1974年創業の老舗果物専門店

ガラス張りになっていて気軽に入りやすい雰囲気

「クリケット」がたたずむのは、市バス・衣笠校前から西大路通を北へ徒歩2分ほど、平野神社前交差点の南西角。中に入ると、棚に並ぶ旬の果物の鮮やかな色彩が目に飛び込んできます。北は青森、南は熊本まで、国内で7か所の果樹農園を営み、各地の気候風土に合ったさまざまな果物を栽培・販売するほか、「果物屋ならでの、果物のおいしい食べ方を提案できれば」という思いから、イートインスペースを併設しています。

棚には、食べごろの果物がずらり。贈答用に買い求める常連さんも多い

ショーケースには、フルーツ杏仁や季節のタルトなど果物を使ったスイーツが並ぶ

果樹園をイメージしたイートインスペース

白い空間にグリーンのアートが爽やかに映える

イートインスペースは、果樹園をイメージ。ぶどう、柿、キウイフルーツ、りんごなど本物の果樹の枝や蔓を使ったグリーンアートが、白を基調とした空間の天井を彩ります。 販売スペースとの間を仕切る摺りガラスには、店名の由来であるコオロギのイラストロゴが。ディズニー映画のピノキオに登場するシルクハットをかぶったコオロギ「ジミニー・クリケット」にちなんでいて、ピノキオに物事の良し悪しを教える良心役にあやかって、果物を良い方向に導いていきたいという思いを込めているのだとか。

柑橘をまるごと使ったフレッシュなゼリー

ガラスのうつわも涼しげな「レモンゼリー」800円

柑橘をまるごとくり抜いて搾った果汁でつくる「フルーツゼリー」は、レモン、グレープフルーツ、オレンジの3種がそろいます。ゼリー1つあたり2～3個分もの果汁を使い、果物本来の風味を生かすため砂糖もゼラチンもできる限り控えめにし、「口のなかの体温で溶けるような食感」に仕上げているそう。フタを手に持ち果汁をギュッと搾れば、爽やかな香りが広がって、風味がより豊かに感じられます。

瑞々しく、ふるふるとした食感のとりこに

「グレープフルーツゼリー」900円。このときはピンクグレープフルーツを使用

フルーツサンドは断面の美しさにも注目

「フルーツサンド」1400円。ハーフサイズ950円もある

注文を受けてから果物の皮をむいてつくるという定番人気のフルーツサンドは、メロン、いちご、りんご、キウイフルーツ、パイナップル、マンゴー、パパイヤの7種をサンド。 「花街の上七軒が近く、楽屋見舞いに使ってもらうことも多いので、舞妓さんたちも食べやすいようにとひと口サイズになりました。果物はランダムに重ねているので、12切それぞれに異なる味わいが楽しめますよ」と代表の小坂洋平さん。主役である果物そのものの甘さや香り、食感が引き立つようにと、特注するパンのスライスは薄めに、生クリームは2種をブレンドすることにより、口どけ、コク、後味のよさを併せ持つよう調整しているそう。

フルーツサンドの上には旬の果物を添えて。手におさまるサイズ感と食べやすさも魅力

パッケージデザインもすてきな「フルーツチョコレート」各800円

イートインメニューにはほかに、7種の果物をのせた定番のフルーツパフェやプリンアラモード、旬の果物を贅沢に使った季節限定パフェ、アサイーボウルなども。ひとりでふらりと来店し、果物を使った特製カレーライスを味わうご近所さんの姿も見かけます。 おうちでのふだんのおやつやお配りみやげには、苺、メロン、バナナ、りんご、マンダリンの5種がそろう「フルーツチョコレート」がおすすめ。チョコレートでコーティングするのではなく、フリーズドライの果物にチョコレートを染み込ませた、新感覚のフルーツ菓子です。

平野神社、金閣寺、北野天満宮、上七軒など周辺散策のおともには、生絞りジュースや、「シトラスミックス」「マンゴーヨーグルト」「レモンベリー」など6種から選べるアイスバーをテイクアウトするのもいいかも。 空と大地が育んだ果物たちの弾けるおいしさ、ぜひ満喫してくださいね。