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2020.10.06
自然をモチーフにした、やさしく繊細な世界観に魅せられる「器のしごと」
信楽で作陶を行なう村上直子さんは、全国にファンを持つ人気作家。白を基調とした美しい作品が多くの人を魅了しています。村上さんの作品が一堂にそろうギャラリー「器のしごと」は、その世界観に浸ることができる魅力あふれる空間です。

日曜だけオープンする小さなギャラリー

こぢんまりとした店内に、定番や新作などの作品がずらり。オンラインショップには出ていないアイテムもそろっている
ギャラリー「器のしごと」があるのは、信楽高原鐵道信楽駅から歩いて15分ほどの場所。国道沿いの建物は、白い扉と控えめな看板を見逃すと通り過ぎてしまいそうなほど、ひっそりとたたずんでいます。オープンするのは日曜日だけなので、ここをお目当てに訪れるときはスケジュールに気を付けてくださいね。 近年は信楽でも増えているという女性作家ですが、村上さんは20数年来、陶芸作家として活躍中。洗練されたデザインと素朴な風合いを兼ね備えた作品は、多くのメディアでも紹介され人気を集めています。

村上さんの作陶を手伝ううち、本業として取り組むことを決めたという白井さん
現在は、夫の白井隆仁さんと共同で制作を行なう村上さん。小鉢や箸置き、アクセサリーなどは白井さん、そのほかは村上さんが担当と分担しています。また、新作のアイデアを相談してイメージを膨らませるなど、二人のパートナーシップが創作活動に生かされています。

物語を紡ぐようにつながり調和する、新作と定番

貝プレート(5280円)、ホオズキの箸置き(1980円)のほかは定番商品。浅くて広いティーカップ(3300円、ソーサーは別売り)は、紅茶だけでなくサラダやヨーグルトを入れても
村上さんの好きなアンティークを思わせるテイストや、白を基調とした落ち着いた配色で統一感のあるラインアップ。釉薬を使い分けて、白い器でも表情の違いを生み出しています。 花や鳥など身近な自然を題材とすることが多いという作品。2020年もそんな新作がお目見えしています。リムのデザインが印象的なのは、二枚貝の貝殻の模様をイメージした貝プレート。ホオズキの箸置きは中に実が閉じ込められていて、軽く振ると音がするという趣向も。陶器と磁器のタイプがあり、質感や音に違いがあるという点にも心をくすぐられます。

形や大きさがさまざまで、見比べたくて選びたくなる「おうちオブジェ」(1760円)
新作のペースが早く、数が多いというのも「器のしごと」の特徴。一年で半分くらいのアイテムが入れ替わっていくそうですが、その中で根強い人気を誇る定番のアイテムも。おうちオブジェは、町並みのように飾るのが楽しいといくつも集める人も多い作品。制作の年によって屋根の色が変わるので、変化を楽しめたり、買い求めたときの記念になったりと、愛着を感じながら長く親しんでいくことができそうです。

工房の見学や体験など新たな展開を企画中

作品の魅力が引き立つシンプルな空間
2020年春、2ndショップのオープンを予定していた村上さんと白井さん。外出の自粛などが呼び掛けられる社会情勢を鑑みて、時期を定めず延期することになりました。新しいショップには窯を備えた工房を併設。作陶の様子を見学したり、一日体験教室で作陶ができたりという企画も考えているそうです。これまでと違う形で「器のしごと」の魅力にふれられる、新たな展開に期待が高まります。
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豊野 貴子 写真:山本 章貴
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