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2014.08.28
阿弥陀如来が見守る「鎌倉おてらCafe」で、癒しのひとときを
鶴岡八幡宮へと向かう若宮大路沿いのビルの2階にある「鎌倉おてらCafé」は、鎌倉時代から続く浄土真宗の古刹、浄榮寺(じょうえいじ)の僧侶がマスターを務めるユニークなカフェ。店内には凛とした空気が流れ、ほのかに漂うお香の匂いに心がシンと落ち着きます。
喧騒を忘れる静寂のカフェ
窓際の席からは、段葛の桜並木が見下ろせます
悩み多き現代人に、仏教の教えを通して癒やしや生きる力を伝えたい…。そんな思いから、誰もが気軽に立ち寄れるおしゃれなカフェを運営するお寺が増えてきました。 鎌倉おてらCafeもそんなお店です。立像の阿弥陀如来像を見なければ、お寺が運営するカフェとは気がつかないかもしれません。仏教に興味がなくても大丈夫。ふらりと訪れて、思い思いに静かな時間を過ごしていく人がほとんどなのだそうですよ。賑やかな表通りに面していながら、観光地の喧噪をよそに心穏やかにくつろげるこのカフェでは、ついつい長居をしてしまう人が大勢います。
お寺の歴史を教えてもらいました
店内には、ご本尊の阿弥陀如来があります
「浄榮寺は鎌倉幕府を樹立した源頼朝の弟、源範頼の菩提を弔うために建てられたお寺と言われており、元々は鎌倉にありました。しかし、室町時代にこの地を制圧した小田原北条氏が浄土真宗を弾圧したため、鎌倉を離れ、後に横須賀市に再建されたお寺です」と話すのは、浄榮寺の僧侶であり、お店のマスターでもある岩崎俊文さんです。 古都、鎌倉にはたくさんのお寺がありますが、浄土真宗の古いお寺がほとんどないのはそういう歴史的な経緯からだそう。ゆえに、浄土真宗のご本尊である立像(立ち姿)の阿弥陀如来像を、鎌倉で目にするのは珍しいことなのだそうです。
和菓子と緑茶で古都の風情を味わって
人気の和菓子&抹茶入り緑茶セット。和菓子は季節によって変わります
人気のカフェメニューは、コーヒーか紅茶が付くスイーツセット。「りんごとサツマイモのパイ」(800円。単品は500円)は、やさしい味でオススメです。四季折々の和菓子が楽しめる「和菓子&抹茶入り緑茶」(800円)は、古都・鎌倉の雰囲気にピッタリな一品。 スイーツのほかにも、パスタやオムライス、湘南名物のしらすを贅沢に使った「しらすのブルスケッタ」など、お食事メニューも充実しています。
りんごとサツマイモのパイとコーヒーのスイーツセット
写経や法話を体験できます
写経の道具はすべて貸し出ししてくれます
おてらCafeには、写経や法話の体験メニューもあります。一番人気は、コーヒーか紅茶が付いた「プチ写経セット」(1000円)。約20文字の回向文をなぞり書きする手軽なものですが、無心で筆を進めるうちに忙しい日常がリセットされていくようで、書き終わった後はなんだか気持ちがすっきりしました。 また、毎月第3水曜日の10時半からは、誰でも参加できる勤行とミニ法話の「ブランチ法話会」(無料)が行なわれています。季節の話題や時事ネタを取り入れた約1時間半の法話は、小さな気づきと明日からの活力を与えてくれると評判です。 鎌倉おてらCafeは、気軽に仏教に触れることができる貴重な場所。誰でもふらりと訪れることができるユニークなリラクゼーションスポットです。忙しい日々にちょっぴりお疲れ気味のアナタ、次のお休みに鎌倉へ出かけてみては?
鎌倉おてらCafe
カマクラオテラカフェ
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写真 西朝子
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