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2025.10.27
信楽のアトリエ&ギャラリー「もうひとつの器のしごと」へ、日々に寄り添ううつわを探しに
滋賀県の信楽は、自然豊かな山あいの町に200ほどの窯元が点在するやきものの里。その一角に、全国区で人気の陶芸家ご夫妻によるアトリエ&ギャラリー「もうひとつの器のしごと」があります。花や鳥など身近な自然を題材に作られた風合いのいい作品は、毎日使いたくなるシンプルな食器から、インテリアのアクセントになる小さなオブジェまでさまざま。手しごとのぬくもりが伝わる素敵なうつわとの出会いが待っていますよ。
国道沿いにたたずむ白壁の建物を目指して

甲賀市信楽図書館の向かいに建つ
信楽高原鐵道の終点・信楽駅から歩いて10分と少し。近江グリーンロードの愛称をもつ国道307号線沿い、白壁のちいさな建物が、お目当てのアトリエ&ギャラリー「もうひとつの器のしごと」です。国道をさらに7分ほど北へ進めば、車の整備工場をリノベーションした姉妹店「器のしごと」があります。 村上直子さん・白井隆仁さんご夫妻は県外からの移住組。前職で担当していた社内報の企画で陶芸体験に訪れたのを機に信楽焼に魅了され、ひたむきに作陶の道を歩んできた村上さん。村上さんの作陶を手伝ううちに感化され、自身も作品制作を行なうようになったパートナーの白井さん。ふたりの世界観が融合した素敵なアトリエ&ギャラリーです。
「器のしごと」の記事はこちら

白と飴色を基調としたシンプルな空間
1号店の「器のしごと」には、陶器をメインに、こだわりのある1点もの、イベントで出会ったという作家さんのもの、テキスタイルや金属、ランプなど異素材のアイテムが。2号店のこちらには、ご飯茶碗、マグカップなどふだん使いできる、手に取りやすいうつわを取りそろえています。 「自分が作りたいと思うイメージが、そのまま形になることですね」と作陶の魅力を語るご夫妻。村上さんは、ろくろや、板状にした陶土から形成するたたらを、白井さんは、手びねりで小さな作品づくりを行なっています。

季節の色彩を映す窓から淡い光が差し込む

思わず笑みがこぼれる愛らしい表情のオブジェたち

色のバランスも吟味し、ディスプレイをしているそう
シンプルで洗練されたうつわたち

リリープレート、小菊プレート、レモンプレートなど、それぞれのうつわに付けられた名前にも心が弾む。小皿1540円~
「長く使い続けたいと思うもの。移り変わっていく表情を楽しみながら日々、器の制作をしています」と村上さん。土の中に含まれる鉄分が点となって釉薬からのぞく白の粉引を中心に、表情の違いを生み出しながら、大小のプレート、小鉢、スープカップなどふだん使いのうつわを作っています。どんな料理やお菓子ともなじむ風合いのよさは、村上さんが好きだというアンティークに通じるものがあります。

白のほか、黒や茶色のうつわも。「鉄錆カレハスプレート」5500円
遊びごころがキラリと光る酒器

「sake cup」5500円~7700円はフックが付いていて壁に掛けて飾ることもできる
動物をモチーフにした「sake cup」は、逆さにすると鼻とツノの3点で立つ、高台付の酒器に早変わり。「自然界の美しさや身のまわりで見つけたものからインスピレーションを得ています。かわいくなりすぎず、甘くなりすぎずの “渋かわいい”動物たちを見て、空想を楽しんでもらえたら」と白井さん。

sake cupを逆さにすると写真中央のように。酒器のほか小鉢としても使える

集めて町を作りたくなる、おうちオブジェ3300円~。ドライフラワーの一輪挿しとしても使える

鳥やおうちのブローチ各2900円

フクロウ、クマネズミなどの花入れ6600円~

「ねこのオブジェ」9900円。風合いい毛並みと語りかけてくるような表情で、眺めるたびに愛着がわく

ことりのモチーフを発見。「ガラス風鈴 ツバメ」4400円

「もうひとつの器のしごと」は日曜のほか、時折平日も。「器のしごと」のほうは、日曜のみオープンしていますので、二軒をハシゴするなら日曜日がおすすめです。ろくろ坂、ひいろ壺坂、窯場坂からなる散策路とあわせて、窯元めぐりを楽しんでくださいね。

もうひとつの器のしごと
モウヒトツノウツワノシゴト
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文:佐藤理菜子 写真:マツダナオキ
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