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2025.07.15
女性の願いを叶えてくれる神様「石神さん」訪ねて。海女さんの町、三重・相差へ
海女さんが豊漁安全祈願のために訪れる、三重・相差町の石神社は、石神さんと呼ばれ親しまれている女性のための神様。相差町の氏神様が祀られている神明神社の中にその社はあります。周辺には参詣者のためのお店やカフェもあり、ご利益のありそうなグッズや食べ物を楽しむこともできますよ。
相差町の路地を抜けると辿り着く緑豊かな社
太平洋と的矢湾が目の前に広がり、古くから漁業が盛んだった三重・相差町。海女さんが日本一多い町として知られていて、約100名ほどが活躍しています。そして町内には海女さんが海で取ってきた海産物を楽しめる海女小屋や漁師宿などが数多くあり、今では鮑や牡蠣、伊勢海老といった海の恵みを楽しめる場所として観光客に人気を集めています。
地元の人々に親しまれてきた社をゆっくり参詣
神明神社の境内にはお稲荷さんやご神木など数々のパワースポットが点在しています。まずは、天照大御神など26柱が合祀されているという神明神社を参詣しましょう。境内の一角からは海を望むこともでき、海の安全を見守るかのように佇んでいます。
海女さんが信仰する石神さんは女性のための神様
神明神社境内に社がある「石神社」は、石神さんと呼ばれ親しまれいている女神、玉依姫命(たまよりひめのみこと)が祭神。海の神様である綿津見神の娘で、初代天皇である神武天皇の母である玉依姫命を相差の海女さんは古くから信仰し、安全大漁祈願をしてきました。今でも相差はもちろん、伊勢志摩の海女さんは新年や漁の解禁前などに石神さんを参詣しています。
ドーマン・セイマンを記した授与品に願いを込めて
絵馬には御礼詣でに訪れた人の感謝の思いが記されている
海女さんが海に潜る際の魔除けとして磯着などに書いている「ドーマン・セイマン」。相差の海女さんの間で受け継がれてきたこのおまじないが、石神さんの授与品にもあしらわれています。伊勢志摩の土で染めた麻袋に貝紫色でドーマン・セイマンを記した手作りの御守りも。絵馬、御朱印帳などにもドーマン・セイマンが記されています。
格子と星がドーマン・セイマンの魔除けの印
門前には海女さんグッズや地元ならではのグルメも
神明神社周辺には、海女さんグッズを集めたお土産ショップやカフェもあるのでぜひ参詣の後に立ち寄ってみてくださいね。「海女の家五左屋」は、牡蠣や海藻など地元の名産品のほか、ドーマン・セイマンをモチーフにしたグッズを取り揃えたお土産ショップ。
海女さんの石いかりをイメージしたアクセサリー
海女の家 五左屋
アマノイエゴザヤ
レインボーところてんサイダー(500円)
「海女の家五左屋」の隣にある「オウサツキッチン」は、天草を使ったところ天ドリンクや、市場で販売できない雑魚を使ったフライなど、相差の食材を気軽に楽しめるようにと創作したメニューを販売するカフェ。
オウサツキッチン0032
海と生きる人々と共に、祈りのひとときを
町を歩くと海女さんが海に潜るときに使うセイマン・ドーマンを刻んだ重石「石いかり」をあちこちで見かけ、海女文化を守り伝えるための資料館などもある、相差町。海と生きる女性たちのパワーも感じる町で、女性の味方となってくれる神様を訪ねてみてくださいね。
神明神社(石神さん)
シンメイジンジャイシガミサン
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Writer
田口真由美

好物は古いものと発酵したもの。名古屋を拠点に町や人、美味しいものを訪ねる日々を過ごしています。
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