酒の場合は、さらにお酒を注げばここでの作業は完了。このあとは、自宅に持ち帰り。 ここからは自宅での「梅仕事」です。持ち帰り後はカビなどを防ぐために、瓶を毎日1回、しっかりと振って混ぜ合わせ、砂糖を溶かしていきます。梅シロップは約2週間、梅酒は約1か月で完成。砂糖の溶け具合をみながら毎日世話をしているうちに、ますます愛着がわいてきそうです。
自分で漬けた特製梅ドリンクで楽しむひととき

完成した梅酒と梅シロップ。露茜を使った梅シロップはきれいな赤色に
梅シロップは5~6倍に薄めていただきます。水や炭酸水、牛乳で割ってもおいしいですよ。体験した露茜のシロップは、炭酸水で割るときれいなピンク色のソーダになり、やさしい梅の甘みがして、さっぱりした味わいに。甘酸っぱさに疲れも回復しそうです。Mサイズは5杯ほどですが、プラス1000円のLサイズの容器なら9~10杯ほどになるのでお得です。 完熟梅と日本酒の原酒で作った梅酒は、芳醇な梅の香りとまろやかで濃厚な甘みが楽しめ、ロックで飲むのがおすすめ。日本酒の風味も残るので、日本酒好きにもおすすめの梅酒です。

庭にはドリンクが楽しめるキッチンカーも
施設の中庭には約60本の梅が植えられています。夏になると梅を干す作業もこちらで行うそう。梅のドリンクを作るだけでなく、梅の成長にあわせて、梅の手入れをしたり、収穫体験をしたり、梅干しにしたり、梅を身近に感じられる施設になっています。梅の収穫時期は5月中旬から6月いっぱい。今後、梅林での収穫体験もあるそうなので、ぜひこの時期に、梅狩りから楽しみたいですね。

Ume Sonare oarai
ウメソナーレオオアライ
めずらしい梅専門カフェ「ume cafe WAON」へ

「梅」ののれんが目印の「ume cafe WAON」
「Ume Sonare oarai」の体験が終わったら、徒歩5分ほどの場所にある梅専門カフェ「ume cafe WAON」で休憩しましょう。白壁と木目調の温かみのある店内では、梅を使ったおにぎりなどの食事メニューやスイーツが味わえます。吉田屋では9種類の定番の梅干しを作っており、おにぎりやお茶漬けに合わせる梅干しを9種類から選べるのが魅力。

ナチュラルな雰囲気の店内
茨城県の梅ブランド「常陸乃梅」に注目を

左から甘みと旨みを感じられる「加賀地蔵」、酸っぱさが魅力の「八代目」、農家さんが自家用に育てていた「石川一号」。3つとも無添加の梅干し
人気の梅干し「八代目」は、大山さんがこだわった無添加の梅干し。塩分を10%に抑え、梅本来の酸っぱさを出した梅干しです。茨城県初の梅ブランド「常陸乃梅」もおすすめの逸品。ブランドとして栽培している茨城県産の梅で、梅干しに加工する「石川一号」と「加賀地蔵」、シロップに使う「露茜」の3品種を「常陸乃梅」としています。 「常陸乃梅」は、梅加工メーカーとして新たな可能性を求め、県産の梅加工品を作ろうと大山さんが率先し、県内の千代田梅部会の農家さんたちと一緒に、減農薬で剪定方法にも気を使って作り出したオリジナルの品種。注目を集めているこの品種をぜひ味わって。
9種類の梅干しから選ぶ、 相性抜群の梅おにぎりのほか茨城産が味わえるプレート

「9種類の梅干から選べる梅干しおにぎりプレート」(2個)990円。選んだ梅干しは人気の「八代目」と「こんぶ三年梅」
カフェの人気メニューは梅干しが2種類選べる「梅干しおにぎりプレート」。梅干し以外にもこだわりが詰まっています。ごはんは吉田屋の田んぼで育てた自家製米「コシヒカリ」または十八雑穀米が選べます。無農薬大豆で作った県内産味噌と涸沼名物しじみで作ったしじみ汁、自家製のお漬物付きと茨城づくし。地域食材のしらすと梅のコラボメニューもあり、大洗のしらす丼や梅しらすゆばパスタなども茨城らしいメニューなので、ぜひ試してみて。

吉田屋が作る9種類の定番梅干し
梅を心ゆくまで味わえるスイーツメニュー

「2色の梅コンフィチュールの常陸乃梅ロールケーキ」770円。露茜のゼリー付き。「梅ソーダ」440円
大山さんの奥様が作る梅スイーツは、ロールケーキや季節のメニューがそろいます。ここならではのメニューは、梅ゼリーを添えた「2色の梅コンフィチュールの常陸乃梅ロールケーキ」。青梅と露茜の2種類の梅のコンフィチュールを練りこんだ贅沢なロールケーキ。卵にもこだわった、スポンジ生地はしっとりして濃厚。梅のさわやかな酸味と甘みがよく合います。 赤色に染まるのが特徴の露茜シロップを入れた「梅ソーダ」は、まずは見た目を楽しんでもらおうと混ぜずに提供。梅の旨みとフルーティーな味わいで、さっぱり。夏限定の八ヶ岳の天然氷を使った2色の梅のかき氷も人気です。
ギフトにも喜ばれる梅干しがずらり

ポップなデザインの梅みやげが並ぶ
店内にはショップも併設。梅干しをはじめ、梅を使ったオリジナルの常陸乃梅シロップやゼリーも並びます。ギフトにもぴったりなのが「ume palette」。カラフルなパッケージ入りで、1個から購入可能。八代目や加賀地蔵、三年梅、スイート梅など、13種類の梅干しから選べ、ギフト用ボックスも用意されてます。自分の好きなmy梅干しを探してみましょう。

「ume palette」1個259円、5個箱入り1296円
梅シロップや梅酒を作り、おいしい梅干しやスイーツをいただいて、梅にどっぷり浸れる大洗町で1日を過ごしてみてはいかが。

ume cafe WAON
ウメカフェワオン
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文:細江まゆみ 写真:加藤熊三
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