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2025.10.20
中世ヨーロッパの古城みたい♪ アンティークグラスのやさしい光と荘厳な音色に癒やされる「川奈ステンドグラス美術館」
伊豆急行「川奈駅」から車で約5分。 「川奈ステンドグラス美術館」は、英国コッツウォルズの風景を思わせる、はちみつ色の洋館がすてきなミュージアム。館内には、18〜19世紀のステンドグラスを約300点展示。クラシカルな椅子に座って、色とりどりの光を眺められます。さらに毎日数回行われる、アンティークオルゴールやパイプオルガンの演奏も、訪れる楽しみのひとつ。
ツタが絡むアーチをくぐって、館内へ。

ツタの絡まる美術館の入口
海と緑に囲まれ、おだやかな空気が流れる静岡県伊東市。その高台に位置する「川奈ステンドグラス美術館」は、日本とは思えないような、異国気分を味わえるアートスポットです。イギリス・コッツウォルズ地方にある貴族の家「マナーハウス」をイメージして、2006年に作られました。
本物のアンティークステンドグラス約300点を展示

美術館に並ぶのは、1800年代を中心にヨーロッパでつくられた、アンティークステンドグラス。これらはすべて、教会や聖堂、貴族の邸宅で実際に飾られていた本物の作品。長い歴史を重ねてきた本物だからこそ、ガラスの色や光に“時間の深み”がにじんでいます。 しかもうれしいことに、ほとんどの作品は写真撮影OK。カメラ片手に、お気に入りの1枚を探したくなります。

リチャード・リーのランプが、ステンドグラスとはまた違う輝きを放つ
お気に入りの椅子に座って眺める、贅沢な時間

ステンドグラスと向き合うように置かれたアンティークの椅子
アンティークの椅子を見かけたら、ぜひ座ってみて。これは、美術館が自由に使えるように用意してくれたもの。腰を落ち着けて、ステンドグラスの光と色を、ゆっくり味わえます。

床に反射するステンドグラスの光にも目を留めて
古いのに、なんだかキュート。フランスのステンドグラスたち

1900年代にフランスで作られた「Our Lady」
19世紀末〜20世紀初頭のフランスでは、ステンドグラスにも絵画的な色使いが導入され始めました。 「Our Lady」は、そんな時代背景を肌で感じられる作品。母マリアが幼子イエスを抱くシーンが、ソフトなタッチで描かれています。線がやわらかく、色彩も淡くて、しかもかわいい♪ どことなくアール・ヌーヴォーらしい詩情が漂います。

エナメルスタイルで作成された「田園風景」
宝石箱のようなきらめきを放つ大作

ジョン・ハードマンの作品「眠れる者を見守るイエス」
館内はエリアごとに名前が設けられていて、それぞれ異なるステンドグラスの魅力を楽しめます。 なかでも見逃せないのが、陽の光がたくさん入るように設計された「光の部屋」。メインの展示「眠れる者を見守るイエス」は、美術館を代表する作品です。 こちらは、19世紀のイギリスで活躍したジョン・ハードマンによるもの。完全な形では残っておらず、2000枚以上のガラス片を丁寧に組み合わせ、ひとつの展示としてよみがえらせました。

近づけば、色の揺らぎや線の細やかさが息づいているのが感じられる
教会でアンティークパイプオルガンの生演奏を

美術館には、2つの教会があります。大きい方の「セント・ミッシェル教会」は、天井が高く、荘厳な雰囲気。 壁には、四人の天使、ウリエル、ラファエル、ミカエル、ガブリエルが描かれた、四大天使のステンドグラスが配されています。四人すべてがそろった姿を見られるのは、世界でもここだけ。貴重なアートを、じっくり鑑賞してくださいね。

イギリス・ヨークシャーのウッド・ワーズ社によって製作された、1922年製のパイプオルガン
入館料不要。気軽に立ち寄れるミュージアムショップ

鑑賞のあとに立ち寄りたいのが、入館料なしで立ち寄れるミュージアムショップ。ステンドグラスをモチーフにした雑貨やランプ、アクセサリーなどが、ところ狭しと並びます。

東京・上野に工房を構える「福村硝子」のアクセサリー

ここでしか出会えない、ミュージアムショップ限定グッズもたくさん。パネルやキーホルダー、ブックマークなど、ステンドグラスのような透け感をまとったすてきなデザインになっています。


3階には、海の見えるテラスも完備
友人とはもちろん、ひとり旅にも最適な「川奈ステンドグラス美術館」。特別な思い出を残したいなら、ぜひ立ち寄ってみてください。

川奈ステンドグラス美術館
カワナステンドグラスビジュツカン
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安藤美紀
Writer
安藤美紀

湘南を拠点に全国を旅するフリーライター。執筆した記事は1000以上。温泉の資格も複数保持。
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