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2025.10.21
磐梯山を眺めて自家焙煎コーヒーとスイーツを堪能♪ 会津・磐梯高原のカフェ「Rotten Row Coffee Roasters」へ
福島県会津地方の名峰・磐梯山。その北側に広がる磐梯高原に、自家焙煎コーヒー店「Rotten Row Coffee Roasters」があります。雄大な磐梯山を眺めながら、スペシャルティコーヒーとともに、本場の味を再現したスコーンなど手作りスイーツが楽しめるカフェです。眺めのいい2階やテラス席で、ゆったり時が流れるカフェタイムを楽しみませんか。
自然に包まれた高原の自家焙煎コーヒー店

大きな馬のイラストが描かれている
会津のシンボル、磐梯山の北側は“裏磐梯”や“磐梯高原“と呼ばれ、湖沼が点在する高原リゾート地。JR猪苗代駅から車で約25分の場所にあり、緑豊かな磐梯高原の一角にたたずんでいるのが、自家焙煎コーヒー店「Rotten Row Coffee Roasters」です。 長内夫妻が営むカフェは、ウッディな外壁に描かれた馬の絵が目印。お店のロゴも馬がモチーフになっています。「Rotten Row(ロットンロウ)」という店名は、茅葺き職人だった奥様が、仕事でロンドンに滞在していたお宅の住所から名付けたもの。ハイド・パーク内にある王室が造った「乗馬用の道」を指し、その響きの面白さから付けたといいます。

注文は1階で。吹き抜けで居心地のいい空間
福島市出身の店主、長内基樹さんは元自動車整備士。2009年に裏磐梯に夫婦で移住し、働いていた猪苗代のカフェレストランで自家焙煎コーヒーにふれ、やってみたいと思ったそう。「焙煎機やエスプレッソのマシンがカッコいいと思いました」と魅かれたポイントが元自動車整備士ならではの長内さん。

コーヒーをていねいに淹れるオーナーの長内基樹さん
当初、地元・福島市に戻って店を始める予定だったが震災で断念。その後、自宅近くの空き家を借り、2013年にオープン。 長内さんは、「震災がきっかけでみんなが電気がどこから来ているのだろうと考えるようになり、この一杯のコーヒーも同じように、どこから来たのかという構図が似ていると気づいた」と言います。「当時の福島の状況と、世界最貧国といわれるエチオピアなど、遠い国から届いたコーヒーで、私たちも豊かな時間を過ごせています。このつながりを福島から発信したいという想いがありました」と長内さん。今は「目の前のお客さんが喜んでくれたら、その幸せが広がってつながっていく」という想いももちながら営んでいます。
お気に入りのマシンで焙煎するスペシャルティコーヒー

赤いマシンがディードリッヒ焙煎機。コーヒーは注文ごとにていねいに淹れる
「アメリカ製のディードリッヒは本当にカッコいい」と、焙煎機について楽しそうに語る長内さん。ご自身で温度センサーを追加したり、メンテナンスや修理も行ったりと元整備士ならではの探求心が光ります。豆を挽き、ハンドドリップでていねいに淹れたコーヒーの香りが店内に広がります。 長内さんが焙煎するスペシャルティコーヒーは、オープン当初からケニア、エチオピア、コスタリカ、ルワンダ、インドネシア産など、産地にこだわった豆を使用。カフェでは6〜7種類からスペシャルティコーヒーを選べます。なかでも農園を応援する目的で仕入れている、友人を通じて出会ったインドネシアのバリ島産の豆がおすすめです。農園から直接仕入れている珍しいバリ島産のスペシャルティコーヒーは、雑味がないおいしさが魅力です。
磐梯山を独り占めできる2階のカフェへ

