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2025.10.16
隠れ家感満載、中崎町の路地奥にある台湾茶カフェ「雅楽茶」で静かなお茶タイムを
梅田界隈からも徒歩圏内と思えないほど、長屋や古民家が並ぶレトロな町・中崎町。細い路地が多く「こんなところにもお店が!」と驚くような場所で、人気店に出会えます。中でも「雅楽茶」は、かなり細い路地を十数メートル奥に進んだ場所にある古民家。店主の笠原雅美さんが台湾の生産地を訪れて厳選した、めずらしい台湾茶と手作りの甘味を味わいながら、路地奥ならではの静かな時間が過ごせます。
路地奥にある古民家を活かした台湾茶カフェ

中崎町の中でもひときわ有名店が多く集まる通りにある、すえひろがり第7ビルと民家の隙間、大人がひとりずつ歩ける程度の幅しかない路地を奥に進むと右手にある古民家が「雅楽茶」です。

大阪メトロ谷町線中崎町駅4番出口から徒歩4分、梅田界隈からも徒歩10~15分で到着。国内ではなかなか味わえない高品質の台湾茶を中心に、紅茶や日本茶も取り揃え、手作りの甘味と共に味わえます。
和室と洋室、選べる空間

玄関で靴を脱ぎ、下駄箱に入れてから店内へ。小さな和室には、テーブルが4卓あり、畳の上でくつろげます。

和室と階段をはさんだ場所にある洋室には、テーブル席も。和と洋の違いはありますが、どちらも知人のおうちにお邪魔しているような気分に。古民家カフェならではの居心地の良さが感じられます。
台湾茶を中心にお茶は15~20種

お茶はすべてジャスミン茶の琥珀糖付き
台湾茶、紅茶、日本茶の種類は計15~20種。毎年、笠原さんが台湾の茶農家に足を運び、その年の出来映えを確認しながら、どんな茶葉を仕入れるか吟味しています。 お茶の基本セットは、急須、ピッチャー、茶杯(湯呑み)、茶葉、お湯が入ったポット、砂時計、お湯を捨てるための器。

お茶の淹れ方は各テーブルに説明書きがあり、QRコードから動画でもチェックできます。一例を紹介すると、まずはポットのお湯を急須、ピッチャー、茶杯の順に注ぎ、茶器をあたためてから、お湯を捨てるための器へ。 その後、茶葉を急須に入れ、お湯をたっぷり注ぎます。茶葉をほぐすことが目的なので、すぐにお湯をすべて捨てましょう。再び急須にお湯を注ぎ1分蒸らしてから、急須のお茶をピッチャーにすべて出し切り、ピッチャーから茶杯に注いで少しずついただきます。

淹れるごとに、味わいの変化を楽しめるのも醍醐味のひとつ。一煎目は香りが高く、二煎目、三煎目になるとそれぞれの茶葉特有の旨みや渋みが感じられ、四煎目以降になると、どんどんまろやかで飲みやすくなっていきます。 ポットに入ったお湯は、水がめで寝かせて、味をまろやかに整えた水を温めたもの。アルコールランプで温め続けているので、約1リットルあるお湯はずっと温かいままです。お茶を最後までおいしく楽しみ尽くせるような心づかいが光ります。

大禹嶺1500円
2025年のおすすめ茶葉のひとつが「大禹嶺(だいうりょう)」。標高1800m以上ある、気温が低い茶園で栽培されているため成長が遅く、茶葉には鉄分が多く含まれることからしっかりとしたコクがあり、香りも爽やか。飲んだ後の余韻を長く感じられます。
お茶を引き立てる手作りの甘味

豆腐白玉 温セットはお茶の価格+400円
お茶請けとして用意されている自家製スイーツは、豆腐白玉(温・冷・豆乳きなこセットの計3種)、黒胡麻プリン、羊羹、焼き菓子など。 豆腐白玉は、白玉に豆腐を加えているので、食感がふんわりやわらか。優しい甘さの黒みつはしょうがが効いていて、甘すぎないので軽やかに食べきれます。

和室の片隅にあるのは、なかなか見かける機会が少ない水琴窟。本来、日本庭園の装飾のひとつで手水鉢の下、地中に空洞を作り、そこに水滴を落として反響させる仕掛けのことで、その音が琴の音に似ているから、水琴窟と名付けられたそう。 耳を澄ませないと聞こえないくらい繊細な音ですが、「雅楽茶」は路地奥にあるので比較的静か。風情がある水琴窟の音色に耳を傾けながら、香り高いお茶をゆっくり堪能してくださいね。

雅楽茶
がらくちゃ
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取材・文:西 倫世 撮影:milk
Writer
西 倫世

関西を中心に雑誌やWEBで旅・グルメ・トレンド情報に関する記事を発信。ラジオ番組への情報提供も担当
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