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2013.08.26
絵本とメルヘンの国、チェコの古本屋へ
店員さんが心から本を愛する古本屋「プルヴニー・ポドゼミ・アンティクヴァリアート」へ。挿絵がかわいい絵本の世界に思わず引き込まれます。
目の前に山と積まれた絵本
「あのう、絵本が見たいんですけど……」。軽い気持ちでこうお願いしたというのに、店員さんたちがあとからあとから本を持ってきてくれます。「あれがいいんじゃないか」「こんなのもあったな」。店員さん同士がそう話し合う様子は、本を買って欲しいというよりも、ちょっとでも多くの本を見てもらいたくてたまらないという感じ。ここはチェコの首都、プラハにある古本屋さん。地下にあってわかりにくく、普通なら通り過ぎてしまいそうな場所ですが、階段を下りた先には、まるで洞窟に隠された宝石箱を開けたかのような、まばゆい本の世界が広がっていました。
絵本の国、チェコ

チェコは絵本が有名な国。絵本好きの人は、ズデネック・ミレルやヨゼフ・ラダ、カレル・チャペックなどの名前を聞いたことがあるかもしれません。素朴でやさしく、ときにユーモラスなチェコ作家の画風に魅せられたコレクターは世界中にたくさんいます。 なぜここチェコで絵本が盛んになったのか、それは社会主義時代に表現の自由を奪われていた中、唯一の表現の場が、こうした子ども向けの絵本やアニメだったからとのこと。こうした事実を知ると、チェコの人々の絵本に寄せる思いに並々ならぬものがあることを実感しますね。 写真はオーナーのミハル・フルタさん。
アンティーク絵本にトキメキ

この古本屋さんの名前は「プルヴニー・ポドゼミ・アンティクヴァリアート」。「地下1階の古本屋」という意味です。店員さんたちには英語が通じ、要望を伝えるととても熱心にリクエストに合わせた本を探し出してきてくれます。年月を経て表紙が少し焼け、味わい深さを増した絵本の数々。どんな子どもたちがこれを読んだのかな?そんなことを考えつつページをめくると、思わず本の世界に引き込まれてしまいます。ほとんどがチェコ語ですが、イラストが多かったり飛び出す絵本だったり、言葉が分からなくても楽しめるものもいっぱい。中世の趣を残すプラハ。メルヘンチックなムードたっぷりのこの町には、絵本がとってもよく似合います。こんなおとぎの町に滞在していると、絵本にそんなに興味がなかった人でも、その魅力のとりこになってしまうかもしれません。

1. Podzemní Antikvariát
プルヴニー・ポドゼミ・アンティクヴァリアート
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菅沼佐和子
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