ソファ席もあるウッディなカフェスペース
コーヒーはテイクアウトのほか、2階のカフェでゆっくりと味わうことができます。2階は木のぬくもりが感じられるゆったりした空間で、県内のアーティストの作品も飾られています。男性も1人で気軽に立ち寄りやすいような、心地よい雰囲気が魅力です。 一番のおすすめはカウンター席。大きな窓の目の前には雄大な磐梯山がたたずむ贅沢な空間が広がっています。遮るものがない景色を存分に楽しむことができますよ。

磐梯山を望む2階のカウンター席は特等席
手作りのスコーンやチーズケーキを一緒に

エスプレッソの深みとコクを感じる「カフェラテ」700円と「スコーン」390円
コーヒーと一緒に味わいたいのが、職人気質の奥様が独学で作る手づくりスイーツ。なかでも一番人気は「スコーン」です。茅葺き屋根の仕事でイギリスに滞在していたときに食べていた、本場のスコーンを再現しています。 小麦粉にもこだわり、喜多方市にある「秀ちゃん農園」の中力・準強力粉と国産の薄力粉の 配合を研究し、作り出す一品。表面はサクッと中はしっとりした食感で、バターの風味 が広がります。「簡単なようでいて、気温や湿度でも変わってくるので日々研究です」と語る奥様。プレーンのスコーンにラズベリージャムとクロテッドクリームをつけて、イギリス風に味わってみて。

「選べるドリップコーヒー」700円と丸形の「チーズケーキ」500円
オープン当時からの人気メニューはオリジナルの「チーズケーキ」。最初は友人が作っていたホールケーキを、「カットせず、丸い形のままひとつずつ提供できないか」と奥様が相談し、改良を重ねて完成させました。クリームチーズにサワークリームを加え、レモン汁を効かせたケーキはなめらかな舌ざわりで、さわやかな味わいに。やさしい酸味のあるチーズケーキは、フルーティーな味わいのエチオピアの浅煎りのコーヒーが合うそう。 また、イギリスで人気の「コジェット」と呼ばれるズッキーニを使った「チョコレートケーキ」もおすすめ。実からすりおろしたズッキーニを混ぜ込んでいる珍しいケーキで、裏磐梯産の花豆が添えられています。こちらは季節限定です。

カスカラレモンをかけた「アフォガート」750円。アイスの下にはフレークも
エプレッソと甘酸っぱいカスカラレモンの2種類をバニラアイスにかけて味わう「アフォガート」。カスカラとは、破棄されることが多いコーヒーチェリーの果皮と果肉を乾燥させたもの。 カスカラレモンは京都の「海ノ向こうコーヒー」の、いちじくのような味がするというカスカラで作ったシロップをベースに、長内さんが淡路島産の有機レモンを加えたものです。レモンの酸味が効いていて、あとから深い甘みがきます。バニラアイスとの相性は抜群で、コーヒーが苦手な方にもおすすめです。
沼越しの磐梯山を眺めてコーヒータイム

ご主人がていねいに淹れたコーヒーとスイーツでのんびり
建物の横には小さなじゅんさい沼があります。こちらは「RottenRow Coffee Roasters」が所有する沼で、農薬をまいていないため、生き物がいっぱいだそう。小さな花が咲くこともある貴重な水辺です。 建物の前にはテラス席があり、沼越しに見える磐梯山を眺めながらゆっくり過ごせば、心もリフレッシュできますよ。

目の前にはじゅんさい沼が広がっている
スペシャルティコーヒーを自宅で楽しむ

手前が「ドリップバッグ」1バッグ200円。奥は馬のイラストが描かれた自家焙煎コーヒー豆
自家焙煎コーヒー豆と、それぞれの産地をイメージした動物のイラスト入りのドリップバッグも販売されています。愛らしい動物のイラストは奥様の同級生の絵描きさんが描いた作品。おみやげにもぴったりです。 どの季節に訪れても磐梯山の美しい景色が楽しめる「Rotten Row Coffee Roasters」。おいしいコーヒーとスイーツを味わいにでかけてみませんか。

Rotten Row Coffee Roasters
ロットンロウコーヒーロースターズ
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文:細江まゆみ 写真:加藤熊三
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