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2026.03.24
重要文化財がおしゃれなビストロカフェに。諏訪の街の歴史を伝える「三村貴金属店」&「ミヌレ」
江戸時代には城下町として、そして甲州街道の宿場町としてにぎわった上諏訪。明治以降は製糸業で栄え、上諏訪駅から歩いてすぐの場所には、かつてのにぎわいを今に伝える昔ながらの商店街も残っています。今回訪ねたのは、その商店街に残る100年以上前の貴重な建物をリノベーションして作り上げたお店。街の歴史を伝え、後世に残していきたいという思いを形にした場所をご紹介します。
100年近い歴史がある「看板建築」が残る商店街へ
洋風の外観のお店が残る、本町商店街
JR上諏訪駅を出てすぐ目の前にある通りは東京・日本橋までつながる甲州街道となっていて、江戸時代から物資や人の往来が盛んだった道です。この街道沿いに広がる本町商店街は諏訪・高島城の城下町から発展した昔ながらの商店街。 ここで代々店を続ける「三村貴金属店」は、「看板建築」と呼ばれる100年ほど前の建築様式が残る、登録有形文化財にも指定されているお店です。諏訪で江戸時代から続く三村家のご子息が受け継いでいます。
三村貴金属店の外観
昭和初期の面影と職人技を感じる西洋風デザイン
貴金属店を営んできた三村さんの長女、土橋さん
三村貴金属店の3代目の三村昌暉さんにお話しをうかがうと、「看板建築」とは、通りに面した部分だけモルタルや銅板、タイルなどで洋風にしつらえ、店内は木造の日本風になった建物のこと。店内に入るとよくわかりますが、店の奥にある住居は木造の純和風となっています。 この建物ができたのは1928年。1926年に本町商店街は大火事にあい、多くの建物が消失してしまったのだそう。その復興のために費用を安く抑えながら見栄えよくしようと取り入れたのがこの「看板建築」でした。関東大震災後の東京で取り入れられた建築様式で、それが全国に広まっていき、上諏訪でも多くの店がこの看板建築を取り入れました。
横から見ると正面部分だけモルタルになっているのがよくわかります
文化財の中で過ごせるカフェビストロで、街の歴史を体感
三村貴金属店の建物は2つの建物が繋がったようになっていて、隣の建物はしばらく空き家になっていました。取り壊すことも検討していましたが、三村さんの長女である土橋さんご夫妻がこの建物を次の世代へと残したいと、リノベーションを手掛けます。人が集まる場所にしたいと地元でカフェを営んでいた村上さんに声をかけ、カフェビストロ「ミヌレ」がオープンしました。 店内に入ると、白壁と木造の柱が印象的。ヨーロッパのカフェビストロをイメージしてセレクトした、レトロな乳白ガラスの照明や海外のアンティークの家具をがよく似合います。店の奥にはもともとあった坪庭も見えるように窓が作られていて、奥行きのある空間であることも感じられます。
玉ねぎとチーズがたっぷりの「オニオングラタンスープ」(880円)
ティラミスはふわふわに仕上げたマスカルポーネチーズでリッチな味わい
昼間はランチが楽しめ、ティラミスやカヌレ・ド・ボルドー、カッサータなど食後のスイーツも丁寧に作られたフランスやイタリアの伝統菓子が並んでいます。ワインなどのお酒も美味しい珈琲や紅茶も取り揃え、昼から夜まで、いつでも気軽に立ち寄れる、街の社交場のような場所を目指しました。
café et bistro minerai
カフェエビストロミヌレ
街の人にも愛される、歴史を繋いでいく場所に
和室だった空間を改装したレンタルスペース
「三村貴金属店」は、時計や眼鏡、ハレの日のジュエリーなどを求めて長年地元の人に親しまれているお店ですが、店内は昭和のレトロなインテリアが残っていて、こちらも貴重な空間。昭和を感じるレアな時計やアクセサリーが並んでいたのでぜひのぞいてみてくださいね。 また「ミヌレ」の2階部分は、調理道具なども揃ったレンタルキッチンの部屋と、イベントなどもできそうな広間を作り、レンタルスペースとして利用できるようにしていて、街の歴史を伝える建物が新たな交流の場所になればと三村さんは期待を寄せています。
「三村貴金属店」の店内にはハンドメイドのシャンデリアも
三村貴金属店
ミムラキキンゾクテン
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